この前ドイツで3体目となる、「少女像」と韓国側が言う慰安婦像が設置され、日本政府がドイツに撤去を要求すると、韓国側が大反発して騒ぎになった。
結局これは裁判に持ち込まれたから、判断が出るまでは、首都ベルリンの像は置かれたままという状態になっている。
ドイツの公共の場に、慰安婦像が設置されたのは今回がはじめて。
しかも日本が女性を強制連行して性奴隷にしたという歴史わい曲の碑文があったため、日本も国として動かざるを得なかった。
ではこの騒動について、現地ドイツの反応はどうなのか?
そのことについてJBpressにジャーナリストの藤原 修平氏の記事がある。(2020/10/28)
ドイツの全国紙は他にもあるが、それらはいずれも慰安婦像設置に関する記事を掲載していない。ドイツの国内メディアの関心は意外なほど低いのが実状だ。
ベルリンの慰安婦像、ドイツメディアの意外な報道
ドイツを舞台にした日韓のバトルを報じるメディアはもちろんあるけど、最も多くの記事を掲載した全国紙「ノイエス・ドイチェラント」でも10月14日と24日の2本だけだったという。
でも残念ながら、このメディアは韓国寄り。
ライプツィヒ大学の日本学研究者のこんな言葉を紹介している。
「この慰安婦像は韓国の市民社会的組織と極右的な日本の圧力との間で衝突を繰り返してきた、双方譲らぬ“歴史戦”である」
慰安婦像を設置する側は「市民」、それに反対する日本政府を「極右」と表現するのは韓国メディアと変わらない。
でも全体的にはドイツ・メディアの関心は低く、日韓の争いを記事にすることはあっても、像に焦点をあてて慰安婦問題を説明するものはほとんどなく、「ドイツ国内でほとんど注目されていない」というのが現状だ。
ちなみに韓国政府はこの像について、内心ではきっと迷惑に思っている。
きょう中央日報の記事でこんなことが書いてあった。(2020.10.28)
今年の夏に菅氏が首相に就任し、韓日間のハネムーン効果を期待する雰囲気も一部あったが、今月に入って、両国はドイツ・ベルリン少女像の設置-撤去問題で一度水面下で衝突した。
29日に韓日局長級協議へ…韓日中首脳会議の年内開催「分岐点」
韓国は菅首相を招いて韓日中首脳会議を開催したいと考えているから、いま日本を刺激するのは得策ではない。
ドイツで少女像が登場したところで政権の支持率アップにつながるわけでもないし、これは日本を怒らせるのは当たり前として、政府が下手に動いたらドイツとの関係もマズくなる。
文政権の反日は損得で動く。
この件に関してはデメリットが大きすぎるから、韓国政府は積極的な支援をしないで静観していた。
像を設置した団体には「最悪のタイミングで、最悪の選択をしやがって!」と苦々しく思っているのでは?
先々週、ブレーメンにいるドイツ人とスカイプで話したときに、この件について聞いてみた。
すると、きょねん日本に住んでいて日本関連のニュースをよく見る彼でも、この出来事はまったく知らない。
いまドイツの国民的な関心ごとはコロナウイルスの感染拡大で、すでにオクトーバーフェスト(ドイツの大ビール祭り)は中止になったし、このままだとまたレストランや店が閉鎖されるかもしれない。
ドイツ人がいま一番気になるのは国内経済で、海外のことなら、次のアメリカ大統領はだれになるかということぐらい。
「ちょっと待って。いまニュースを見てみる」とネットを検索すると、“少女像”をめぐる日韓の争いを伝える記事はいくつかあったものの、扱いは本当に小さいという。
ドイツ・メディアの記事を読んだ彼は「なんでベルリンにこんな像ができたの?」という、日本中が「ですよねー」と言いそうな素朴な疑問をした。
像も慰安婦問題も知らない彼に事情を話すと、「これは日本と韓国の問題ですよ!ドイツは関係ないですよ!」と迷惑そうに言い、「設置を認めたベルリンのドイツ人も、絶対に事情を分かっていませんでした」と太鼓判を押す。
そんな彼の反応は、「ドイツの国内メディアの関心は意外なほど低い」という記事と一致する。
そうなると、日本はあまり大きく動かない方がいいのかもしれないけど、日本のイメージを悪化させる歴史わい曲は認められないし、やっぱり像の撤去は要求しないといけない。
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