中国で16年前におこなわれたサッカーの国際大会・AFCアジアカップ2004。
日本が連覇し、最優秀選手に中村俊輔さんが選ばれて日本が有終の美をかざったのだけど、この大会ではガッカリなこともあり。
中国人の観客が反日感情がぶつけてきて、日本の国歌が演奏されるときや試合中には激しいブーイングの雨あられで、「国歌演奏のときにブーイングするのは納得がいかない」と日本代表監督のジーコ氏は怒ったほど。
準々決勝のヨルダン戦では決着がつかず、PK戦にまでもつれこんで日本がかろうじて勝利すると、中国のサポーターは怒りを爆発させた。
日本の勝利が決まった瞬間、日本のサポーターが歓声を上げると周りの観衆は紙コップなどのゴミをサポーターに向かって投げつけ、罵声を浴びせた。終了後、日本サポーターは警備員に囲まれて会場を後にした。
ただ中国メディアはこれと”真逆”の反応を見せる。
こういうサポーターの反日行為について「こうした愛国には誰も喝采しない」、「スポーツと政治を混同するな」とたしなめた。
国民が熱くなっているだけで、メディアは冷静なのだ。
というお花畑ではなくて、2008年に北京五輪の開催をひかえていた中国としては、こういう野蛮な行為は国際社会の非難を招いて国の名誉を傷つけるから、それを嫌がった中国共産党の対応だったといわれる。
さてそんな「反日精神」のシンボルとなっているのが、日本軍によって30万もの人民が殺害されたと中国ではいわれている「南京大虐殺」だ。
その南京から近い蘇州市で(南京~蘇州は200キロあるけど、中国大陸の感覚では”すぐそこ”)、蘇州にやってくる日本の企業や観光客のためにこんな日本人街ができて話題になっている。
ちなみに日本では蘇州夜曲なんかでこの地は有名。
日本の街を再現したここでは、日本語の看板や提灯、日本に似た建物はあたりまえとして、最近では女子高生の制服や和服を着た中国人女性がよく記念写真を撮っているという。
中国人の反応はというと、「日本に行かなくても日本に行ける!」と蘇州の日本人街を歓迎する声が多いものの(偽出国?)、「国の恥忘れるな」といった否定的な書き込みもやっぱりあるようだ。
賛否は分かれるとしても現在の中国人に、日本人サポーターが襲われないよう警備員を必要とするような、かつての反日感情はまるで見えない。
日本を旅行した中国人はよく、「街はすごくキレイで、人びとには秩序や親切心があるし、日本はすごくいいところじゃないか!」と目から反日というウロコを落として帰国する。
特に日本人の丁寧なサービスにやられる中国人が続出だとか。
日本人街が人気を集める背景には、そんな訪日体験があるはずだ。
もちろん中国人から反日感情が消え去ったということはない。
でもネットを見ていると、ペットボトルを投げつけるような、昔の中国人の印象をそのまま重ねている日本人がよくいる。
いまの中国人は南京に近い蘇州で日本人街をつくり、そこを訪れた観光客が女子高生の制服や和服を着て記念写真を撮ってSNSにアップするのだ。
こういう現状を知らない人がいたら、中国人に対するイメージをアップデートしたほうがいい。
「中華人民共和国」の7割は日本語。日本から伝わった言葉とは?
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