【もはや文化】日本社会の謎英語を楽しむ人・許せない人

 

海外旅行の楽しみのひとつに、「ヘンな日本語」との出会いがある。

例えばタイのバンコクにあるショッピングモールでは、こんな言葉を見てほっこりした。

 

 

上はまだいいとして、このレベルだと意味不明で「何を?」のツッコみは不可避だ。

 

 

もちろんこれと同じことは日本人も英語でよくしている。

これは「ビックリするほど安い!」という意味だと思われるけど、この英語だと消費者じゃなくて「価格が興奮している」という謎の状態になってしまう。

 

 

でも、こういうデタラメ英語が好きな外国人はたくさんて、上の写真は日本の学校で英語を教えていたフィリピン人女性が「これだから日本の生活が好き!」とSNSに投稿したものだ。

いまは知らんけど、浜松駅にはこんな英語もあった。

 

 

これだとかなり強い言い方になって、「降りろ」「降りやがれ」みたいな感じになるから、お客様ではなくて対戦相手を挑発する言葉になってしまう。
でも経験上、特にアメリカ人はこういう英語が好き。
上の表示を発見したアメリカ人は写真と一緒に、「You heard me; ride’s over, get off」と書き込んでいた。
「Get Off」の言葉には、「聞こえただろ?目的地に着いたんだ。さっさと降りろ」みたいな響きがあるらしい。

 

日本人によるこんな謎英語を楽しむ外国人はたくさんいて、「L」と「R」の発音の区別がむずかしい日本人英語の特徴から、それはしばしば「Engrish」と表現される。

アメリカのアニメ『サウスパーク』でこれが何度か取り上げられた。

シーズン8の第1話 「Good Times With Weapons」 で、登場人物たちが突然日本アニメのような画風になり、「let’s fighting love」という Engrish と日本語がごちゃまぜの荒唐無稽な日本語の歌が流れる。番組の終わりの歌も同様である。

Engrish

完全に楽しんでいる。

 

つい先日も京都のデパートが「京都から世界を救おう」のつもりで「Save The World from Kyoto」と広告に書いたものの、「京都から世界を守ろう」という意味で受け止められて、すぐに撤去された出来事があったばかり。

【京都は世界の敵】日本人の変な英語に外国人が失笑

 

日本社会に氾濫するデタラメ英語には、ガマンの限界に達した人もいるらしい。

街中にある案内表や、自治体のホームページなどにあるおかしな英語や翻訳を一掃するために、英語の達人たちが立ち上がって「日本の英語を考える会」が組織されたという。

毎日新聞の記事(2020年11月16日)

同時通訳者や研究者、外資系企業社員ら。米国人で日本に住む研究者も参加している。メンバーたちはかねて、いわゆる「和製英語」や自動翻訳による不自然な英語をなんとかしたいと思っており

GoToトラベル、ハローワーク……おかしな英語変えたい 通訳らが会発足

 

でこれにネットの声は?

・あいつらだってハラキリとかニンジャとかでたらめに使ってるんだから、いいんじゃないの
・ハリウッドじゃなくてホーリーウッドだから
カラオケじゃないキャリオーキーだから
・最終的には自分らに監修させろって事だろ
翻訳利権みたいなもんやで
・じゃあ代わりに何が良いか提案してからこういうことは言うべき
・カタカナにする時もどうにかして欲しい
ビールス ウイルス
実際はバイルスに聞こえるんだけど
・クロコダエルダンディーがグッダイとかなまってて笑った

 

自動翻訳による不自然で意味不明な英語を改善するは分かるとして、和製英語は日本の文化のひとつだから、これをすべて外国人に合わせて変えんでもええやろ。
これは有料記事だから全部を読んでないけど、「GoToトラベル」や「ハローワーク」もおかしな英語だから変えるつもりなんだろうか?

「GoToトラベル」のやり方を説明する英文に間違いがあって、外国人に正しい情報を提供できていないのなら、それは直さないといけない。
高速道路を走っていたとき「スピードダウン」と書かれた案内を見て、「なにアレ?!」と叫んだアメリカ人がいた。
「速度を落とせ」ならスロウダウンだから、これだとアクセルをブレーキを同時に踏むようなもの。
外国人ドライバーに向けたこういう英語を直すことは必要だ。

 

けど日本人を対象にした和製漢語なら、本来の英語と離れていも問題ない。
できるだけ日本人に分かりやすくて言いやすく、さらにキャッチーな言葉がいいから、日本人が日常生活で使う和製漢語と外国人向けの不自然・不可解な英語を一緒にして一掃する必要はない。
「ハローワーク」なんてすぐに意味が分かるはずだ。

Engrishについてはもう日本の文化で、これを楽しむ外国人も多いのだから。

 

 

この人物は、いまの東洋大学を設立した教育者で仏教哲学者でもある井上 円了(いのうえ えんりょう:1858年 – 1919年)。

これまで書いてきた内容とは少し違うのだけど、外国の文明や文化を日本社会に取り入れるときには、それが日本人の価値観や伝統に合っているかチェックして、必要なら修正することが大事。
明治時代に欧米社会を見て回った井上円了がそんなことを言う。

西洋の文明をひとたびわが日本の腸胃に入れ、これを消化吸収して一個の日本的の文明となさざるべからず。例えば、北米合衆国は共和政治にして、その国いたって富み、その文明いたって盛んなりといえども、決してただちにその風をわが国に適用すべかず。

「欧米各国 政教日記 (井上 円了)」

 

アメリカが豊な国だからといって、天皇をなくして共和制にしても日本がそうなることはないのだ。
それぞれの社会に合った文明・文化があるのだかから、日本が採用するものは一度しっかり消化吸収して、日本人に適したものにしないといけない。
外国人が対象なら彼らに合ったものにすればいいし、笑えるものはそのままでいい。

 

 

 

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2 件のコメント

  • 謎英語を楽しむのもいいかもしれませんが、もうちょっと、正しい英語はどのようであるか調べてみた上でそのような表現を使ってみてはどうですかね。特に道路標識や公共の場の案内看板など。
    日本で暮らす外国人にとって不便であるし、若い人達の教育上もよろしくない。
    ま、これ以上に教育の必要もなく、国際的活躍なんぞ望むべきもない年寄りにとっては、どうでもいいことであるとは思いますが。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。