「戦後最悪」で停止したままの韓日関係を動かすため、韓国のムン・ジェイン大統領は新しい駐日大使にカン・チャンイル元議員の起用を決めたらしい。
カン氏は東京大学で学位を取得して、韓日議員連盟会長を務めた経験もある。
この時期にそんな日本通を送り込む意図は明明白白。
「冷え込んだ韓日関係のこじれを解きほぐし、未来志向的両国関係に進む契機を用意するものと期待する」と大統領府の報道官は話すのだけど、それをもっとくわしく見ていくと、そこには北朝鮮がいる。
韓国政府はいま北朝鮮との関係改善に無我夢中で、自国民のコロナウイルス・ワクチンを確保していないっつーのに、北朝鮮と分け合って使うと言って自国のメディアをあきれさせた。
朝鮮日報の社説(2020/11/21)
韓国も確保できていないワクチンを「北と分け合う」…ここまで来れば重症だ
ムン政権の北朝鮮に対する熱い思いは、朝鮮日報に言わせれば「病的レベル」にあって、そのきっかけ作りに日本との関係改善がある。
中央日報の記事(2020.11.24)
韓国政府は2018年平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)に続き来年の7月東京五輪を韓半島(朝鮮半島)平和プロセス進展の契機にしようとの意志が強い。このためには、五輪開催国である日本との関係改善が不可欠だ。
姜昌一氏、駐日大使に内定「徴用問題、知恵を絞ればうまくいく」
だから残念ながら、純粋に日本と仲良くしたいという甘い話ではなーい。
東京五輪にキム・ジョンウン国務委員長を呼んで、平和プロセスを進展させようという野心がまずあって、その下準備のために韓国は、ホスト国の日本と何とかして友好関係を築いておきたい。
実際、北朝鮮への韓国政府の特別扱いはすさまじく、先ほどの朝鮮日報の記事によると、北朝鮮側から「おびえた犬」「ばか」と侮辱されても甘受するし、ムン政権が「食料を受け取ってほしい」と呼びかけると、北朝鮮は「恩着せがましい」「みっともない」としてこれを無視したという。
北にラブコールを送っても何度も蹴とばされたから、ムン政権は来年の東京五輪というチャンスを絶対に逃したくない。
韓国政府の本音を言うと、「冷え込んだ南北関係のこじれを解きほぐし、未来志向的両国関係に進む契機を用意するものと期待する」」ということだから、日本通のカン氏に白羽の矢が立ったわけだ。
これまでの反日強硬を一転させ、急に日本へ近づいてきたのもムン政権の打算の結果だから、あしたにはどうなるか分からない。ケセラセラ。
それは朝鮮日報も社説で指摘する。(2020/11/17)
突然見解を変えて日本に妥協を懇願しているのも、すべて国内政治用の計算によるものだ。国内選挙に必要ならば、いつ再び(中略)反日扇動に出るか分からない。
「強制徴用、いったん封合しよう」という与党、これは「司法介入」ではないのか
この見方はまず間違いなく正しい。
まずは南北融和が頭にあって、逆算していくとその通り道に日本があっただけのことだ。とはいえ北朝鮮を抜きにしても、日本企業の資産を現金化したら、日本政府からの怒りの経済制裁は避けられないから、その点でも韓国は関係改善を望んでいると思うのだが。
とにかくそんなムン政権の思惑は日本政府も「知ってた」と言うだろうし、駐日大使を新しくしただけでいまの関係が動くことはないだろう。
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日本の新聞が文大統領に「”反日”体質・歴史のわい曲」と批判。
現在の韓国与党である「共に民主党」は、市民団体や大手メーカー労働組合を支持母体とする急進左派政党(日本ではかつての社会党に相当か?)であることに注意する必要があります。昔の日本では、今の「団塊の世代」に相当する学生の多くが反米反体制共産主義的な政治運動に身を投じ「全共闘世代」と呼ばれていましたが、韓国では、その人達がそのまま政権を執ってしまいました。それが現在の韓国文在寅政権です。
もともと社会主義を標榜していた運動家の出身ですから、反米・反日であり、北朝鮮や中国共産党に尻尾を振るのも当然なのです。壮大な国家規模での実験を行ってようやく間違いに気づき方針転換したロシアの方が、よほどマシです。あれほど失敗例が多数あるのに未だに「国家社会主義を目標とする」って
ちなみに、かつてのドイツ・ナチス党の正式名称は「国家社会主義ドイツ労働者党」ですよ。いくら韓国人に「ドイツを見倣え」と奨められても、それだけは御免こうむりますね。
すなわち、韓国人は、未だに「自由市場・資本主義経済システム」のメリットを理解できていないのでしょう。(まあでも、日本人だって、未だにそういう人々がたくさんいるようですけど。)
現代世界の国家を治めるには、「自由市場・資本主義経済システム」基本の「公益福祉教育目的修正型」が最も現実的で有効な統治システムであること、もはや自明の理であると思うのですが。