日本で店を出している韓国人すし職人の腕が世界で認められ、「ミシュランガイド東京」で1つ星に選ばれた。
ということを韓国メディアの東亜日報が報じてる。(2020-12-08)
한국인 청년, 미스터 초밥왕 되다…日 누리꾼들 “대단하다” 칭찬
機械翻訳すると「韓国の若者は寿司王になる」とある。
韓国人がミシュランガイドの寿司部門で星を獲得するのは今回が初めて。
これをやってのけた「すし家 祥太」の店主・ムン・ギョンハンさんは中学生のころ、日本の漫画『将太の寿司』を読んで心がふるえ、すし職人をこころざしたという。
韓国の『将太の寿司』のタイトルは「ミスター寿司王」だから、東亜日報の記事のタイトルはこれに引っかけたのだろう。
店名の「祥太」も「将太」からか?
成功をおさめた理由をきかれたムンさんは「毎日1~2時間の睡眠で必死に働いただけ」と答え、さらに経験を積んでもっといい寿司職人になって、韓国人に技術を教えたいと抱負を話す。
徴用工や慰安婦問題では、ほぼ批判や怒りで埋まる日本のネット掲示板もざっと見た感じ、このニュースには肯定的な人がわりと多かった。
〇アンチコメ
・寿司まで征服されて日本の誇りはもうボロボロ
・こんなんでドヤ顔になる韓国人
〇好意的コメ
・こういう人は素晴らしい。
・ちゃんと修行した職人ならいいんでねぇの?
・クチコミ見たら客も韓国の人だと認知してるしちゃんと江戸前だしなんの問題ない
すしで大事なものはネタと米で、国籍や民族は関係ない。
職人を目指す人がいたら、どんな人間にもその機会を与えて支援するのが日本の良いところだ。(ムンさんは日本のすし店で修業をしていた)
これでもしムンさんが、海外の外国人が握っているデタラメな寿司を「本物を侮辱している」とか非難してくれたら、店にはきっと日本人客が押し寄せる。
知人のポーランド人が「未来ずら!」と感激した、寿司を運ぶ新幹線。
韓国ならKTXか。
これは極端な言い方だけど、「最高のすしは日本人しか握ることができない」ということであれば、すし文化は世界から受け入れられなくなる。
きょねん2019年に発表されたミシュランガイドの格付けで、イギリスのロンドンにある一流すし店「The Araki」が三つ星をすべてを取り消された。
ここは有名なすし職人の荒木水都弘さんが2014年にオープンした店で、おまかせコースの値段は1人約4万2500円なり。
荒木さんが香港で新しい店を開くことになり、「恐ろしく有能」という弟子のマーティ・ラウさんが「Araki」を継いだのだけど、その矢先に悲報がもたらされ、弟子さんはこう語る。
アメリカCNNニュース(2019.10.12)
ラウさんはCNNの取材に、2020年版ガイドに掲載されなかったのは「残念だ」と述べた上で、「公正な判断と受け止めており、師匠の荒木水都弘さんが店を離れた後の新たなスタートになる」と語った。
ロンドンの三つ星すし店、星全て失う 店側「残念」
ミシュランとは言ってみれば料理界のノーベル賞だ。(いやしらんけど)
だからそこに認められれば、客の増加やいろんな企業とのスポンサー契約が期待できる一方、逆になれば悲劇が起こることも。
1966年にフランスの人気レストラン「ルレー・デ・ポルクロール」のシェフが自殺した理由は、星を失ったからといわれる。
だから三つ星をすべて取り消されるというのは、店にとっては、目の前とお先が同時に真っ暗になるような衝撃的なことだったはず。
このビフォー・アフターを考えれば、荒木さんが店を去ったことが理由としか考えられない。
日本人のすし職人が店を去ったら、星3つも出て行った。
そんな話をきょねんアメリカ人としていると、ミシュランが「純血主義」を採用するとは考えられないと言い、彼は個人的な意見として、すしという料理は本当に日本独特の世界にあると指摘する。つまり閉鎖的だと。
日本人は自分たちが考えるすし以外は本物と認めない。
日本政府が「スシポリス」をつくって海外のニセモノを見つけて検挙したら、外国人から抗議をくらって政府はこれをひっこめた。
世界に正しい日本料理を!でも、海外から怒られた日本の“スシポリス”
食の認定制度はほかの国もしているけど、たぶん日本より基準はゆるいし、少なくとも海外から「警察」と言われるほど厳しい取り締まりはしない。
すしの国際化をはかるなら、外国人の優秀なすし職人がどんどん出ないといけない。
「おいしいすしは日本人でないと握れない」ということであれば、すしは世界に広がらない。かえって日本人の言う“ニセモノ”が多く出回る。
日本人と話をしていると、すしが世界的に人気があると誇らしく感じるものの、「すしは日本だけのもの」と思っているような人が多くて、彼としてはその矛盾に鼻白む思いらしい。
まぁ、すしの母国としてゆずれないものはあるけれど。
こんな意見の反対にいるのが、ミシュランに認められた韓国人職人。
すしの世界化にとってはプラスしかないだろう。
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> 日本人と話をしていると、すしが世界的に人気があると誇らしく感じるものの、「すしは日本だけのもの」と思っているような人が多くて、彼としてはその矛盾に鼻白む思いらしい。
ははは、何をいまさら。
私が知る限り、欧米におけるアジア人寿司職人で最大の多数派は、おそらく韓国人ですよ。シンガポールもそうでした。日本人で海外へ出ていく人は、寿司職人になる人なんかあまりいないのです。今日、世界の各国でこれほどまでに寿司が日本文化として認められるようになったのも、言い方を変えれば、韓国人寿司職人たちの業績であると言ってもよい。空手道場もそんな感じで、看板にはKarateと書いてあるが、韓国人が教えるテコンドー道場だったりすることが、たくさんありました。
でもその話も20年くらい前のことですから、今では事情が異なっているのかもしれないですが。
韓国料理やテコンドーを広めればいいのに。
海外のすし職人は韓国人か中国人かどちらが多いか分かりませんが、すし文化の普及には日本の政府・企業の広報活動のせいかでもあります。