今回のキーワードはアフリカにあるタンザニア。
だから、まずはこの国について簡単に知っておこう。
タンザニアってこんな国
面積:94.5万平方キロメートル(日本の約2.5倍)
人口:5,632万人(2018年)
首都:ドドマ(法律上の首都)
首都機能をもっていて、経済の中心地でもあるダルエスサラームが事実上の首都といえる。
民族:スクマ族、ニャキューサ族、ハヤ族、チャガ族、ザラモ族等(約130)
言語:スワヒリ語(国語)、英語(公用語)
宗教:イスラム教(約40%)、キリスト教(約40%)、土着宗教(約20%)
以上の情報は外務省ホームページ タンザニア連合共和国(United Republic of Tanzania)
基礎データから。
ことしの秋ごろ、インド人・バングラデシュ人・タンザニア人と一緒に富士山を見に行った。
場所は富士市にある田子の浦公園をチョイス。
ここは、前を向けば雄大な富士山がそびえ立っていて、後ろを振り返ると紺碧な海が広がっているという風光明媚なところで、あまりに景色が良すぎて、外国人による撮影大会がはじまって園内の移動に想像を超える時間がかかった。
日本のシンボルである富士山には大きな関心が集まるから、雪が降っただけで全国ニュースになる。
「フジサン」は漢字が伝わる前からあったメチャ古い言葉で、日本人はこれにいろんな漢字を当てはめていって、鎌倉時代のころに現在の「富士山」に落ち着いたといわれる。
くわしいことはこの記事を。
この中の「不尽」は山頂の雪が尽きないことを意味する。
もちろんこれは富士山に対する昔の日本人のイメージで、「いやいや、雪のないときもあるだろー」という現代的なツッコミはご先祖様への敬意に欠くからやめたほうがいい。
雪化粧とすっぴんの富士山では別人というほど美しさが変わる。
ちょっと前に台湾人・韓国人・ベトナム人・トルコ人と富士山を見に田貫湖へ行った。
新幹線の車窓以外では、初めて富士山を見た台湾人・韓国人・ベトナム人は「うわー!すっげー」と感激して写真を撮りまくり。
でも以前、雪をかぶった田貫湖の富士山を見たことのあるトルコ人は「彼らの気持ちはわかるけど、正直いまいち」と言って、はしゃぐ韓国人やベトナム人を「坊やだからさ」というような目で見ていた。
タンザニア人と来たときは残念ながら雪はなく「すっぴんバージョン」だったけど、それでも彼は「本当にすばらしいね」といよろこんでスマホを向ける。
公園でレジャーシートを広げて、富士山と向かい合ってランチを食べていたとき、「日本に富士山があるなら、タンザニアにはキリマンジャロがあるじゃないか」ということを思い出す。
タンザニア北東部にあるキリマンジャロは標高5,895mと、アフリカ大陸では最高の山で世界的な知名度もトップレベル。
エベレストのような山脈のひとつではない、独立峰の山としては世界で最も高いといわれる。
富士山を誇りに思う静岡県民のボクでも、いろんな点で完敗を認めないといけない山がこのキリマンジャロ。
富士山には「不二」や「不尽」の意味があることを話してから、タンザニア人にキリマンジャロの由来をきいてみた。
するとまず、キリマンジャロは「キリマ」と「ンジャロ」に分かれるという。
いままで勝手に「キリマン・ジャロ」と確信していたから、目から鱗が落ちた気分。
山を意味する「キリマ(kilima)」はいいとして、「ンジャロ(njaro)」の訳がちょっと難しくて「雪を表す白さのこと」だそうだ。
「キリマンジャロはスノウ・マウンテンという意味と考えていい」とタンザニア人が言うのだから、それで間違いないだろう。
日本のネットでは「(雪で白く)輝く山」とするものが多い。
アフリカは基本的に年中暑いから雪は特別な存在で、それをいつも冠しているキリマンジャロはタンザニア人にとって比類のない別格の山という。
「だから日本人が富士山を特別に思う気持ちが分かる」と笑顔を見せるのだけど、日本とタンザニアでは比べる土台が違いすぎて、ボクには現地の人の気持ちがよく分からんのだが。
でもここは一年中、山頂に雪のある万年雪の山だから、キリマンジャロこそ「不尽山」にふさわしい。
赤道直下(または付近)にある山で雪に覆われているのは世界でキリマンジャロだけ。
山頂にはこんな氷河もあって、この山はいろいろとスケールが違う。
日本を去るときに彼がアップしたタンザニアのパスポートには、キリマンジャロが描かれている。
見にくいが、雪のように心がキレイな人にはきっと見える。
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