日本で一番かっこいい都道府県はどこか?
「Jタウンネット北海道」の記事(2019年7月12日)にそれが書いてある。
大発表!「形がカッコいい」都道府県ランキング 1位は北海道、まさかの最下位は…
Jタウンネットがおこなったアンケート調査によると、上位5位は以下のとおり。
1位:北海道
2位:新潟県
3位:青森県
4位:茨城県
5位:群馬県
われらが静岡県はわりと左右対称で、イスラーム建築のような美しさがあるけど5位には入れず(8位)。
ワースト5位はこの都県。
43位:和歌山県
44位:山梨県・佐賀県
46位:奈良県
47位:東京都
東京は形が平凡で、たしかにインパクトのある形じゃない。
経済や人口とかいろいろなところで1位なのだから、たまにはビリでもいい。
ところで、5位の群馬県がこれ以上輝けるランキングはあるのだろうか?
この記事にネットの反応は?
・神奈川は動物っぽいよね
・ニッポンのオーストラリア四国
・北海道は胃袋じゃね?
・カックイイのはトマホーク的な青森だろ
・愛媛は、プーマみたいな形でカッコいいだろ!
・茨城は豚っぽくね?
・岡山だけど、たぶん下位だろうな、ただの四角だし
・鹿児島は馬の上半身
鼻の穴まであるで
・東京都は何時も魚の形に見えるなw
・鶴舞う形の群馬県
日本人がこんな話題で盛り上がれるのは、都道府県の形がそれぞれユニークだから。
国境が直線で区切られたところが多いアフリカだったら、きっとこうはいかない。
日本でアフリカの国境について検索する人はわりといる。
現在のアフリカの原型は1880年~1912年に、ヨーロッパ列強によっておこなわれた「アフリカ分割」で成立した。
国境の決め方には大きく「自然的国境」と「人為的国境」の2つがある。
山や川、湖などの自然の地形によって区切られたものが自然的国境。
メコン川で分けられたタイ・カンボジア・ラオスの国境はこれ。
アフリカはおもに「人為的国境」で、スペイン、ドイツ、イギリス、フランスなど西洋諸国の話し合い(都合)で勝手に決められてしまった。
緯線や経線を利用しているから、国境は直線であることが多い。
この「線引き」は現地の人たちの意思や状況を完全に無視したものだから、同じ民族が引き裂かれることをはじめ、いまのアフリカが抱える諸問題の根源にもなっている。
そのため独立後にも国民はまとまりを欠き、強権的な政府体制としてアフリカ型社会主義もしくは開発独裁体制が選択された。
いまの日本人が「茨城は豚っぽくね?」「北海道は胃袋じゃね?」と盛り上がっていられるのは、幕末・明治の日本人が国を守ってくれたから。
福沢諭吉はこう言っている。
自分は何とかして禍いを避けるとしても、行く末の永い子供は可愛そうだ、一命に掛けても外国人の奴隷にはしたくない
「福翁自伝 (福沢諭吉)」
アフリカはこれに失敗した。
でも、岡山県が「ただの四角」というのはなんでだろう?
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>アフリカの国境は西洋諸国が自分勝手に決めた「人為的国境」なので、国境は直線であることが多い。この「線引き」は現地の人たちの意思や状況を完全に無視したものだから、同じ民族が引き裂かれることをはじめ、いまのアフリカが抱える諸問題の根源にもなっている。(一部表現を簡略化してあります。)
というのは、よく知られた主張ではありますが、残念ながら間違い・嘘が多い説です。率直に言って、ブログ主さんが嫌う「印象操作」に近いものだと思います。どのような点が間違っているかと言うと:
1)近代国家が定めている「国境」は、自然の地形に沿っているか否かに関わらず、全て人為的に「これを国境とする」と定めたことにより決定されている。自然の地形に沿っているかどうかは、その国境が古くから使われていたかどうかの違いに過ぎない。たとえ古い国境であっても、近代国家は、それを独自の憲法等により再定義して採用している場合がほとんどです。
2)アフリカ諸国の国境は、別段、直線部分が際立って多いわけではない。ブログに出ている地図をよく見て下さい。直線状の国境は、エジプトの南端と、サハラ砂漠に設定された国境があるくらいです。直線状になっている原因は、砂漠やジャングルなど人間のアクセスが困難であることが主たる理由です。なおこの「直線状国境=植民地由来=発展阻害原因」説は、元々、米国およびカナダの国境・州境の形状についての話を、後のアフリカ民族主義者が(中国共産党の影響で?)政治的主張に強引に結びつけたイカニモな説です。
3)西洋諸国によって20世紀後半に定められた国境ではあるが、それをいつまでたっても自主的に引き直せない、内戦ばかりで話がまとまらず、民主主義や経済発展が成し遂げられない。そのことは、確かに発端としては他国に決められた国境が原因の一つだったかも知れないが、それが全てではない。むしろ、自分自身の力で政治や経済のシステムを改めることのできない、彼ら自身の責任も非常に大きいと思われる。もう21世紀ですよ。
ブログ主さんは、20世紀の共産主義や民族主義の思想に明るいものとお見受けしますが、それらの学説はここ数十年間の発展に乏しく、今では古い、間違い・欠点も多く見つかった、役立つ部分が少なくなった学問であると思います。権威者あるいは有名学説の成否を疑うのはなかなか難しいと思いますが、時には、自分の頭で考えて正しい考えかどうか「感じ取る」ことも必要ではないでしょうか。
コメントありがとうございます。
1)については、それが自然国境説のことです。
2)の国境直線説ですが、これはウィキペディアはもちろん、ベネッセの「アフリカの国境線がまっすぐな理由」にも書いてあります。
国土政策研究所長の大石久和氏の解説「直線の国境線は誰が引いたのか」もお読みください。
「アフリカでの直線の国境線は、エジプトとリビア、エジプトとスーダン、リビアとチャド、アルジェリアとニジェール、アルジェリアとマリ・モーリタニア、マリとモーリタニア、ナミビアとボツワナ、タンザニアとケニア、アンゴラとナミビア、エチオピアとソマリアとの間に、10本も引かれている。
こうした国境線が引かれたのは1885年のベルリン会議以降に、「列強によるアフリカ分割」が行われた際の支配地の境界画定が、列強各国の利害調整の産物だったからである。」
独創的な意見もいいのですが、この記事では客観的な信頼性のある定説を書きました。