最近のできごと
キリスト教カトリックで、女性は聖職者に就くことはできないらしい。
法王フランシスコが女性聖職者の禁止を言明したから。
くわしいことは朝日デジタルの記事(11月29日)をどうぞ。
女性の聖職は永遠にこれを禁ず
日本でも相撲の土俵や世界遺産の沖ノ島のように、女人禁制のところがある。
これは女性差別か?宗教的な禁忌か?伝統か?
いろんな見方ができる。
むずかしい問題だ。
タイの仏教では、女性はお坊さんに触ってはいけないことになっている。
さて、次の言葉に共通することは何か?
「PPAP」「都民ファースト」「文春砲」「ポケモンGO」「SMAP解散」「盛り土」・・・
これらは「2016流行語大賞」にノミネートされた言葉。
ノミネートされたのは、これだけじゃないけど。
12月1日に、この中から大賞が発表されることになっている。
この前、イギリス人とこの「流行語大賞」の話をした。
彼女が言うには、イギリスではこんなイベントはないらしい。
その年に流行した言葉を30もノミネートして、そのなかから大賞を決める。
「イギリスだったら、そんなイベントは国民的な行事にはならないんじゃない?」と言う。
日本人だと、流行語からその年を思い返してみたりする。
でもイギリス人には、そういうノリがないらしい。
イギリスですることといえば、日本と同じように「今年起きた重大事件!」というのをテレビで放送するぐらいという。
そのイギリス人の話を聞いて思ったけど、日本人は一年を振り返ることが好きなんだろう。
流行語大賞もそうだし、その年を漢字一文字であらわす「今年の漢字」も年末のお約束になっている。
中国人に話を聞いても、「今年の漢字」なんていう全国的な行事はない。
「中国人は、そんなことに関心がないと思う」らしい。
まあ旧正月を祝う中国は、日本とは年末の時期が違うけどね。
「一年を振り返ることが好き」ということの他に、イギリス人と話していてもう一つ感じたのは、日本では「国民的なイベントが多い」ということ。
ちょっと前の11月11日、そのイギリス人は英会話教室の生徒からこんな質問をされたという。
「先生、今日はポッキーの日だよ。ポッキー食べた?」
「日本には、ポッキーの日なんていう日があるのね」と驚いていた。
イギリス人「ポッキーの日は、何をするの?」
生徒「ポッキーを食ベるの」
イギリス人「なんで食べるの?」
生徒「わかんない。何となく」
「ポッキーの日」といっても、特に目的や必要性はない。
「何となく」という気分でポッキーを食べるだけ。
バレンタインも同じようなもの。
日本のバレンタインに、宗教的な意味はない。
告白する人を別にすれば、ふつうの日本人に大きな目的や必要性はない。
そんな伝統があったわけでもないけど、何となくお菓子を渡す日になっている。
さらに言えば、クリスマスにフライドチキンを食べることもそう。
これも、近年始まって全国的なイベントになっている。
今のフライドチキンが日本に登場したのは1970年という。
「フライドチキンを食べる」ということは、今の日本ではクリスマスの定番。
でも、友人のアメリカ人はこれを受け入れない。
「だって、フライドチキンなんてファストフードじゃない。いつでも食べられる物でしょ?クリスマスっていう特別な日には、特別な料理を食べなきゃ。クリスマスにフライドチキンなんて、特別な日におにぎりを食べるようなもの。日本人だったら、それでうれしいと思う?」
知らん。
そう言っても、日本で「クリスマスにフライドチキン」を広めたのはアメリカ人という説が有力なんだが。
昭和50年代、ある外国人客がクリスマスに欧米で食される七面鳥を手に入れられず、代わりにケンタッキーでフライドチキンを購入した。
(ウィキペディア)
これを知ったケンタッキーが「これはイケる!」と確信し、「クリスマスはケンタッキー」と売りみ、いまの状況にいたった。
きっかけはアメリカ人だったとしても、KFCのキャンペーンにのって国民的なイベントにしたのは間違いなく日本人。
他の人がやっていると、自分もやりたくなるという国民性のためかもしれない。
友人のイギリス人からすると、日本では「記念日」や「~の日」も多いらしい。
これも「国民的なイベントが多い」ということにつながると思う。
言われてみれば、「~の日」は多いかも。
11月だけでも、ポッキーの日以外にいろいろな日がある。
11月22日は「いい夫婦の日」だし、29日は「いい肉の日」だ。
ネットでは、「肉の29%オフセール」をやっている。
最近は、ブラックフライデーも流行らせようとしているらしい。
これはうまくいくか分からないけど。
日本では、全国の人たちが同じことをするようなイベントが多いけど、イギリスでは少ないらしい。
イギリスにも国民的なイベントはあるけど、日本に比べたらその数は少ないという。
数少ないイギリスの全国的なイベントには、たとえば11月5日の「ガイ・フォークス・ナイト」がある。
この日は「花火の日」で、イギリスでは花火をしたり見たりして楽しんでいる。
なんで日本では全国的なイベントが多くて、イギリスには少ないのか?
この理由には、日本とイギリスの国としての違いがあると思う。
日本とイギリスとでは、国を構成する人間が大きく違っている。
そのことを次回に書いていきます。
おまけ
「ガイ・フォークス・ナイト」について。
「ガイ・フォークス」とは、実際にいたイギリス人の名前。
この日は、ガイ・フォークスがイギリスの国王を爆殺しようとした事件が始まりとなっている。1605年、ガイ・フォークスらカトリック教徒が国王ジェームズ1世と議員たちを爆殺しようとするも、直前で計画がバレてしまう。
主謀者はロンドン塔に送られ処刑された。
1605年といえば、徳川家康が江戸幕府を開いた年(1603年)とほぼ同じ。
それにしても、国王が殺されそうになった日に、なんで花火をあげて楽しむのか?
イギリス人に言わせると、「殺されそうになったから」らしい。
つまり、「国王は殺されずにすんだ」からで、国王の無事を祝うという意味で花火を楽しむらしい。
陰謀の露見と国王の無事を祝う習俗が以後ながく行われている。
(世界大百科事典 第2版の解説)
日本だったらどうだろう?
イギリスで国王が殺されそうになるといえば、日本では天皇が暗殺されそうになったようなもの。
日本人がそんな事件があった日を、「花火をあげて祝う日」にするとは考えられない。
このへんは、日本人とイギリス人の感覚の違いかな?
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