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ベルギーで「仕事における燃え尽き症候群」が病気として認定された。
専門家によれば、燃え尽き症候群が病気として認定されることにより、通院費の7割を保険会社に負担させることができるようになる。
ベルギーでは燃え尽き症候群を訴える人が毎年1万人いるという。
ストレスは寿命を大幅に縮めるという学者もいるから要注意。
日本でおこる過労死は外国にはないもので、英語でそのまま「KAROUSHI」となっているというのは知っていた。
ベルギーでも燃え尽きるまで仕事をする人が多かったというのは意外。
イギリス人の友人から聞いた話では、イギリスでは労働者の力が強く、消防署の職員や学校の先生がストライキをすることがあるという。
イギリスでは、学校の先生が授業を拒否したり消防職員が消火活動をしなかったりすることが、法的にも社会的にも認められている。
日本なら大騒ぎだ。
前回、日本には全国的なイベントが多いけど、イギリスにはそういったイベントは少ないということを書いた。
その理由は、日本とイギリスの違い、特に国を構成する人間の違いによるところが大きいと思う。
今回はそんな日英の違いについて書いていきたい。
まずは日本について。
在日外国人がよく言う日本の特徴は、「日本はどこに行っても同じ」ということ。
日本のどこに行っても、同じ肌や髪の色をした日本人がいて日本語を話している。
着ている服や建物や街並みにも、大きな違いがない。
共通しているのはそうした外見だけではない。
日本人のほとんどは「無宗教」で、神も仏も尊敬するという宗教観をもっている。
つまり、日本は同質性がとても高い国だということができる。
歴史を見ても、日本は外国のように異民族に支配されたり植民地になったという経験がない。
だから、支配した側と支配された側の異民族が一緒に住んでいるということではない。
また、外国からの移民も少ない。
「日本の全国的なイベント」というのなら、日本の一部ではなくて北海道から沖縄までの広い範囲の人びとが参加するイベントということになる。
全国にいる日本人が、同じようなことをしたり同じことに興味をもったりするということは、日本人は全体的に、価値観や考え方が似ているということなんだと思う。
この点、イギリスは違う。
日英にはいろいろな違いがあるけど、イギリスの特徴には「他民族国家」ということがある。
イギリスで住んでいた日本人が、ブログで日本とイギリスの違いについて次のように書いている。
バスの運転が荒い
店員や働いている人にやる気(商売っ気)が無い。そして適当。
公共・商用のトイレが汚い
日本人が中国や韓国に行ったら、これと同じことを感じると思う。
これはいいとして、イギリスのロンドンでその日本人が感じたことは、「イギリスが他民族国家」ということ。
他国民が住む地域はイギリス国外の情緒があり、大げさに言うとイギリスに居ながら、更に、他の国に旅行している気分にもなる。
かつてイギリスは世界中に植民地をもっていたことが、多民族や異文化が共存する社会につながったという。
こうした背景があるから、イギリスにはレイシスト(人種差別主義者)がいて、「白人至上主義達が他民族を差別する事があり、その仕方が半端無い」ということらしい。
イギリスは、白人もアラブ人もアジア人も黒人もいる他民族国家だ。
前にミスユニバースの日本代表として、日本人とアメリカ人(黒人)のハーフの人が選ばれたことがある。
そのときに、「ハーフが日本代表なのか?」という声が一部で出た。
そんな話を友人のイギリス人にしたところ、その人はこう言っていた。
「イギリスだったら、そんな問題はおきない。どんな肌の色の人がイギリス代表になっても誰も何も言わないから」
「イギリス人の肌の色」というなら、白、黒、黄などいろいろあるんだろう。
このへんは、ちょっと前まで「肌色」という色があった日本とは違う。
イギリスには、たくさんのムスリム(イスラーム教徒)が住んでいる(写真はイエメン)。
今のロンドン市長も、パキスタン系のムスリムだ。
ヨーロッパでイスラーム過激派によるテロが起こるなか、ロンドン市民はイスラーム教徒の市長を選んだ。
そんな他民族国家・イギリスを象徴するような食べ物がある。
先ほどのブログには、「イギリスは多くの移民を受け入れた」と書いてあった。
第二次世界大戦の後、イギリスはインドとパキスタンからから多くの移民を受け入れている。
そんなイギリスで生まれた料理が「チキンティッカマサラ」で、今ではイギリスの国民食と言われることもある。
チキンティッカマサラ
人種を問わずイギリス国民に人気があることから、ロビン・クック元外務・英連邦大臣はチキンティッカマサラをイギリスの国民食と呼んだ。
(ウィキペディア)
チキンティッカマサラ
このようにイギリスには、民族も宗教も出身地や歴史的背景も違ういろいろな人間が住んでいる。
そんなイギリスでは、それらの違いを越えて人びとが共感するようなものはなかなかないと思う。
少なくとも、同質性の高い日本よりは少ないはず。
日本と違って、イギリスには全国的なイベントが少ないという理由には、この「他民族国家」という特徴があると思う。
それとイギリスの階級制度も。
そのことは次回書きます。
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