日本人が昔から得意とするのが擬人化(ぎじんか)。
歴史をひも解くとこれは古代ギリシャの擬人法(Prosopopoeia)にまで~、ということは擬人化をクリックしてくれ。
もともと神道には石や木の自然物などに魂(かみ)が宿るという発想があって、日本人はヒト以外のものに、人間のような感情や言語能力などを与えて表現することがよくあった。
例えば鳥獣戯画。
日本のアニメやマンガでは何でも擬人化される。
日本刀がイケメンの男子になったり第二次世界大戦の戦艦が美少女になったりして、笑ってしゃべってそして敵と戦う。
日本語を学んでいるアメリカ人が「面白い!」と思ったのは、そんな大げさなものではなくて、もっと身近で小さいものの擬人化だ。
「このまえ膝小僧っていうことばを学んだよ。関節に少年がいるって発想はとてもユニークだね」と笑う。
そう言えば、あの神原駿河が「誰しも膝にお稚児さんを住まわせていると思うと、世の中が少しだけ豊かにみえないか?」 と笑顔で言ったのは記憶に新しい。
でも、残念ながら、膝小僧のコゾウは boy でもお稚児さんでもなく、動物園にいる象の可能性もあるのだ。
「膝小僧」の由来には、膝のシワが小僧の顔に見えるからという説の他に、夜叉神の烏摩勒伽(うまろきゃ)が関係しているという説もあるのだ。
栃木県・日光東照宮の隣には「日光山輪王寺」というお寺がある。
その輪王寺の境内にある大猷院(だいゆういん)には、霊廟を守る4人の夜叉(四夜叉)、すなわち毘陀羅(びだら)、阿跋摩羅(あばつまら)、犍陀羅(けんだら)、烏摩勒伽(うまろきゃ)がいる。
この烏摩勒伽(うまろきゃ)の膝をよく見ると、象(小象)で守られている。
*無料画像がなかったから、上のリンク先で確認してくれ。
これが「膝小僧」の由来になったと、TBSの番組「じょんのび日本遺産」で解説していた。(2020年12月21日)。
膝当ての部分がゾウの顔になっており、これが“ひざこぞう”という言葉の由来になったといわれています。
ただ夜叉神の膝にいる象が「膝小僧」の語源だったとなると、知人のアメリカ人はきっとガッカリする。
膝に住まわせているのがお稚児さんではなくてゾウだと知ったら、神原駿河は絶望するだろう。
では今度は、烏摩勒伽が手にしている武器を見てもらいたい。
この夜叉神が持つ弓矢が魔を打ち払う縁起物の「破魔矢」になったと言われる。
その伝承から日光の輪王寺では、「龍神破魔矢」という特別な破魔矢が販売されている。
ということで日光東照宮に行ったら輪王寺にも立ち寄って、膝小僧にあいさつしてから、たぶん日本で最も攻撃力のある破魔矢を忘れずゲットだ。
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