世界で通じる日本語といえばスシやサムライ、サクラなどがあって、後者は海外の日本料理店の名前で使われていそう。
ただ近ごろ海外で有名になった日本語には、ヒキコモリやカロウシとかネガティブな意味の言葉が多い気がしてならん。
では隣国はどうか。
韓国の全国紙・朝鮮日報のキム・テフン論説委員が初めて見たローマ字表記の韓国語は「プルコギ(bulgogi)」だったとコラムに書いている。(2021/04/18)
【萬物相】世界語になった「ネロナムブル」
『世界語』になった韓国語はほかにキムチ(kimchi)、焼酎(soju)、オンドル(ondol)がある。
「財閥(chaebol)」なら英語に翻訳できそうな気がするが、「軍隊式の独裁」や「家族間の怨恨」「貪欲」「ごう慢傲」といったニュアンスのある韓国の財閥は独特の存在だから、外国語には正確に訳せないという。
ウェブスター辞典やオックスフォード辞典に「chaebol(財閥)」があるから、これはもう立派な世界語。
「コンデ(年寄り)」も「old man(老人)」と訳してしまうと、「自分より若い人にやたら説教したがる老害」というコンデの核となる意味が伝わらない。
そしてこのたび、新しい世界語となった韓国語が「ネロナムブル」だ。
今月はじめに行われた選挙(ソウルとプサンの市長選挙)で与党が大敗した理由を、ニューヨーク・タイムズ紙は「ネロナムブル」を使って説明した。
ネロナムブルとは「自分がすればロマンスだけど、他人がすれば不倫(自分や身内には甘く、それ以外の人間には厳しい)」という都合のいい二重基準を指す。
英語だと「ダブルスタンダード」がその意味に違いし、日本語なら「二枚舌」か。
でもこれは韓国独特の価値観や考え方を表す言葉だから、ニューヨーク・タイムズ紙はアメリカ人の読者に向けて「naeronambul」と韓国語そのままで表記したという。
ただこれは韓国全体のことではなくて、コラムによると、文大統領をトップとするいまの与党の考え方や態度を表す特別な用語だ。
世界のどの国にもない「韓国与党のダブルスタンダード」という意味だろう。選挙管理委員会は「特定の政党を連想させる」との理由でネロナムブルの使用を禁じているが、その固有性が世界的な地位を獲得してしまったのだ。
いま韓国国民が「ネロナムブル」と聞けば、与党政治家の“ズルさ”が頭に浮かんでくるらしい。
選挙管理委員会が使用禁止にしないといけないということは、この言葉は韓国与党にかなりの打撃を与えるということだ。
与党の議員はそれだけ自分に都合のいい二重基準を当てはめて、それがバレて国民を怒らせた。
ソウル市長選で日本に関するネロナムブルならこんな例がある。
ナ・ギョンウォン元野党議員が、“敵”となる与党側のパク・ヨンソン候補者をこう批判した。
中央日報日本語版の記事(2021.03.30)
<ソウル市長選>羅卿ウォン氏「国民は日本の缶ビール1本も買えないようにして朴候補は東京に家購入」
与党議員は大声で「反日不買」叫び、国民にはビールも買えないような空気をつくっておきながら、このパク候補は東京に家を買っていたことが判明。
ナ氏は「本当にすごい人だ」とその胆力をホメて、「我が党に対して毎日『土着倭寇』と言うが、本人は何をしているか分からない」とあきれる。
『土着倭寇』とは日本に理解を示す韓国人を非難する罵倒の言葉。
野党が政府与党の反日を批判すると、与党議員はこう言い返した。
相手を『土着倭寇』と全力で非難しても、自分の利益のためなら平気で日本を利用・活用する。
こんなものはタイタニック号を沈めた氷山の一角で、韓国の与党・政権のネロナムブルは山ほどある。
それがバレて国民を激怒させた結果、ソウル・プサンの市長選挙で与党は惨敗。
ネロナムブルという世界語は、日本人の想像を超えた厚顔無恥な二重基準という意味らしい。
こちらの記事もいかがですか?
韓国のソウルを漢字で書けない理由:漢城?京都?首爾(首尔)?
韓国人として恥ずかしいです。
「ネロナムブル」は韓国人の二重性、偽善を赤裸々に描写した言葉です。自虐ギャグでもありますよね。
「反日」を口癖にしながらも自分は東京赤坂の住宅を購入した公職者、「親日撲滅」を叫びながら高級レクサスに乗っている公職者、そんな偽善、ネロナムブルを見る正常な韓国人の心は複雑です。