先週の土曜日にリトアニア人(東ヨーロッパの国)・インド人・ベトナム人・バングラデシュ人それとトルコ人と一緒に愛知県にある自然公園(王滝渓谷)へ行ってきた。
ちなみに全員20代でリトアニア人とインド人が男性、あとは女性という構成。
ここは巨石がゴロゴロしていてその間を清流が流れる渓谷で、国籍や宗教に関係なくどの外国人でも楽しめそうなスポット。
いまの時期はだいたいこんな感じに、気持ちのいい新緑にあふれていた。
こんな森林公園を2時間ほど散策してから、アジア人やヨーロッパ人に感想をたずねてみたところ、母国とは違う日本の季節や日本人の季節感についての話が聞けたので、これからそれを紹介しよう。
でもそのまえに、それぞれの国の季節について書いていこう。
バングラデシュの季節は秋が2つに分かれて計6つあると言う。
夏(4月〜5月)、雨季(6月〜7月)、秋の前半(8月〜9月)、秋の後半(10月〜11月)、冬(12月〜1月)、春(2月〜3月)の6シーズン。
このときのインド人は南部の都市・チェンナイの出身だったから、一年中Tシャツで過ごせるような暑さで、季節は雨季(9月~12月)と乾季(1月~8月)の2種類しかないとのこと。首都デリーなど北部だったら短いけど冬もある。
南北に長いベトナムは北部なら春夏秋冬の4つ、南部なら雨期(5~10月)と乾季(11月~3月)の2つがあると言う。
トルコとリトアニアは日本と同じく春夏秋冬の四季があって、トルコの夏と冬の気温は日本(静岡県)に近い。
リトアニアでは冬は-15度ぐらいまで下がり、夏の暑いときでも15度ぐらいというから基本的に寒い。
このときいたベトナムからリトアニアまでの外国人の印象では、日本の季節には目に見える変化があるから、それぞれがハッキリしていてすごく豊かという点で全員が一致。
春は桜、夏は新緑やヒマワリ、秋は紅葉、冬は雪と、四季の移ろいがピンク・緑・赤・白というように視覚的にハッキリわかるところが母国とは違う。
このハイキングでいちばん感動したのがバングラデシュ人で、この日の夜、SNSに写真とこんなメッセージを投稿していた。
Through the green valley and past the godly tree
There the kingdom of heaven ‘grandiosity’
緑の谷を抜け、神々しい木を過ぎれば
そこには天の国の「壮大さ」がある
とグーグルさんが翻訳してくれた。
ではこのバングラデシュ人の感想を紹介しよう。
「このまえ桜が咲いたと思ったらすぐに散って、でもいまではツツジがきれいに咲いている。もう少ししたらアジサイの時期になる。わたしは桜やモミジよりアジサイが好き。バングラデシュと比較して、一年を通じていろいろな花が咲くのがいい」
でもバングラデシュではいろんなフルーツが育つ。
マンゴーがほしかったら庭から取って食べていたから、日本のスーパーでマンゴーの値段を見てカルチャーショックを超えて驚天動地。
でこれがベトナム人の話。
「この公園にはモミジがたくさんありますね。緑もいいですけど、秋になると素晴らしい紅葉が見られそうです。それに梅の木もありましたし、冬の終わりごろにはきれいな花を咲かせそうですね。日本では四季に応じて花があって変化が早いと思います」
インド人はこう言う。
「日本語の授業で俳句をつくったことがある。そのとき、必ず季語を入れるように言われた。季語がたくさんあって本当におどろいたし、日本人は季節を大事にしていると思った。」
ちなみに俳句と川柳の違いをご存じだろうか。
どちらも「五・七・五」で詠むルールは同じでも、俳句なら季語が必要で、川柳なら季語がなくてもOK。
季語のない「無季俳句」は例外的。
リトアニア人とトルコ人の感想もだいたい上の中に含まれている。
トルコ人は、日本人の桜好きがここまですごいとは思わなかったと言う。「桜前線」なんて前線があるのは絶対日本だけ。でも、日本人にはちょっとついていけない。
自分なら混雑した桜の名所より、桜の木が2、3本ある公園でのんびり過ごしたほうがいい。
そんな外国人全員が「はあ?」とおどろいたのが二十四節気と七十二候。
日本の季節はむかし、四季をそれぞれ6分割して24あったこと、さらにそれを分割して72(七十二候)もあったという話をすると理解不能という顔をする。
ほぼ5日おきに季節が変わるというのは、彼らの感覚ではまったくつかめないらしい。
今回の外国人の感想をまとめると、日本では四季の移ろいが目に見えてハッキリ分かるし、日本人はそれぞれの季節を、ちょっとついていけないほど味わっている。
反論できる?「日本人が、外国人の日本料理をインチキと言うな!」
四季の移り変わりがハッキリしているという日本の特徴は、色々なところに影響を及ぼしています。
まずは、「日本人は着るものを多く持っている」ってことですかね。外国へ行って個人の所有している服の数を聞いてみると分かるのですが、殆どの国で、日本人の持っている服の数に比べて彼らの所有しているものは圧倒的に少ない。たぶん日本人の半分以下なのでは? 実を言うとこれ、日本人女性が外国人にモテる理由の一つでもあるのです。男は誰しも、出会う度に新鮮に着飾った女性を好ましいと思うものですから。ジーンズ+Tシャツだけで常に勝負するのは、なかなか難しいですよ。(皆が皆、ブルック・シールズじゃないのだから。)
もう一つ、日本の嬉しい点として「食材が豊かだ」ということがあります。特に北の欧米諸国へ行くと感じるのですが、彼らは1年中、同じようなものばっかり食べている。今日も明日も肉ばかり、キャベツばかり、ジャガイモばかり、といったふうに。まあそりゃ、調理法を変えてはいるが、限界はあるでしょう。日本人ではすぐに飽きてしまう。
あれでは酒でも飲まなくてはやっとれんでしょうな。だから北に行くほど、一般的に強い蒸留酒(ウィスキーとか、ウォッカとか、焼酎とか)を飲むのですよ。