さすがメガロポリス・東京だ。
東京都には静岡県では絶対にない、こんなユニークなバイトがあるらしい。
カタツムリ採集が得意な皆様。
マイマイ捕獲アルバイトがあるようです。
小笠原の母島の農協で募集しています。 pic.twitter.com/dAlLGW9i0j— まひまひのつぶり (@MaimainoTsuburi) June 13, 2021
ここは小笠原諸島だから渋谷や新宿とは街並みがやや違うけど、間違いなく東京都内にある。
小笠原諸島にある母島の農協が、農作物を食い散らすマイマイを捕獲してくれる人を募集中だ。
この「マイマイ」というのはアフリカマイマイという、ドでかいカタツムリのこと。
アフリカ原産のこの外来種、殻の高さが20㎝近くもある世界最大級のカタツムリで、日本によくいるカタツムリとの差は一目瞭然。
このモンスターカタツムリがトマトやレモンを食べやがることから、農協が日給8000円の仕事を出すことになった。
農家の嫌われ者・アフリカマイマイ
カタツムリの捕獲なんて、少年時代を思い出す面白そうな仕事に見えるが、アフリカマイマイはかなりヤバい。
このカタツムリは「広東住血線虫」という寄生虫の宿主になっている場合があって、傷口などから人に感染することがある。
本体ではなくて、粘液の中にも寄生虫がいるからオソロシイ。
「ザ!世界仰天ニュース」(2017年7月18日放送)では、ハワイでこれに感染した人の様子を紹介していた。
痛みは時間が経つと共にどんどん酷くなり、
ただ水に触れるだけでも痛みが走るように。
シャワーはおろか、手を洗う事さえ出来なくなった。
やがて右半身が麻痺し、ベッドから起き上がれないほどに症状は悪化。
この人の場合は病院で適切な治療を受けて苦しみから解放された。
でも、「広東住血線虫」に感染すると最悪死んでしまう。
何も知らない子どもがアフリカマイマイの体や通ったあとの粘液に触れると、死に至る可能性もある。
だからハワイでは、このカタツムリは危険生物として恐れられているという。
もちろん上の人はこれに一切触れていない。
ただ市場で買ったレタスの葉にマイマイの粘液が付着していたようで、それを口にして病院行きとなった。
小笠原諸島のバイトではみんな手袋をして、トングでアフリカマイマイを捕獲しているらしい。
雨上がりの曇りの日には特に多く現れて、数千匹のマイマイが捕れる時もあるとか。
日本では沖縄にもこのモンスターがいて、雨が降ったあとに大量発生するという。
すき家の帰り、、アフリカマイマイが家の前で大集合していた。#アフリカマイマイ #集会 pic.twitter.com/tN6lwMpLRw
— 沖縄なごやか移住生活 たこん&じんた (@okinawa75life) June 2, 2020
沖縄では2000年に7歳の少女が死亡している。
そのせいかネットでは「死のカタツムリ」と紹介されていた。
英紙「ザ・サン」の記事によると、世界で最も多くの人間を殺す昆虫の第一位が「蚊」(年間約75万人)で、アフリカマイマイなどの淡水カタツムリは第五位(約2万人)だ。
以前、台湾人に現地でオソロシイ昆虫について質問したら、カタツムリと答える人がいた。
「あんなものが?」とその時は不思議に思ったけど、死ぬこともあると言っていたからアフリカマイマイのことだったと思う。
台湾に住んでいる日本人にも聞いても、嫌な虫でこれを挙げる人が多かった。
・カタツムリです。私が前台湾で見たのは、セロハンテープの台ぐらいに巨大でした…(Θ_Θ;)。触ると脳炎にかかり、最悪の場合は死に至るそうなので怖いです。
1度目は台湾師範大学語学センターのキャンパスで、2度目は南港駅の人通りの多い歩道で見ました(ʘ言ʘ)。
踏みそうな場所に突然現れるので、とても心臓に悪いです。
ほんとに油断してました
・羽蟻とカタツムリですかね..
羽蟻は知らないうちに家に侵入して、ウロチョロ歩いててちょっと怖いです
カタツムリは雨の時期道にめちゃくちゃいて歩きにくいので嫌です
・巨大なカタツムリです。
それも結構います‼︎最初見た時は大き過ぎて本当に驚きました
・主に日本に生息する「セトウチマイマイ」は約3㎝。かなり大きさが違う!
なんでアフリカにいた巨大カタツムリが、台湾や日本にすみ着くようになったのか?
アフリカマイマイが自力で海を越えて来たわけはなく、誰かがこの地域に持ち込んだのだ。
それは実は日本人だった。
まず戦前の、日本が統治していたころに台湾へ日本人が持ち込んだ。
食用として1932年(あるいは1933年)に、台北帝国大学の教授下條久馬一より、シンガポールから台湾への最初の流入が行われた。
マイマイは体がデカいから食用を目的にして、日本が台湾で繁殖させたのだ。
その後、台湾から沖縄へ運ばれ(食用ではなかったらしい)、そのあと沖縄の各地へ広がっていく。
小笠原諸島へはインドネシアのジャワ島から持ち込まれた。
戦後の食糧難の時代にはちょうどいいタンパク源になったアフリカマイマイも、いまでは日給8000円の駆除対象でしかない。
こちらの記事もいかがですか?
「飢え」が変えた食文化。日本と世界(ドイツ・カンボジア)の例
そもそも、鈍足で湿っているカタツムリは
寄生虫の格好の餌食&病原菌の宝庫なので
気安く触ってはいけない。
カタツムリの寄生虫と言えば、「ロイコクロリディウム」という名前の寄生虫もなかなかすごい。
この寄生虫を宿した カタツムリは、目の周りがぶっとくなって、ネオンサインのように次々と色を変えるようになります。この変化は、そのカタツムリが目立って鳥に補植されやすくなるようにする、寄生虫の戦略なのだとか。カタツムリと一緒に食べられた寄生虫は、鳥の体内で卵を生み、その卵の混じった鳥の糞がまたカタツムリの餌となって、寄生虫が繁殖するのに役立つのだそうです。
ネットで動画を探せばすぐに見つかります。「ゾンビ・カタツムリ」なんて言われているくらい、不気味ですよ~。