京都の「カブトムシ銀行」がいま話題になっている。
京都新聞の記事(2019年07月13日)
カブトムシ銀行がスタート 「利子」でもう1匹 里山保全
これはNPO法人・里山ねっと・あやべがはじめたサービス(?)で、オス・メスのカブトムシのペアを買うと1年後にもう1匹もらうことができる。
カブトムシ銀行の仕組みはこうだ。
里山交流研修センターで子どもがカブトムシのペアを300円で買う。
子どもが家でカブトムシを育てて、卵を産ませる。
その卵を交流研修センターの裏山に埋める。
1年後、卵から育ったカブトムシの成虫1匹を利子としてもらうことができる。
この画期的な銀行の登場にネットの反応は?
・カブトムシの幼虫食べる昆虫が繁殖して 取り付け騒ぎリーマンショック
・こういうの好き
・窓口のお姉さんに、「口座に入金お願いします」って言って幼虫を手渡ししたい。
・牛でやったらすぐ詐欺事件に発展するが、カブトムシならいいのか
・一年で死ぬから元本割れなんですけど
・「カブトムシ銀行」って名前の銀行ができたのかと思った
株や証券にも強そうだし(´・ω・`)
日本でカブトムシは子どもに大人気で、大人でも好きな人はめずらしくない。
江戸時代には、すでにこの虫は日本の子供をトリコにしていた。
『千虫譜』(1811年)には、カブトムシは独角僊と紹介され、子供がカブトムシに小車を引かせて遊んでいると書かれている。
直接関係ないのだけど、2018年に、地下アイドルがステージ上でカブトムシを食べるパフォーマンスをしたら、事務所から解雇された。
アイドルがライブで虫を食べて解雇。でも、昆虫食は人類を救う。
日本人はカブトムシを好意的に見ているけど、外国人はそうでもない。
というか、その真逆の人もいる。
日本の中学校で英語を教えていたアメリカ人の男性は、教室でカブトムシが飼育されているのを見てショックを受けていた。
「あれをペットとして飼う感覚が理解できない。ゴキブリと何が違うんだ?」
カブトムシがゴキブリと同じ?
食器の下に隠れて御器(食器)を被(かぶ)ることから、「御器被り」(ごきかぶり)を語源にするというあの不快なムシのこと?(語源は諸説あり)
いやいやいや、その感覚こそ理解不可能だわ。
カブトムシを英語で「ビートル」と言うけど、そのアメリカ人が言うには「black beetle」はゴキブリを意味する。
これもそのアメリカ人情報だけど、黒光りする硬い甲羅(?)でおおわれた昆虫は、欧米では不吉の象徴や人間に害をなすものとしてホラー映画にもよく出てくるらしい。
英語版ウィキペディアで「ビートル」を見ると幅広い意味があって、カブトムシもゴキブリも「ビートル」のなかにふくまれると考えてよさそう。
Beetles are a group of insects that form the order Coleoptera, in the superorder Endopterygota.
マイナビニュースの記事(2012/09/27)でも、日本人がカブトムシを飼っていることにアメリカ人や他の外国人がおどろいている。
・カブトムシ。本当に気持ち悪いペットだと思います。見た目も怖くて、ゴキブリと似ています (フランス/男性/20代後半)
・昆虫です。友達に、日本の子どもたちは昆虫をペットとして飼うことがあると教えてもらった時にびっくりしました。(ウズベキスタン/女性/20代後半)
「これはない! 」と思う日本のペット
カブトムシを「ゴキブリの仲間」と見やがる外国人は、いままでに何人も会ったことがある。
感覚的には日本人に近い日系ブラジル人もそう言っていた。
フォルクスワーゲン・定禅寺店のブログには「ビートル」についてこう書いてある。
ビートルがドイツ同様に多くの人々に親しまれたブラジルでは「Fusca(フスカ)」と呼ばれていましたが、これは南米にいる大ゴキブリを意味した単語です。
こういう国でカブトムシ銀行はあり得ない。
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「飢え」が変えた食文化。日本と世界(ドイツ・カンボジア)の例
虫(甲虫)と言えば思い出す英単語にBEM(bug-eyed monster)があります。緑色の大きな目(トンボの目?)をした悪の宇宙人で、地球人類に仇なす者達。これをやっつけるのが、人間であるMIB(men in black)でした。したがって日本の「仮面ライダー」なんて正義のヒーローは、おそらく、伝統的な欧米社会においてはものすごく違和感があるはずだと思います。(アニメと違い、仮面ライダーはあまり欧米には紹介されてないのでは?)
欧米人の虫に対する感覚が、日本人(あるいは中国人)と異なる点を最も感じさせるのは、虫の音(ね)のことを記した文学作品が欧米には全く無いことです。何かの本で読んだのですが、欧米人にとって虫の音は、単なる雑音にしか聞こえないらしい。日本人や中国人には、鈴虫やコオロギを飼ってその音色を楽しむという風習が、昔からありましたけど。
欧米人にとって自然(≒野生)とは、あくまで、征服すべき別のもの達の世界でしかなかったのです。
なのに、海の世界に対してはやたらと尊重するのですよね。何ともアンバランスで不思議、かつ自分勝手で都合のいい感覚だこと。
BEMとMIBの話は初耳でした。ありがとうございます。
欧米で仮面ライダーがどう受け止められたか、という話は聞いたことがありません。
その理由は興味深そうですね。
無視の声については「虫の鳴き声を「声」と認識する 日本人とポリネシア人だけだった」という面白い記事がありました。
同じものを聞いても受け止め方はぜんぜん違うようですね。