【半夏生の食文化】香川のうどん・大野のサバ・関西のタコ

 

7月2日は「うどんの日」ということで、丸亀製麵がこんな“飯テロ”をしやがりました。

 

 

この日がうどんの日になったワケには、「半夏生(はんげしょう)」が関係している。
むかしは1年を72の季節に分ける七十二候という考え方があって、それによると、毎年7月2日ごろが半夏生という季節にあたる。

くわしいことはこの記事を。

【日本人と季節の移ろい】半夏生の由来と各地の行事を知ろう

半夏生がくる前に田植えを終わらせないと、秋の実りが遅れて収穫量が半減してしまうというオソロシイ言い伝えがあって、日本の農家はそれまでに田植えを終わらせていた。
そしてひと仕事終えて半夏生を迎えると、しばらく休みをとる。
「うどん県」の香川県では半夏生のときには、うどんを食べて労をねぎらう習慣があることから、これにちなんで7月2日が「うどんの日」になった。
ということで香川では「半夏生=うどんの日」で半額キャンペーンをしたり、今年は2回のワクチン接種を終えた人にはうどんを無料で振る舞う店もあった。

 

福井県大野市の人たちがこの時期に食べるのはサバ。

日テレニュース24(2021.07.02)

半夏生サバで夏バテ吹き飛ばす 大野の風習

むかしむかし大野の殿様が田植えを終えた農民の労をねぎらい、これから始まる本格的な夏を乗り切るために脂ののったサバを配ったことから、この風習がうまれたという。
いまでは大野の食文化になっていて、市民にとって「半夏生(はげっしょ)サバ」は夏バテ防止のスタミナ食だ。

 

そして関西で半夏生といったらタコですよ。

 

 

関西では7月2日ごろに、豊作を願ってタコを食べる習慣があったのだ。

では、なぜタコなのか?
「豊作」をヒントに考えてみよう。

 

 

タコには吸盤付きの足が8本ある。
そんなタコにあやかって、田んぼに植えた稲がしっかり大地に根付くことを願って、半夏生の時期にタコを食べる風習がうまれたのだ。
せっかく稲を植えても、根付いて育ってくれなかったら意味がない。
農民の労をねぎらうことや夏バテ防止と違って、秋の収穫という利益を重視しているところに関西人のらしさがよく表れている。
ただ香川のうどんや大野のサバとちがって、いまの関西ではあまりこの風習は残っていないらしい。

 

 

こちらの記事もいかがですか?

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

外国人から見た日本と日本人 15の言葉 「目次」

反論できる?「日本人が、外国人の日本料理をインチキと言うな!」

ヨーロッパ 目次 ③

外国人の質問「すしを食べるのは箸か素手か?」の答え

外国人の好きな日本文化:縁起物や精霊馬としての「ナス」

 

1 個のコメント

  • タコと田畑と言えば、むかし「タコが陸に上がってきて畑の大根を盗んで食べる」という都市伝説(?)がありました。あれ、本当なんでしょうか?
    でも海岸に田畑があるのだから「都市伝説」じゃなくて「田舎伝説」かな。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。