今月7月3日に静岡県熱海市で土石流が発生して、いまの時点で10人が亡くなっている。
熱海のあたりはすぐ背後に山があって、同じ静岡県民のボクでも車で下ったときには少し恐怖を感じるほど。
あんな地形のところでこんな土石流が起こったら、もう人間の力では防ぎようがない。
とにかく心が痛むし、早期の復旧・復興を願う。
この災害の直接的な原因は記録的な大雨としても、土石流が発生したところでは開発が行われていたから、人災の可能性がとても高い。
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日本人の発想なら、こうした災害の原因は天災か人災か、またはその両方が重なったものと考えるのが一般的だ。
でも自然や人ではなくて、それ以外の原因があるとしたら、それは一体なんなのか?
世界では熱海の土石流を見て、日本人とはまったく別の理由を考えた人もいる。
最近、東アフリカにある島国・マダガスカルに住んでいて、日本に興味のあるという女性とネットでやり取りをした。
日本ではあまり馴染みがない国だから簡単に紹介すると、面積は587,295平方キロメートル(日本の約1.6倍)、人口は2,697万人で首都はアンタナナリボという。
そんなマダガスカルでは主にキリスト教、伝統宗教、イスラム教が信仰されている。
先ほどの土石流の動画はなんせインパクトがあるから、海外でも広く拡散されて世界中の人が見て震えた。
このマダガスカル人もそのうちの一人で「大丈夫ですか?」と心配されて、おっさん思わずホロリとくる。
これを含めて日本についてマダガスカルでは、地震や津波などの自然災害が多い国という印象があるらしい。
まぁあってる。
日本は世界的に見ても雨や雪が多く降るし、ツナミはそのまま英語や国際語になっているのだから。
この原因は地理的条件がほとんどすべてで、災害をなくすも完全に防ぐことも現状では不可能だから、嫌でもこれと付き合って被害の軽減を考えるしかない。
これはもう日本列島に住む人間の運命だ。
そんなことを言ったあと、彼女からこんなメッセージがきた。
「it’s mostly extremely religious people who think Japanese get often punished by God because they don’t pray…. But when people are not extreme, they don’t think much of that, most people here love Japan.」
(マダガスカルにいるめちゃくちゃ宗教に熱心な人たちは、日本人が祈りを捧げないから神に罰せられることが多いと考えている。でも、そんなに極端ではない人たちはあまりそう考えないし、ほとんどの人は日本をとても好き。)
日本で起こる地震や洪水などの自然災害は、無宗教な日本人に対する神の怒りが原因で、それは神による“罰”だと理解する人もいる。
熱海の土石流も自然に発生したのではなくて、神の意思によって起こされたもの。
マダガスカルではキリスト教徒もイスラム教徒も、そう考えることが自然という。もちろんそれは特に信心深い人の話。
そういう一神教の信者は独善的で、自分たちの価値観や考え方だけが唯一の正解と思っている。
このマダガスカル人はキリスト教徒からイスラム教徒になったあと、多くの人に嫌われて、付き合いもなくなったという。
彼女のような平均的な信心の持ち主なら、日本で起こる災害は天災と考える。
でもやっぱり、そのうちの何パーセントかは神の怒りとみる人が多いらしい。
日本でもむかしは災害を山や海、川の神の怒りと考えたかもしれないけど、21世紀にそれはない。
でも世界では、これを「神の罰」ととらえる人はマダガスカルのほかにもいるはずだ。
後日談
すべてとは言えないまでも、土石流発生の原因は人間にあることはまず間違いない。
朝日新聞社の記事(2021/07/14)
熱海の盛り土、11年見過ごしか 県「届けと違う造成」
基準の3倍を超える盛り土をした業者も悪いが、それを見過ごしてきた可能性が高い行政にも責任がありそうだ。
「神がすべて」という世界観ではこれは人為的ミスではなくて、「犠牲になった人間は神への祈りが少なかったから」と思われるかも。
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