いま東京で行われているパラリンピック。
そこにベッカ・マイヤーズ選手はいるのだろうか。
視覚や聴覚に障害のあるマイヤーズさんは競泳のアメリカ代表選手で、過去の大会で6つのメダルを獲得し、東京パラリンピックでの活躍が期待されていた。
でも、介助者である母親の来日が許可されなかったことから、マイヤーズさんは出場を辞退すると発表して大きな注目を集めた。
その理由は、米パラリンピック委員会が34人の水泳選手に対して、1人の介助者しか派遣できないと言ったから。
自分には信頼できる母親のサポートが必要不可欠なのに、それが認めらなかったため、マイヤーズさんはパラリンピック参加を断念するしかなかったという。
ただワシントンポストによると、米パラ委員会がそう言ったのは「必要な運営スタッフ以外の入国を日本が認めないのが理由」とのこと。
コロナ禍でのパラリンピック開催については日本国内で批判が上がっていたから、それをめちゃくちゃ気にする日本政府や五輪委としては、海外からの入国者をできる限り減らしたいのは間違いない。
メダルが有望視されているマイヤーズ選手の不参加は、米パラ委員会にとっても残念なはず。
とすると根本的には「日本が入国を認めなかった」ということが原因で、日本が事情を考慮して例外と認めればきっとマイヤーズ選は出場できた。
ということでネットでは、日本の厳格すぎるルール適用に批判の声が相次ぐ。
・日本の対応・・・・
ダメダメすぎない?
・また海外メダリスト候補が消えたよ!日本メダルラッシュだね!
・阪神大震災だったっけ?
スイスからの救助犬を入国拒否したバカ政権
・アスリートにとって必要な人は絞るのに五輪ファミリーは無制限受け入れ
・コロナだから仕方ないだろ
入国は必要最低限でってこと
・視覚障害者の介助者の入国も認めない
これがジャパンの お・も・て・な・し
1995年に起きた阪神・淡路大震災では、日本の「ルール厳守」が大きな問題になった。
スイスなどから災害救助犬派遣の申し出があったのに、日本は動物検疫の手続きなどを理由にこれを拒否。(のちに入国を認めたけど遅すぎた)
さらに薬事法上の規定を理由に、アメリカのボランティア団体から送られた医薬品を受け入れず。
とどめに日本の医師免許を持っていないからと、外国人の医師が希望しても医療行為ができなかった。
*これものちに厚生省が、「緊急避難的行為として医療行為を認める」という判断を下してOKとなる。
こうしたことが問題視されて、いまはかなり事情が変わったはず。
「一度例外を認められたらキリがない」とルール変更には断固反対する人もいるけれど、そもそも何のための規則かを考えて柔軟に変えたり、その場の状況をみて特例を認めることも必要だ。
アスリートファーストを唱えるのなら、マイヤーズ選手の母親の来日は認めるべきだったと思う。
でも規則に対する日本人の厳格さが、ブーメランとなって日本を困らせることもある。
最近、ロシア人が亡命を希望して日本へやって来た。
「チャリで来た」のではなくて、その男性は北方領土の国後島から泳いで北海道にたどり着いたという。
根室で男性を保護したまではよかったが、そのあと政府は前代未聞の壁にぶつかった。
北海道新聞の記事(8/27)
「国後から来た」なら「国内移動」 ロシア人男性処遇に日本政府苦慮
北方領土は日本固有の領土である、というのが日本政府の公式見解。
その立場から考えるとこの男性は「日本国内を移動しただけ」になって、海外から来たことにはならない。
外務省は「泳いで来た」という事態をまったく想定していなかった。
だから日本の法律を厳格に当てはまると、このロシア人は一体どんな存在になるのかよく分からなくなる。
それで政府は、「日本の法的立場を害さない形で男性をどう処遇するか苦慮している」と記事にある。
でも、外野のネット民にはしょせんは他人事で笑い事。
・いくらなんでも国内移動とするのは無理だろ。
・知床半島に住んでもらってヒグマと戦ってもらえ
・国後島からロシア軍が上陸してきたら国内移動なのか?
・国後にいる時点で不法入国だろがい
・策士や
・このバグを利用すれば、ロシアから国後にさえ行けば、どんな国の人間でも日本に入国し放題だな。
・もう日本人扱いでよくね?
・なんだか笑うw
しょーもない隙間を残すなw
・国後産まれだったら日本人になるのかw
このロシア人は結局、「不法入国した外国人」となって難民ではないと判断され、「日本に亡命したい」という願いは却下、男性は近くロシアに送り返されるらしい。
この人もまさか国後島にいた時点で、すでに“入国”していたとは気づかなかったはず。
日本のルール厳守もここまでくるとコメディだ。
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