タイミング的にいまこれを見たら、「ああアレね」とピンとくる人も多いのでは。
ではクエスチョン。
パラリンピックのシンボルマークにある赤・青・緑は何を表しているでしょうか?
この赤・青・緑はそれぞれ「悪・即・斬」の正義の心を表す。なんてワケはなく、赤は心、青は肉体、そして緑は魂を象徴している。
このパラリンピックのシンボルマークの色は全世界共通でも、色が示すいろいろな意味はそれぞれの文化圏によって違う。
ということでここでは、日本人に大きな影響を与えた中国思想を紹介しよう。
きょう2021年9月7日から、「白露」の季節が始まる。
春夏秋冬の四季でいうと今はまだ秋がくるまえ、夏の終わりで「ギリ夏」といったところ。
でも1年を24の季節に分けた「二十四節気」によると、この時期は大気が冷えてきて露(つゆ)ができ始めるころで、『暦便覧』には「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」とある。
*季節を大きくシンプルに、「陰と陽」の2つに分ける考え方についてはこの記事を見てほしい。
この中国生まれの文化は東アジアに広がったから、韓国メディアの朝鮮日報にもこんな記事がある。(2021/09/06)
二十四節気「白露」目前…秋雨しとしと
この二十四節気では次が「秋分」になるから、その一歩手前の「白露」はもう秋に突入しているとみていい。
春を青、夏を赤、秋を白、冬を黒と季節を色であらわす中国の五行思想(陰陽五行思想)からすれば、秋を「白露」と表現するのも納得。
日本を代表する詩人で歌人の北原白秋について、「なんでシロ?」と疑問に思う人が日本で続出している。たぶん。
これは「秋といえば白!」という五行思想から付けられた名前だ。
北原白秋が作詞した歌には『ちゃっきり節』のほかこんなものがある。
「この道はいつか来た道 ああ そうだよ」の『この道』
「あめあめふれふれ かあさんが じゃのめでおむかい うれしいな」の『あめふり』
北原白秋
こんな五行について知れば梅山恋和さんの言う、
「アオハル一緒にしよっ だってだってだって♪ 一緒にアオハルしたいぜよ!」
の意味もみえてくるはず。
秋の反対側にある春は色でいうと青。
大気全体でいえば陰の気がなくなって陽の気が増えてくるころ、暖かくなってきて植物は成長し、動物が動き出す春のシンボルカラーは五行でいうと青だから、ここから青春という言葉が生まれた。
となれば、中国語でニキビを「青春痘」と書く理由もわかるはず。
季節に色を結びつける考え方をヒトの年齢に当てはめて、人生の段階を「青春、朱夏、白秋、玄冬」で表すこともアリ。
それぞれの年齢幅はサイトによって若干違うんで、これはひとつの目安として見てくれ。
青春:15~29歳
朱夏:30~44歳
白秋:45~64歳
玄冬:65歳以降
陽気が増えていって動植物の動きが活発になる春を、エネルギーが旺盛になる年代に例えた古代中国人の発想は、現代の日本人でも理解や共感ができるはず。
青春の反対が白秋であることは、JKと北原白秋の残酷ともいえる対比からも明らか。
例えばアニメ『妖怪ウォッチ』に出てくるキャラ・朱夏の出どころも中国の陰陽五行思想だし、『ダーウィンズゲーム』のシュカも、あの強さや激しい性格から元ネタは朱夏だと個人的に思っている。
では最後にパラリンピックの色を五行思想でいうと、どうなるか考えてくれたまえ。
赤は夏でOKとして、問題は五行思想に緑がないってこと。
でも昔の中国人や日本人は緑を含めて「青」と表現していたから、青と緑は同じ色で春と考えていい。
くわしいことはこの記事を。
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