きのう8月20日は「交通信号設置記念日」。
1931(昭和6)年のこの日、東京の銀座をはじめ34か所に、日本ではじめて青・黄・赤の3色灯の自動信号機が設置されたことからこの記念日が制定されたとか。
昭和初期の日本人にこの交通信号は目に新鮮で、当時ガス灯が設置されていたオシャレな銀座にふさわしいオブジェに映ったことだろう。
ただネットを見ると、日本初の機械式交通信号機は1930年(昭和5年)に日比谷交差点に設置されたという話もあって、このへん何がどう違うのかよく分からない。
でも今回の内容はそれに関係ないからスルー。
日本に信号がなかった時代、こんなふうに警察官が代わりになっていたと思う。
アメリカ人とイギリス人を乗せてドライブをしていたとき、「なあ。なんで信号の緑を日本では“青”と呼ぶんだ?」と聞かれた。
日本人は「進め」(進むことができる)を示すあの色を「青(信号)」と言うけど、アメリカやイギリスでは「グリーン」と呼んでいるという。
どう見てもあれは緑色だから、2人とも日本人が「青」と言う理由が前から気になっていたしい。
言われてみればそうだけど、このときはこちらも知らず。
きのうの交通信号設置記念日にそんなことを思い出したから、ネットで外国人に聞いてみたところ、こんなコメントがきた。
アメリカ人: We say green in America for go
ジョージア人:Yes they call it Green -In Georgia 🥰❤️
メキシコ人:green
ハンガリー人:Midori desu😊
インド人:In India ‘GO’ color is GREEN.
イギリス人:イギリスでは「緑」といいます。横断歩道では口語英語で「進め」の信号が「green man」(緑の人)といいます。
カナダ人:In Canada it’s green!
アメリカ人:Green….but some of them now look blue-ish
ミャンマー人:ミャンマーでは みどりです。
タイ人:Green
ブラジル人:I’m from Brazil and here is Green too
インドネシア人:Same also green
中国人:緑と呼びます。日本で「青」を呼ぶのは知りました。
ということで、世界中の人はあの信号の色を「みどり」と呼んでいる。
「The background as to why they are called blue is actually really interesting」と、日本人が「青」と呼ぶ理由は興味深いという人もいた。
ネットを見ると、「青」と言うのは日本だけというサイトもあったから、ひょっとしたら日本はオンリーワンかもしれない。
そのせいか、日本に住んでいたフィリピン人がこんなことを書いていた。
Here in the Philippines we call it green light but because I lived in Japan for a long time I still think of it as blue.
フィリピンでは緑と言うけど、自分は日本に長い間住んでいたから、いまだに「青」と思ってしまう。
日本人が緑色の信号を「青」と呼ぶ理由には諸説ある。
・光の三原色に対比させたから。
・交通信号機がはじめて導入されたころ、新聞が「青信号」と書いたことが広がったから。
・むかしの日本人は緑を含めた広い範囲の色を「青」と呼んでいたから。
ここでは信頼性が高そうな「日本放送オンライン」の記事(2018-05-13)を参考に書いていこう。
青信号に青リンゴ、青汁……どうして「緑」を「青」というの?
まず、もともと日本には色を表す言葉が少なくて、平安時代には「赤」「白」「黒」「青」の4つしかなかった。
いまでは考えられないけどむかしの日本人は、目に見えるすべての色をこの4色で表現していたのだ。
古代の日本人は、明るい色をアカ、暗い色をクロ、はっきりした色はシロ、そしてどれにも属さないあいまい色をアオと呼んでいたという。
この基本色が日本人にとって特別だったことは言葉からも分かる。
これらの色は「赤い」「白い」「黒い」「青い」と“い”を付ければそのままで形容詞になるけど、「緑」「黄」「茶」などの色は「緑の」「黄色い」「茶色い」「緑の」というふうになる。
*これで信号が「青」の理由も見えてくると思う。
この中では青がもっとも近い。
そんなワケで日本人は、いまでいう緑・紫・藍・灰色までも「青」のひと言で表していた。
その影響が現代まで残っていて青葉、青田、青竹など、どう見ても緑色のモノをいまでも日本人は青と呼んでいる。
植物が生い茂っている様子を「青々」と表現するから、「青々とした緑」なんてそのままでは英語にできないような言葉が日本語にはある。
「青汁」「青りんご」を英語にすると、「グリーン・ジュース」「グリーン・アップル」になる。
見た目は全身みどりなのに「青虫」と呼ばれる理由もきっとこれだ。
日本で青と緑の色が分かれたのは、平安時代末期から鎌倉時代になってからという。
信号の色については上の記事にこう書いてある。
日本の青信号、最初の頃は「緑信号」でした。けれどその緑信号を当時の新聞記事では青と表現したのです。それが広まり、戦後、法律で表記を「青信号」とするようになりました。
むかしの日本人は緑のモノを青と呼んでいたことが、信号の色にもつながったということを外国人に伝えると、どこかの国の人がこんなメッセージをくれた。
「Yes! In ancient Greek, there was no distinction to blue and green either. Arabic too, if I am not mistaken. 」
古代ギリシアやアラビア世界でも、青と緑に違いはなかった。もし間違ってたらゴメン。
この人が聞いた話では、むかしの人間は現代の人間とは目のつくり(細胞)が違っていた。
そういえば前に日本のテレビ番組で、アラブ人は空の色を「緑」と言っていたという話を聞いた。
間違ってたらゴメン。
ある外国人が、これらの色をひと言で言うと日本語なら「青」になると投稿していた。
これに対して別の外国人がこう書き込む。
「Japan didn’t have the notion of green, the whole spectrum is called blue, green was introduced by the Americans after WWII. Especially for traffic lights.」
「もともと日本には緑の概念がなかった」というのはいいとして、緑は第二次世界大戦のあとアメリカが日本に伝えたというからビックリ。
でも英語版ウィキペディアにもそんな記述があるから、戦後アメリカがそんなことをしたのかも。
Educational materials distinguishing green and blue only came into use after World War II;thus, even though most Japanese consider them to be green, the word ao is still used to describe certain vegetables, apples, and vegetation.
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>Educational materials distinguishing green and blue only came into use after World War
昭和33年の学習指導要領改訂を指しているのかも知れませんが、西洋式の色彩教育自体は、明治の初頭から行われています。
ただ、当時は絵具等がほぼ輸入に頼っていた為に高価だったこともあり、定着したとは言い難かったようですね。
また、当時の教育で使用されていた色図で緑とされた色は青系統で、現代日本人の認識する緑とは違うようです。
その後、戦中戦後困窮から色彩教育も廃れ、昭和33年に普通教育に取り入れられたようです。
アメリカが云々というのは、日本語の青、緑は境界が曖昧で英語のBlue、Greenと必ずしも対応しなかった物を、明確に区別するようにしたということではないでしょうか?
日本語の「青」が、現在の「青色」を限定的に表す語ではなくて、古くから「寒色系全般を表す」語であったことは、ブログ主さんの言われる通りです。
もう一つ、「緑」に関して、別の情報を。日本語の「緑」はもともと色だけを表す語ではなく、どっちかというと「見た目」や「質感」を含めて、「生まれたばかりのもの」「新鮮な様子」を表す語だったのです。その証拠が、「みどり子」とか「みどりの黒髪」とか「新緑」などの言い方に残っていますね。
そのような伝統的定義があったから、「緑信号」とは言わず、「青信号」という名前に決まったという理由も、実はあったのだろうと推定します。
そうかもしれませんね。
わたしもチョイと調べてみたましたが、これは何のことか分かりませんでした。