コロナ禍だっつーのに、感染対策ほぼなしで開催された野外音楽イベント「NAMIMONOGATARI2021」が集中砲火を受けている。
主催者側は愛知県との約束を破り、独自の判断でアルコールを提供するとか好き勝手やって、終わってみればクラスターを出す始末。
で、愛知県を激怒させ、日本政府(加藤房長官)には「今回みたいなやり方は、断じて認めるわけにはいかない」と言わせるほどヒドイものだったから、世間の猛批判はしかたない。
さて、この主催者がぶっ叩かれるのは自業自得として、病院が入り口に、
「(イベント)参加者の来院を9/12までお断りしております。ご理解ご協力をよろしくお願いいたします」
という紙を貼るのはどうなのか?
そんな画像がSNSで拡散されていて賛否両論、ケンケンガクガクの議論になっている。
ネット掲示板を見ると病院を支持する人のほうが多いようだ。
・ありだろ
公共機関でもありなくらいだ
・これを支持するのがネットの民度
・客が店を自由に選べるように店が客を自由に選ぶ事が当たり前の世の中であれ
・刺青は入浴禁止と同じレベル
・コロナ患者の受け入れを拒否してる病院と同じ
・こんな違法行為を堂々と宣言するような医者には絶対診てほしくないな
・医者は患者を区別してはならないが、病院は他の患者を守るために最善の努力をする必要がある
・参加者はアレだが医療は受けさせなければならない
コロナ患者の対応などでてんてこ舞いの病院側としては、野外イベントに参加して感染した人までは対応したなくない、ということだろうか。
ただそれを理由に患者の受け入れを拒否したら、法的にはアウトだ。
日本ではこんな感じに、区別を理由にした「排除の文化」があると思う。
コロナ感染者が多い地域を名指しして、「〇〇県の人はお断り」といった紙を貼る店がきょねん全国で現れて「これは差別では」と問題になった。
他県のナンバーの車にはコインで傷をつける、後ろからあおるといった嫌がらせ行為が発生して、護身用に「〇〇県内在住者です」というステッカーを付ける人もいたほど。
こんな事態は他の国では聞いたことない。
マスクをしていない人の入店を断るのはまだいいとしても、合理的な理由なしで特定の人を拒否するのはNG。
日本では「その区別は仕方ない」とか何とか言って、結局は「排除の文化」を支持する人も多いが、それを外国人に当てはめると明らかな差別行為となる。
東京五輪の直前の日本のようすを見て、「完全な失敗に向かっているように見える」と米紙ワシントン・ポストが指摘した。
時事通信の記事(2021年07月19日)
「おもてなし」が外国人警戒に 米紙、完全な失敗と東京五輪論評
東京にあるホテルがエレベーターを日本人用と外国人用に分けたところ、これは「区別」ではなく「人種差別だ」という批判を受けた。
こんなこともあって、ワシントン・ポストに日本はこう見えた。
世界に対する歓迎を示すはずだった「おもてなし」の心は「偏狭で内向きな外国人への警戒」に変化したと分析した。
もちろんこのホテルに差別意識はないし、あるのは外国人ではなくウイルスへの警戒心だ。
コロナ対策としてホテル側は、五輪に参加する外国人の選手や関係者が一般の日本人客と接触しないよう要請されたから、日本人と外国人が使うエレベーターを別々にした。
でも、「日本人専用」「外国人専用」という案内を掲示したのはマズかった。
これだと日本人も外国人と一緒のエレベーターに乗ることができないワケで、一見、平等のようなんだが、これは「区別」では済まされない。
毎日新聞のような全国紙に「差別」と書かれてしまう。(2021/7/12)
ホテルエレベーターに「外国人専用」掲示 差別批判受け撤去
「感染対策の一環で、五輪関係者と一般のお客様の動線を分けることが目的だった」と差別的な意図は全くなく、配慮が足らなかったとホテル側は釈明するも、国内ではネットで「人種差別」「日本の恥」とさんざん叩かれて、海外メディアには「偏狭で内向きな外国人への警戒」と書かれる騒ぎとなってしまう。
きょねん首都圏や他県の人を「入店お断り」にする店が全国で出たとき、日本に10年以上住んでいるアメリカ人が意外だったと言う。
それまでの経験から彼は、日本社会には異質なモノを排除する”文化”があることは知っていた。
外国人であることが理由で入店を禁止されたことがあったし、そんな張り紙はいまでもネットでよく見る。
日本でそんな人種差別行為があるのは知ってたけど、日本人を相手に同じことをするとは思っていなかった。
「排除の文化」を同じ日本人にも適用するというのが、彼としては意外だったらしい。
日本社会ではもともと特定の人を拒絶する考え方があって、それが「区別」として認められる風潮もあるから、こういう行為へのハードルが低い。
ホテルが「日本人(外国人)専用」と分けたことにも、外国人に対する憎悪なんて1ミリもなく、意識の根底にそんなユルイ認識があって、そこから自然に出てきた発想だろう。
でも結果的に、ホテルが負った傷は大きすぎた。
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このホテルの件もそうですが「五輪バブル問題」もどうなんかなぁと
バブルの中は接種率も高く「きれいな空気」なのに一部書き込みや報道でまるで危険物が漏れてるかのような
確かに決まりを守らず脱走は問題ですが空港からの移動でもあっちが漏れてるこっちが漏れてるってあらさがし。「変異株がー」とか言ってるけど、これも外からの人間をなにも考えずに排除してるのではないかなと
withコロナでワクチン効果の検証って考えても五輪は有意義だったと思う
確かに日本には、考えの合わない人を拒絶して遠ざけようとする傾向がありますね。
しかし欧米には、考えの合わない人を教化して改心させようとする傾向がある気がします。
どちらがより悪質かは意見の分かれるところですが、私個人としては前者の方がまだマシですね。
相手の何がダメなのか、自分はどう思うのかを相手に伝えるのは日本人には面倒で、問答無用で距離を置く傾向があると思いますよ。