【赤いキャビア】日本語の“イクラ”の由来はロシア語

 

このまえリトアニア人とスシローに行ったら、ありましたよ、秋の味覚のイクラ。
リトアニア人も好きなイクラの代表的な産地・北海道では、このところ価格が急騰しているという。
子どもは風の子、イクラはサケの子。
母体であるサケがことしは全っ然とれなくて、通常ならこの時期の水揚げは1日2000匹のところ、ことしは170匹という絶望的な日もあったとか。
それでイクラの値段はきょねんの2倍ほどというから、ことしはこれを食べる機会は少なくなりそうだ。

これにネットの反応は?

・イクラの何が旨いのかさっぱり判らん
・回転寿司なんかでバカバカ食うから足りなくなる。
・食わなくても食べたくならないしどうでも良いわw
・スーパーでもあっという間に高くなるが
安く買い叩かれているはずの魚は例年通りの価格ってのが意味不明
・くら寿司でイクラ食べれなくなっちゃうじゃんっ(>_<)

このほかにも「いくらなんでも高すぎるわ」「いらんイクラ戦争」といった想像どおりのダジャレもあり。
イクラは日本ではアニメキャラの名前にもなっていて、親しみのある響きで親しまれている。

そんなイクラをリトアニア語で何というのか?
スシローで知人に聞いてみたら、あちらでは「イクラン」と言うらしい。
そうか、日本語とよく似てるねえ…って同じ語源じゃね?
と思ったらビンゴ。
リトアニア語でもイクラの語源は、魚卵をあらわすロシア語の「икра(イクラー)」だった。

日本語のイクラも実はロシア語由来のことばだ。
ただ日本のイクラはサケの卵だけだけど、ロシア語ではそれに限らず、キャビアもタラコもカズノコもすべて「イクラ」という。

日本で筋子(魚の卵巣から取り出したもの)と、粒状にばらしたものを区別する言葉がなかったころ、ロシア人のことばと出会ったのが始まりといわれる。

あるとき、ロシア人が粒状にばらしたサケの卵を「イクラ」と呼んでいるのを見た日本人が、これをイクラと呼ぶものと思ったことに由来するとされている。

イクラ 

ロシア語と英語の国際色ゆたかな日本料理
「いくら」は英語で「サーモン・キャビア」と書いてある。

 

粒状にばらしたものを「イクラ」と呼ぶことで、筋子との区別が簡単になって都合がよかったから、日本全国でイクラと呼ばれるようになったという。
ちなみにロシア人で発音してもらったら、ちゃんと「イクラ」と言ってる。
100%正確にカタカナで表記するのはムリなんで、ネットで確認してほしい。

 

いまでも筋子とイクラの違いが分からなくて、ネットで検索する人はたくさんいる。

 

最近ではスシ・ブームのおかげもあって、世界的に「イクラ」が広がっていて、英語版ウィキペディアにはこんな説明がある。
*caviarはキャビアのことで、Red caviarは赤いキャビア(=イクラ)。

Red caviar is part of Russian and Japanese cuisine. In Japan, salmon caviar is known as ikura which derives from Russian word икра (ikra) which means caviar or fish roe in general.

Red caviar

イクラがロシア語なら、オクラの由来は英語(okra)。
フィリピン人に聞いたら、あちらでも英語の「okra」を使っているらしい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。