このまえロシア人の女性とリトアニア人の男女、計3人と神奈川県にある金時山へハイキングに行ってきた。
ということで今回は、彼らから聞いた話を書いていこうと思う。の第五弾。
これは今後の記事のための自分用のメモなので、その点はご承知おきを。
これまでの記事はこちらですよ。
ロシアの首都モスクワの西にリトアニアがある。
金時山は金太郎が熊と相撲をとっていたという伝説の山。
いまは絶景の富士山が見られることからハイカーに大人気。
金時山を登っていくと日本の山道のお約束、峠とそこで一服する茶屋があった。
このときは残念ながら閉まっていたけど。
山道を登って登って、一番高いところが峠になってそこからは下りになる。
「峠」という文字は日本人がつくった和製漢字だから、中国人聞いてもほとんどの人はこの漢字を知らない。
中国人の日本語ガイドは、「山頂という言葉があればいいじゃないですか。そんな中途半端な言葉はいりませんよ」と笑っていた。
ロシア人やリトアニア人には峠という発想があるのだろうか?
3人に聞いてみたら、そんな言葉は知らないという。
峠を英語の辞書で見てみたら「Mountain path」(山道)とあるけど、これでは意味が違う。
こんな言葉はないようだから、「the highest point on a mountain road」(山道で一番高いポイント)と説明するしかなさそうだ。
「へえ。それが何か?」とか言われそうだけど。
峠で休憩するなんてどこの国でもある発想だと思うけれど、意外と日本だけかも。
岳も山も英語だと「Mt」(マウンテン)になる。
でも、この違いがよく分からない。
そもそも金時山の読み方も「きんときやま」と「きんときさん」のふたつがあって、両方とも正解だからややこしい。
「やま」と「さん」の違いについてはこの記事をどうぞ。
前を歩くロシア人の服で、こんなものと目が合った。
ひょっとしたらと思ったら聞いたらビンゴで、ロシアの有名な民芸品マトリョーシカ人形だ。
人形が上下にパかっと開いて、中から一回り小さい人形がいくつもでてくる。
マトリョーシカはこういう入れ子構造になっているから腕はない。
ロシア人の話では、マトリョーシカは子供のおもちゃでむかしは自分もこれで遊んでいた。
でもいまではゲームやスマホで遊ぶ子供が増えているから、この伝統工芸品はすたれ気味で、いまでは外国人がお土産としてよく買っていく。
まあ日本のこけしもそんな感じか。
意外なことにそのロシア人は、マトリョーシカの起源は日本のダルマと思っていた。
日本のダルマ人形を持ってきたロシア人がいて、それがきっかけで現在のようなマトリョーシカ人形が作られるようになったと聞いたらしい。
マジか!
山頂でランチを食べる。
おにぎりのような手軽な国民食がリトアニアにもあるから聞いたら、このサンドウィッチがそうだと言う。
全国どこでも手に入るサンドウィッチは、ピクニックでよく持って行く。
具材はチーズ、肉、野菜というから、日本のサンドウィッチと変わらない。
でもカツサンドは、ヨーロッパでは見たことがないらしい。
おにぎりを食べているロシア人に国民食を聞いたら、少し考えて「ピロシキかな」と言う。
ピロシキとは肉・チーズ・野菜などを中に入れた惣菜パンのことで、日本のカレーパンはこれをヒントにつくられたと言われる。
ピロシキ
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>岳も山も英語だと「Mt」(マウンテン)になる。
どっちかって言うと、岳は「peak」じゃないですかね? それと丘だったら「hill」かと。(でも、それは必ずしも1対1対応ではないけれども。)
>峠を英語の辞書で見てみたら「Mountain path」(山道)とあるけど、
それは辞書が間違いであり、ブログ主さんの方が正しいですね。もっと正確には、「the highest point on a mountain path」かな? 単に「road」よりも「path」の方が感じが出ているような気がします。
そう言えば、「峠」を主題に扱った外国の作品・事物を知りませんね。中国だったら、赤壁の戦いに敗れてボロボロの状態で逃れてきた曹操が、国境の峠の道をようやく越えようとしたところで「げえっ関羽!」と驚くシーンとか。おそらく、海外では、峠で下手に休憩なんかしていると山賊に襲われるかもしれないので、峠で休憩しなかったのでは?
数学の1分野である三次元の幾何学では、山頂のような箇所を「頂点」といい、峠のような箇所は「鞍点」と言います。つまり、全体を馬の鞍の形になぞらえた表現ですね。地形に相当する単語は使いません。
ちなみに、平面上の三角形の内角の和は180度(ユークリッド幾何)ですが、(頂点を含む)球面上の三角形の内角の和は180度以上(リーマン幾何学)、(鞍点を含む)擬球面上の三角形の内角の和は180度以下(ロバチェフスキー・ボヤイ幾何学)になります。
そう言われてみれば、日本以外の国では「峠」を扱った文学作品とか美術作品とか見ないですね。英語なんて、相当する単語もなさそう。
数学の一分野である三次元幾何学の話になってしまうのですが、山頂(peak)のように周囲全てが自分の位置より低くなっている点のことを「頂点」と言いまして、その一方で、とある方向(例えば南北に続く峠道の方向)では最高高さにあるが、それと直角方向(山脈の峰が続いている方向)には最低高さとなるような位置のことを、数学では、鞍点(suddle-point)と言います。つまりは全体の形を地形ではなく、馬の鞍に例えているのですね。ということで、これも「峠」に相当する単語が英語には存在しない証拠の一つになるでしょうか。
岳は中国語で中国人に聞くと、「大きな山というイメージがある」とのことでした。
英語ならヒルとマウンテンがあれば十分なんでしょう。
たしかに「path」のほうが踏み固めれた道という感じで、山道にはふさわしいですね。