【昆虫食のいま】日本の小学生や次期首相はどう考えてる?

 

次の首相がきまる自民党総裁選挙まであと3日(29日投開票)にせまった。

それできのう4人の候補者が国民の疑問に答えるなかで、小学校1年生の男の子がこんな質問をした。

「ボクたちが大人になったら、本当に虫を食べなければいけないんですか?」

このまま人類が増え続けていけば、2030年には世界人口は90億人に達するとみられる。
そうなると食料危機がおとずれるのはもはや避けられない。
その有効な解決手段として、国際連合食糧農業機関(FAO)が2013年に提案したのが昆虫食だ。
大量のエサを必要とする家畜の飼育は森林破壊や環境汚染につながるし、その点、これまで食料としては無視されていた虫を食べることにすれば地球も人間もウィンウィン。
昆虫食はゲテモノではあるが、国連が推奨するエコフードでもある。

この子がどこまで知っていたかは置いといて、人類や自分の未来を憂う小学生から、日本の昆虫食についてきかれた4人の候補者はどう答えたか?

河野氏「そうならないように努力をしています。お肉好きかな。大豆からお肉が食べられるように、実験進めています」。

岸田氏「皆で努力すれば虫を食べなくて済む。水や自然を守っていかなければなりません」。

高市氏「今でも伝統的に虫が好きな方がいます。栄養もありますよ。工場の中で野菜や果物が育てる仕組み進めています」。

野田氏「おばちゃんは昔から虫を食べています。しょうゆと砂糖で煮るとおいしいです。肉や野菜を作る人が増えるよう願っています」。

大ざっぱにみて前者の2人は昆虫食に否定的で、後者は「アキラメロン」といった感じか。
この回答にネット民の反応は、

・エビやカニだって虫みたいなもんだろうに
・ナマコもケガニもアンコウも醜いけどおいしいじゃないの
・醤油と砂糖で煮れば大概の物は味打ち消して食えるだろうけどさぁ
・蛇は美味いぞ
うちは超ド田舎だったからガキの頃よく食ったわ
・イナゴが主食の長野県民disってんのか
・男児「虫を食べなければいけないのか食べなくて済むのか聞いている」

と完全拒絶ではなくて、消極的なイエスみたいなものが多かった。

 

静岡にある大学へ通っていたドイツ人に、夏になると小学生を対象に、セミを捕まえてフライにして食べるイベントが行なわれると話すと、「それはホントですか…」とおぞましい顔を浮かべて絶句してた。
こういうイベントは全国で開かれていて、学校の授業で昆虫食についてならう小学生もいるし、子どもにとってはもう身近なコトなのでは。
日経TRENDYの「2021年ヒット予測ランキング」でも、コオロギ食品が5位にランクインして話題になった。
SNSをよく使う若い人たちが昆虫入りの食べ物を購入するらしい。
次の日本の首相もいまの子どもたちが大人になったら、虫を食べないといけなくなることは否定できないでいる。
「虫を食べなくて済む」という世代はきっといまで終わりだ。
小学校の給食のメニューでコオロギパンやコオロギせんべいが登場し、首相がテレビカメラの前でそれをほおばる未来が見える。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。