韓国在住のライター・立花 志音さんが「JBpress」の記事で、韓国人の人間関係についてこう指摘。(2021.10.1)
韓国では、基本的に50:50の対等な関係というものはない。必ずどちらかが上でどちらかが下である。その判断基準は年齢であることが多い
外相時代、韓国に翻弄された岸田新総裁は韓国にどう向き合うか
対人関係で上下をつけて、それを前提に付き合うことはコインの裏表みたいなもので、良い面もあれば悪い面もあり。
自分にとっては頼れるお兄さん・お姉さんになることもあれば、マウントをとっていろいろ指示するようなエラそうな人間になることもある。
でも同年代なら対等の友人として、気軽にフツウに接することでは日本人と変わらない。
国として考えると韓国は日本に対して50:50の関係ではなく、「道徳的優位」の立場から自身を“上”、日本を“下”にみてかなり無茶な要求をすることがよくあって、これが日韓関係を悪化させる大きな要因になっている。
元駐日大使で日本通のシン・ガクス氏が中央日報のコラムに書いた内容を見れば、韓国の言う「道徳的優位」がどんなモノかわかるはず。(2019年09月06日)
韓日の過去の問題は原則を守るものの国益を考慮して解決すべき
日本に対して絶対にゆずれない原則としてシン氏はこう強調する。
「過去の問題の解決は被害者と加害者である韓国・日本の協力で実現しなければいけない。加害者の真の反省・謝罪が被害者の寛容と結びついてこそ持続性のある解決をもたらす。」
「過去の問題において我々の道徳的優位を堅持しなければいけない。(中略)日本に正しい歴史認識と歴史教育を要求することが重要だ。」
また”加害者”である日本に韓国は、「正しい歴史認識を抱かせることに重点を置かなければいかない」と指摘する。
向こうを加害者、こちらを被害者とすることで韓国の「道徳的優位」が決定されるから、それは絶対に動かしてはいけないとシン氏は言う。
この文章は19年のものだから、日韓両政府が慰安婦問題の解決を確認した合意から4年が過ぎている。
その間、日本は約束したことをすべて実行した一方、韓国は守っていない。
だから客観的にみれば日本が「優位」に立つはずなのに、自身をあくまで「被害者」と設定することで優位に立ってモノを言うことができる、と韓国側は考えている。
結局、日本を対等の相手とはみていないのだ。
だから日本に真の反省・謝罪をさせて正しい歴史認識を持たせることを、「しなければいけない」と決めつけ口調で言える。
でも日本は韓国に対して、道徳的に劣っているとは1ミリも思っていないから、この意識のギャップが関係をひどく悪化させている。
つい最近もハンギョレ新聞がコラムでこう書いた。(2021/7/24)
韓日の国交正常化後、両国関係は「植民地被害国」韓国の道徳的優位と、加害国であり、国力の優れた日本の後ろめたさという枠組みの中で作動した。
[記者手帳]韓日関係の構図が変わった
たしかに被害国としての、道徳的優位から韓国が要求し、日本が譲ってそれに応えてきたのがこれまでの両国関係だった。
でも過去問題について最終的な解決で合意したいま、そんな枠組みも優位性も日本にはまったく通用しなくなった。
このまえ行われた自民党総裁選でもそれは明らかだ。
河野太郎氏は韓国との歴史問題について、
「(1965年の日韓)基本条約に反するものであり、韓国内で解決しなければならない」
「韓国政府がきちんと対応できるようにするのが大原則」
と発言し日本ではなくて、韓国が対応すべきものとみている。
2015年に外務大臣として慰安婦合意を結んだ岸田文雄氏はもっとハッキリ厳しい。
「国際的合意、条約、ひいては国際法など、韓国がこうしたことを守るのか疑問視されている」
「これさえも守らないならば何を約束しても未来は開かれない」
こう言ったうえで「対話は必要だがボールは韓国にある」とつっぱねる。
関係改善のためにはまず韓国政府が、日本の納得できる解決策を提示しなければならない、という立場は他の候補者も野党も同じだろう。
韓国が強調する「被害国」も「道徳的優位」も、いまの日本にはまったく通用していない。
そう訴える韓国を相手にしていない。
にもかかわらず、韓国としてはこの原則はゆずれないし、堅持していたいと思うらしい。
中央日報が社説「日本の新首相を機に韓日関係の正常化を」で岸田氏に、
「関係改善に積極的に努力する必要がある」
「首脳会談を通した対話に出るべきだ」
と要求する。(2021.09.30)
文大統領ではなくて、日本を動かそうとするのは道徳的優位に立ったうえでの態度だ。
社説のこんな言葉からもその意図がわかる。
胸中のしこりとも言える歴史問題は日本側が被害者をまず理解して癒そうと努力しなければならない。「謝罪と反省」を言葉だけでしてはならない。「(謝罪を)した」という日本と「まだしていない」という韓国の反目もやめなければならない。心から沸き出る和解と真の治癒だけが両国の膠着状態を解くことができる。
上の言葉と下の言葉を比べてみよう。
「韓国内で解決しなければならない。」
「国際的合意、条約、ひいては国際法など、これさえも守らないならば何を約束しても未来は開かれない。」
韓国が合意や法を守らないなら未来はない、と言い切る岸田氏が首相になるのだから、日本に被害国や道徳的優位なんてアマエは一切通用しないことは明らかだ。
かといって日本は上から目線ではなくて、「こちらと同じように約束を守ってください」と韓国を50:50の対等な関係とみているはず。
韓国が被害国でいることを「絶対にゆずれない原則」なんて考えているうちは、何を話しても平行線、無意味に終わるしかない。
「絶対にゆずれない原則」は日本にもあるのだから。
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