今、日韓関係はとても悪い。
今年(2017年)6月に、読売新聞社と韓国日報社の共同世論調査がおこなわれた。
その結果、日本人と韓国人が今考えていることが見えてきた。
「s-korea」の記事から。
現在の日韓関係を「悪い」と考えているのは、日本77%、韓国81%と両国ほぼ同じなので双方ともに現状認識は一致していると言える
「日韓関係が悪化している」と考えている人が日韓両国でとても多い。
80%というとても高い数字で一致しているのだから、これは相当ヤバい。
おもしろいのは、「今後の日韓関係」に対する見方だ。
日本では、「変わらない」が70%でもっとも多くて、「良くなる」は5%だけ。
韓国では、「良くなる」が56%でもっとも多く、「変わらない」は32%。
日本人は「日韓関係はきっとこれからもこんな感じ」と考えていて、韓国人は「今度良くなる」と楽観的。
でもその理由を知ると、気が重くなる。
(文在寅)新政権が国民情緒と疎通して、対日関係を再設定することを期待しているから
日本は韓国の国民情緒を押し出す文大統領の態度にウンザリしているのに。
日韓関係はやっぱり当分変わらない。
前に、1997年に韓国で起きた通貨危機のことを書いた。
この記事を書いている時、「日韓関係が悪化した原因には、韓国の日本への見方がきっとある」と強く感じた。
今回は、その原因について書いていこうと思う。
20年前の1997年、韓国は国家的な危機をむかえていた。
それがいわゆる通貨危機。
同年末に韓国は、デフォルト寸前の状況にまで追い込まれた。これにより IMFが韓国の経済に介入し、現代グループなどに対して財閥解体が行われた。先に述べた、日米欧の民間銀行に対する債務返済繰り延べ(リスケジューリング)の成否が、まさにきるかどうかの鍵を握っていた。
「財閥解体」がおこなわれるなんて、国家としての主権をうばわれたような屈辱だ。
このとき韓国は、「国家破産を回避できるかどうか?」という瀬戸際まで追い込まれていた。
韓国での「IMFショック」の衝撃の大きさは、「この百年間の歴史に起きた三度目の亡国体験(反日を捨てる韓国 呉善花)」と言われるほど。
ちなみに、1度目の亡国は1910年の「日韓併合」、2度目は1950年の朝鮮戦争。
そして3度目がこのIMFの管理下に置かれたこと。
さすがの韓国も、このときばかりは反日を叫ぶ元気がなったらしい。
いまでは反日の声がほとんど姿を消している。
毎年、日本支配下の植民地からの独立運動が起きた日を記念する三月一日の独立記念日には、反日の声がとくに高らかに唱えられたものだ。が、九八年の三月一日は、それは静かなものだった。(「反日」を捨てる韓国 呉善花)
韓国から反日の声が消えるとは!
これはまさに異常事態。
でも、早くこれが正常な日韓関係になってほしい日を願ってやまない。
でも、韓国がこのとき国家危機をむかえた原因は「日本にある」という。
中央日報の記事(2017年01月12日)にこう書いてある。
日本は一度も韓国が絶対に必要な時、望む時に助けてくれたことがない。むしろ最初にお金を抜き出し不意打ちを食らわせた」と話した。S氏は何人もいない国際金融専門家だ。
日本はちょうど20年前にもそうした。通貨危機が押し寄せた1997年、真っ先に韓国からドルを抜き出した。
この「日本が韓国からドルを抜き出した」というのは、もちろん韓国からの見方だ。
韓国では「日本は真っ先に韓国からドルを抜き出して、韓国経済を苦しめた」という考え方が根強くある。
では、日本はそれをどう見ているのか?
産経新聞の記事にはこうある。
これについて当時を知る日本の財務、外務両省や銀行関係者は「われわれは官民で対韓融資の維持に走り回り、ウォンの買い支えもした」と憤る。
日本は日本で、韓国のために汗を流していた。
でも、韓国はそのことを見ようとはしない。
だから、日本側としては腹が立つ。
「認識の差は歴史認識の違いにも等しい。この溝が埋まることは恐らく、ないだろう」と記事は書いている。
「相手との溝が埋まることはない」ということは、「相手の考え方は互いに分かっている」ということなんだろう。
さらに問題は韓国のこの認識だ。
「日本は一度も韓国が絶対に必要な時、望む時に助けてくれたことがない」
本当にそうか?
1997年の通貨危機のとき、韓国は国家破産だけはまぬがれることができた。
でも、その陰には日本の働きがあった。
日本国政府は、邦銀に対して返済繰り延べの説得に奔走し、混乱する金融市場の中で邦銀の合意を取り付け、1998年1月29日には、日米欧民間銀行団の短期債務繰り延べ交渉を妥結に導いた。これは市場に大きな安堵感を与え、1月29日に1ドル=1,678ウォンであった為替レートは、翌1月30日には1,524ウォンまで値を戻した。
日本国政府が「説得に奔走」していたことを、韓国は知っているのだろうか?
ふつうの国民はともかくとして、経済の専門家なら知っているはず。
韓国に何人もいない国際金融専門家が、このことを知らないはずがない。
知っているけど言わない。
日本が韓国のためにしたことは隠してしまう。
韓国はむかしから、そんなところがある
韓国は日本から受けた支援は隠してしまう。
そのことについて、韓国事情にくわしいジャーナリストの黒田勝弘氏はこう解説している。
韓国の場合、政府、マスコミ、政治家、学者・知識人(韓国の場合、これがすこぶる政治的なので困る・・・)など、相手が「日本」となると民族感情が先立ち情緒的になる。
「認めたくない」「しゃくにさわる」「イヤだ」という対日民族感情(それを反日感情というが)のゆえに日本の影響を無視、否定する「日本隠し」に走ることになる。
(‘日本離れ’できない韓国 黒田勝弘)
韓国はこういうところがある。
80年前に日本がしたことに目を向けて、反省と謝罪を強く求める。
でも、20年前に日本がしたことは見ようとしない。
対日民族感情(反日感情)があるために、韓国は日本から受けた恩には目を背け、「日本隠し」をしてしまう。
そういうことをしていたから、反日感情はとどまること知らず高まってしまい、今の日韓関係がある。
日本が韓国のためにしてきたことを政府が国民にしっかり伝えていたら、反日感情にブレーキがかかって、日韓関係はこれほど悪化しなかっただろう。
今では慰安婦像に加えて、徴用工の像まで建てようとする計画まである。
韓国政府がこの動き(反日)に困っている。
韓国の政府もマスコミも、過去に日本がしてきた支援を国民に伝えようとしないで、日本を非難することに終始する。
日韓関係が悪化した大きな原因に、このことがあるはず。
韓国の言い方を借りるなら、韓国もまた、過去を直視する勇気をもつべきですよ。
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