たぬきの置物がラッキーな8つの理由・外国人の反応

 

日本に興味があるドイツ人がユーチューブ動画を見ていて、気になったことがあるから教えてほしいという。
ボクに分かるものならすぐ答えるし、そうでなかったら死んだフリをするまでのこと。
とりあえず言ってみ?と尋ねたら、彼の疑問はコレだった。

 

たぬきのチクビってこんなんだっけ?

 

滋賀県の信楽町で作られる「信楽たぬき」は縁起物として有名で、日本各地の飲食店、特に飲み屋の店先に置かれている。
日本にいる外国人が居酒屋を紹介するユーチューブ動画で、「なんか変な生き物がいるよ。haha」と一瞬映ったたぬきの置物を見て、ドイツ人は気になってその正体を確認したくなった。
まずドイツで生まれ育った彼はたぬきを見たことなかったから、まずあの動物が気になったという。

たぬきはもともと日本・中国・朝鮮半島などの極東にしかいなかった。
20世紀になってから毛皮を目的にロシア(旧ソビエト)にもたらされてから、徐々に北ヨーロッパや西ヨーロッパへも生息地が広がっていったから、世界的にみるとたぬきはわりとレアな動物なのだ。
たぬきは英語版ウィキペディアで「日本のアライグマ(Japanese raccoon dog)」と紹介されていて、外国人は一般的に、アニメや映画など日本のメディアを通じて初めてたぬきを目にするという。
たぬきを知らない外国人がこれを見るとアライグマを連想し、字幕でもそう翻訳されることが多い。

 

信楽たぬきは「八相縁起(はっそうえんぎ)」といわれる8つの理由から、ラッキー・アイテムとされている。
信楽焼の焼き物を売っている「たぬき村」のホームページによると、各種パーツにはこんな意味があった。

少しななめに傾けた顔は、いつも笑顔で商売繫盛。
ふくらんだ腹は、冷静さと大きな決断力を表す。
右手の徳利は、人徳を身につけて飲食に困らない。
尾は、物事をしっかりと終わらせる。
金袋(キン〇マ袋)は、金運に恵まれる。
左手の通い帳(帳簿)は、客との信頼関係を築く。
目は、周囲を見渡して気を配り、正しい判断をする。
頭の後ろの笠は、思いがけない災難から身を守る。

 

タイ人、トルコ人、ロシア人(全員女性)と岐阜の馬籠宿に行ったときも、「かわいい!」とコレに目を奪われた。

 

 

日本にいる中国人がこのたぬきをよく見かけることから、「居酒屋の神様か何かなのか」と興味を持ち、中国のポータルサイト・新浪に「日本の居酒屋でよく見られるタヌキには、いったいどういう意味があるのか」という記事を掲載。

サーチナの記事(2021-09-11)

日本の居酒屋の店頭でよく見かける「タヌキ」、あれは何なのか=中国メディア

 

記事によると、このユーモラスなたぬきの置物には海外にも多くのファンがいる。
たぬきが身に着けている笠や徳利などの道具には厄除けや縁起かつぎの意味があり、「大きな玉袋は金運をそれぞれ表している」と、信楽タヌキの最重要ポイントもしっかり説明している。
同じ商売繫盛のアイテムでも、招き猫とは下品さ・ストレートさでたぬきは明確な違いを示す。
招き猫にあんなリアルなチクビがあったらきっと引く。
日本語で「たぬき」は「他抜き」になり、ライバル店に打ち勝つという意味に通じるから、たぬきの置物は居酒屋だけでなくていろんな商売人から愛されているという。

この記事に日本のネット民の声は?

・単に昔タヌキが丁稚に化けて酒を買いに来たからでは?
・あの大きな二つのゴールデンボールは金運を表してたのか。知らなかった
・玉袋撫でると幸せになる
・中国の居酒屋の前には何がおいてあるん?
・タヌキよりも居酒屋のトイレのポスターのピースボートの解明はよ!!
・あんなものを公衆の面前で晒しているなんて
ひどいヘンタイ国家だわ

 

画像:663highland

 

信楽焼のたぬきが初めて作られたのは明治時代というから、歴史でいえば江戸時代に起源をもつ招き猫には及ばない。
といっても大きな腹とキ〇タマ袋を持つ、あのたぬきのイメージができたのは江戸時代だ。

起源論争はいいとして、滋賀にあったこのたぬきの置き物が全国デビューしたのは1951(昭和26)のとき。
昭和天皇が信楽町に行幸(訪問)した際、日の丸の小旗を持った信楽たぬきの置物がズラリと沿道に整列していた。
そんなたぬきの歓迎を受け、印象に残った昭和天皇はこんな和歌を詠む。

「をさなき日 あつめしからに なつかしも 信楽焼の 狸をみれば」

(信楽焼のタヌキを見て、幼いときに集めた焼き物のタヌキをなつかしく思い出した)

この天皇の歌が新聞で報道されたことで、信楽たぬきは一気に全国へ知られるようになった。
そしてはいまでは海外でも注目され、外国人のファンを増やしているのは先ほど書いたとおり。

そしてきょう11月8日は「信楽たぬきの日」だ。
全国の店先で雨の日も風の日も、いつも立ちっ放しで客を集めるたぬきに感謝することを目的に、信楽町の観光協会が定めた。

いろいろな苦労はあると思うけど、外国人も注目する日本文化のひとつになったのだから、この置き物にはこれからもガンバッテほしい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。