【セーラー仏陀】タイ人が驚く日本仏教、世俗化は明治5年から

 

国民の9割以上が仏教徒というタイで、イタイ出来事がぼっ発。
仏教の影響の強いタイでもハロウィンのときには、仮装した自身の画像をSNSにアップする人はよくいる。
すると当然、大量の「いいね!」をゲットするために、かなり攻めたコスプレをするヤカラも出てくる。
ことしのハロウィンでは、インフルエンサーのタイ人女性が上半身は仏陀(ブッダ)、下半身はセーラームーンのアイテムを身につけた「セーラー仏陀」をSNSにアップして、真面目な仏教徒を激怒させた。

 

 

「仏陀+美少女戦士」の組み合わせは、タイ社会の寛容と許容の範囲を超えていたため、仏教界を中心に宗教に対する冒とく行為だと大反発。
タイには僧侶の格好を禁止する法律があるから、これをその違法行為とみなし、警察に法的手続きを進めるよう求める動きも出ている。

宗教への関心を高めたいと思ってこんなコスプレをしただけで、仏教をバカにする意図はないと本人はいうが、これはかなりのダメージを受けそう。

このニュースに日本のネット民の感想は?

・不自由展か。
・次は鬼滅の仏陀とか出てきそうだな
・面白いじゃんwこれぐらい許せるだけの寛容な心が必要だな。
・日本のソシャゲはもっとすごいんだが…
・日本だと寺の住職自ら萌え絵を描きまくってるもんな
・サザエさんにしか見えない
・ゴーダマシッタルーダ「お…俺!?」

ちなみに2年前には、タイの女子大学生がウルトラマンと仏陀を組み合わせた絵を描いて十字砲火をくらい、高僧に謝罪する出来事があった。

タイ人と仏教:「ウルトラマン仏陀」は表現の自由か?

 

地下鉄の優先席に、お坊さんの絵があるのがタイらしい。

 

多くの国民が「無宗教デス」と答える日本なら、この程度のコスプレで、刑事罰に問われるような騒ぎにはならない。
日本屈指の歴史と由緒を誇り、世界遺産にも指定されている京都の仁和寺が、こんな美少女キャラクターを大々的にPRしているのだから。
お堂を擬人化させた「御室ムスメ」を知人のタイ人に見せたら、意味不明・理解不能・諸行無常といった顔になって絶句した。

 

 

日本の仏教ではお坊さんは結婚できるし、肉だって自由に食べられるんだよー。
なんならクリスマスにはサンタクロースのコスプレをして、幼稚園児にお菓子をプレゼントするお坊さんもいるよー。
といった話をタイ人にすると、「それで本当に仏教僧なの?」と驚くかあきれる。

でも日本の仏教は、昔からこんな世俗的だったワケじゃない。
浄土真宗では親鸞の教えから肉食や妻帯が認められていたけど、他の宗派では、いまのタイ仏教のようにそれは禁止されていた。
でも明治5年、日本政府が「僧侶肉食妻帯畜髪等可為勝手事」という布告を出し、仏教僧が肉食しても結婚(妻帯)しても、髪をのばしてもOK(勝手たるべし)とした。
くわしいことは「僧侶が妻帯するようになった経緯について知りたい。」で確認。

これが決定打になって日本仏教は世俗化していき、いまでは「御室ムスメ88名の声優が全て決定いたしました。」というタイ仏教ではあり得ない状態になったのだ。

もちろんこれは悪いことはなくて、とても日本的でいいと思う。

 

 

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1 個のコメント

  • 私はタイ人ではないから、彼らの仏教感については彼ら自身が選択すればいいことだと考えます。ただし、自分が所属する国民の伝統的価値観に真っ向反する、あるいは侮辱したと受け止められかねない、そんな見解を自己の価値観のみに従い堂々と表明するのは、軽率な行為だと思いますね。

    日本の仏教についても同じで、世俗化したからといって別に全面的に悪いことではなく、むしろ良い点さえも色々とあると思います。仏教に携わる当人たちが選択すればいいことです。
    ただし、その傾向が続いていけば、日本の仏教は世界の仏教界から今以上にますます孤立するという結果につながるでしょう。なぜなら世界の仏教の伝統的価値観には反しているからです。いずれ、世界から仏教とはみなされなくなる日が来るかもしれない。
    これも一種の「ガラパゴス化」なのでしょうね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。