先週の11月26日、ドイツ・ブンデスリーガの試合で、シュツットガルトの伊藤選手がマインツ相手に素晴らしいシュートをきめた!
【ゴール速報】#伊藤洋輝
ブンデスリーガ初ゴール!!✨#シュトゥットガルト×#マインツ
LIVE配信中👉 https://t.co/cANFrsv4cj@VfB#ブンデスリーガ#美しいサッカーは嫌いですか pic.twitter.com/civ2J8oN4I— ブンデスリーガ スポーツライブ+ powered by スカパー!🇩🇪12/4はデア・クラシカー (@skyperfectv) November 27, 2021
でもこのシュートより驚いたことは、いまドイツのコロナ感染状況は最悪レベルなのに、観客がマスクをつけずに大声て叫んでいること。
前日26日の1日の新規感染者は過去最多の約7万6千人で死者は303人、この日27日も約4万5千人(死者104人)を出して、ドイツは非常事態におちいっている。っつーのに、スタジアムのサポーターにはその危機感がなくて、密&ノーマスクで熱狂している。
これと対照的なのがジャパン。
ことし8月の最悪時と比べると、感染者は約100分の1に激減していま世界中の注目を集めている。
11月に入ってからは「ウィズコロナ」でいろんな規制をゆるめたのに、1日の新規感染者50人、死者0という日もあって着実にコロナ前の日常生活に近づいている。
さて、日本人のなかでは「ドイツ ルール」というと地名のルールと、ルールを守るというドイツ人の性格の2つのイメージがある。
下にチラリと見える記事では在独日本人が「ドイツ人の特徴」として、運転時は道が空いていても、前の車を追い抜いたら走行車線に戻るというドイツ人のルール厳守っぷりを紹介している。
ただ、「ドイツ人は日本人と比べるとゆるいところもあります」ということなので、全体的には日本のほうが厳しいようだ。
ちなみに時間厳守の感覚はけっこうユルクて、語学学校の先生は平気で5分ぐらい遅れてくるし、ドイツの列車は6分までの遅れなら定時運行に含まれるという。
このまえ日本で留学していたドイツ人と話をしたとき、彼も日本人の方が、良い意味でも悪い意味でもルールやきまりをしっかり守るという。
融通が利かないというデメリットもあるけど、コロナ禍のいまは日本人の徹底したルール厳守を素晴らしく思うし、そのあとにドイツの現状を見ると辛くなるらしい。
日本のニュースをこまめにチェックしている彼からすると、一時期ドイツで減った感染者が近ごろ爆増している原因は「国民の油断」にある。
ワクチン接種率が上がって新規感染者が減って状況が改善すると、途端にマスクを外して街で買い物をしたり電車に乗る人が増えた。
「コロナ?あったねそんなの」みたいに気にかけない人が急増するのを見て、マスク着用を欠かさない慎重派の彼は「これは絶対アブナイ」と死亡フラグを感じた。
一方、日本人のようすを見ると、コロナウイルスがつけ入る油断やスキがない。
ワクチン効果が出て状況が改善しても、外出時にはみんなマスクをしたりソーシャルディスタンスをとっていて、画像や動画を見た限りでは最悪時の8月ごろと変わらない。
知人の日本人から聞いた「良くなっている今こそ、最も気を付けないといけない」という言葉は、ドイツの首相が全国民に向かって言うべきだった。
日本でコロナ患者が激減した理由にはイロイロあるけど、ワクチン効果と行動自粛、それと国民がマスク着用と手指消毒の予防を徹底し続けたことは間違いない。
もともとドイツ人にはマスクをして外に出る習慣はなかった。とはいえ、マスク着用の必要性は政府やメディアが訴えていたのに、国民が油断してルールを守ることができなかったのが、いまの感染爆発につながった。ここ数か月の日独を比較して、彼はこの見方に絶対の自信をもっている。
ただドイツ国内では、これは偏見ではなく事実として、外国人の方がルールを守らないことが多くてドイツ人のヒンシュクを買っていたし、コロナ禍でこの分断はさらに広がったように見えるという。
自分が日本で生活していたときは、日本人はルールの目的や意味を考えずに、ただ盲目的に従っているように見えてイヤな気持ちになったこともある。
でも、国民が自分の頭で考えて判断し、ノーマスクで自由に行動した結果、コロナ感染が爆発して逆に多くの人の自由が奪われる結果をみると、この状況での日本人のルール厳守は彼からみると最高のコロナ対策だ。
たしかに日本人ならあのサッカー観戦はあり得ない。
いまのJリーグを見るとみんなマスクを着けて観戦してるし、応援するチームが得点しても大声で叫ばず、冷静によろこんでいる。
こちらの記事もいかがですか?
日本人も’挙手’に注意!ナチス式敬礼で中国人観光客がドイツで逮捕。
海外旅行の注意、マナーとタブーの違いとは:「一線」を越えないように
> 自分が日本で生活していたときは、日本人はルールの目的や意味を考えずに、ただ盲目的に従っているように見えてイヤな気持ちになったこともある。
これは日本人の私も全く同感です。日本人がルールを守るのは、目的や意味を考えずただただ「為政者の命令に従う傾向が強い」からだと思いますね。これを、いい意味で「ガバナビリティのよさ(=統治のしやすさ)」と言います。悪い意味だと「盲従傾向が強い、自主性・独立性のない国民」ですかね。
> でも、国民が自分の頭で考えて判断し、ノーマスクで自由に行動した結果、コロナ感染が爆発して逆に多くの人の自由が奪われる結果をみると、
日本人のルール厳守を最高のコロナ対策と見るか。それでも個人的に納得できないルールに従うくらいなら多少の感染が拡がってもよいと判断するか、それは民族的嗜好あるいは個人の考え方によるでしょうね。
このような日本人の特徴こそが、かつて大きな過ちの方向へ日本全体を導く原因の一つになったと思います。
その意味では、今回の日本の「対コロナ戦争の勝利」はちょっと怖い気もします。
日本人は今でも変わってないのですね。