【徴用工問題】日韓関係を破壊して、“撤退作業”に入る文政権

 

韓国の裁判所はとても仕事熱心で、12月30日もしっかり業務をこなしてくれた。
韓国最高裁が2018年に元徴用工訴訟で日本製鉄に賠償を命じたことで、日本は合意と国際法に違反していると大反発し、両国関係は戦後最悪レベルにまで落ち込んだ。

そもそもこの問題は1965年に結んだ日韓請求権協定によって、

「『完全かつ最終的に解決』されており,いかなる主張もすることはできない(第2条)ことを定めており,これまでの日韓関係の基礎となってきました。」

と外務省ホームページにあるように終わったはずだ。日本は約束どおり、韓国側に巨額の経済支援金を渡して。

それを韓国側がいまになってひっくり返すから、両国関係は基盤と未来を失った。

 

この判決によって生じた国際法違反の状態を早く是正してほしい!と日本はここ数年、韓国政府に繰り返し繰り返し求めている。
ことし10月に岸田首相が文大統領と初めて電話会談を行ったときも、韓国の国際法違反を指摘して「適切な対応」を求めた。
そのあとの記者会見で言った「国際的な約束、条約はしっかり守られなければならない」という岸田首相の言葉は日本の総意でもある。

これに対し、文政権は一貫して無視。
問題の解決案を出さないで話し合いを要求するから、日本は韓国政府を相手にしていない。
だからここ数年、外務省レベルで話し合っても、いつもお互い分かり合えないことを確認して終わり。

そんなにらみ合いで今年も終わるかと思ったら、きのう韓国の裁判所が日本製鉄の資産を売却する命令を出す。
両国に緊張が走るような年末プレゼントはいらなかった。
韓国政府は「早期に韓日が協議を進めることを期待する」と言うだけで、その前提となる解決案の提示は相変わらずなし。
そしていつものように、韓国の期待に日本は「遺憾砲」で応じた。だけでなく今回は、日本のメディアを見ると「日本政府報復」というコトバがあるから、そろそろ堪忍袋の緒が切れてきたようだ。

でもいまの文政権は、読売新聞の報道によると「やってる感」を出してるだけ。(2021/12/31)

文在寅政権のやり方、韓国政府関係者は「何もしなかったとの批判避けるための弁明工作」

今回の売却命令で日韓関係のさらなる悪化は確実で、来年5月に任期の切れる文大統領が、それまでに解決案を示す可能性は絶望的だ。
それにしても戦後最悪レベルからまだ下がることができるなんて、それまでの日韓関係のヒットポイントの高さには感心するわ。

文大統領はいま「撤退作業」に入っていて、両国の関係改善は次の政権に丸投げする予感しかない。
文政権は「司法判断の尊重」や「被害者中心主義」を主張すると同時に、日本には「韓日協議を期待する」と言う。
これが両立するわけがなく、原告の話を聞けば聞くほど、日本との話し合いには遠ざかってしまう。
文政権のやってることは矛盾だらけ。
これは結局、一生懸命に問題を解決する”フリ”をしているだけで、上の記事を読む限り、実際には自分たちの名誉を守るのに必死だ。

歴史問題に詳しい韓国政府関係者は、文政権のやり方は「政権が代わった後に『文政権は何もしなかった』という批判を避けるための弁明工作だ」と指摘する。

 

任期中、日韓関係をこれ以上なく破壊した文大統領は、任期後にそれを指摘されたくない。
かといってそれを修復する気はないから、いまは自分の名声に傷がつかないよう工作している最中だろう。

ただ、来年3月に決まる新大統領によっては、日韓関係が前進するかもしれない。
文政権と同じ与党「共に民主党」のイ・ジェミョン氏は元徴用工訴訟問題について、「行政は司法に関与できない」と責任を放棄し、日本には「被害者への真摯(しんし)な謝罪」を要求する。
これでは文政権と同じ失敗を、同じようにくり返すだけだからダメ。

一方、野党「国民の力」のユン・ソクヨル氏は日本との関係修復に意欲的だ。
文政権の反日強硬の立場には否定的で、「私が大統領になれば、就任後すぐに韓日関係の改善に乗り出す」という。
でも負の遺産がデカすぎるから、それを背負って関係を立て直せるかどうか。

というとで、韓日関係はことしも最後の最後で、

「完全かつ最終的に解決」
「いかなる主張もすることはできない」

という合意のむなしさを実感して終わってしまった。
韓国の裁判所も12月30日ぐらいは休めばよかったのに。

 

 

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5 件のコメント

  • 初めてコメントします。
    管理人さま、今年も更新お疲れ様でした。いつも興味深い記事をありがとうございます。

    過激な発言失礼いたしました。しかし誰にも言えずに悩んでいた本心です。

  • 大統領弾劾という憲政史において初めての事態で政権を獲得した文政権がしてはならない国際的問題を生み、国の品格を失わせました。よくできるかどうか分からないけど、今年から韓国は国際社会の責任ある一員としての名誉を回復することを望みます。
    日本との関係復元の土台も作ったらと思います。

  • こんにちは。
    コメントありがとうございます。
    ですが今の時代、強い言葉を使うとグーグルからペナルティーをくらってしまうので、内容をここに載せることはできませんでした。
    すみません。
    もう少しマイルドな表現だと助かります。

  • まずはことし3月の大統領選挙が気になりますね。
    日本としてはユン氏がいいのですが、世論調査の結果ではイ氏が優勢です。
    この結果で日韓関係は大きく左右されます。

  • 韓国の大統領選挙ですが、年末から正月休みの間に急激に状況が変化しました。ユン氏を代表候補に押していた保守派が分裂して、あろうことか、選挙対策委員会幹部が全員辞意を表明。どうやら、保守派は今この段階になってユン氏を別の候補にすげ替えようとさえしています。これでもう、ユン氏の目はないでしょう。
    かと言って、イ氏の支持率がそう高いわけでもない。
    大統領選まであと3ヶ月弱ですが、その間にもう一波乱くらいありそうで、全然先が読めません。

    ネットで個人が情報発信しやすく、たとえフェイクであってもあっという間に世の中に拡散する時代、感情に溺れやすい気質の国民が政治の代表者を直接選挙で選ぶのは、無謀でしょうね。決定のスピード感はあっても、ブレが大きすぎて社会の安定性が失われる。でもまあ、自国のあり方は自国民が選択すればいいことですけど。

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