「日本が植えた桜を複雑な視線で見る人もいるが、韓国起源だと理解してほしい」
そう韓国文化財庁が主張するも、韓国の山林庁国立樹木園が遺伝子を解析して、韓国の王桜と日本のソメイヨシノは全く別の種であると発表した。
桜の韓国起源説を身内に否定されると、今度は「日本の桜を抜いて、済州の王桜を植えよう」のキャンペーンが始まった。
そんな忙しい隣国さんの春を前回紹介しました。
1945年まで日本の統治を受けていた韓国には、その期間に流入した様々な文物があって、それはいまでは「日帝残滓」と呼ばれ、まぁハッキリ言って嫌われている。
残滓とは「残りカス」という意味だから、それがあれば、すみやかに社会から取り除かないといけない。
といっても「哲学、主観、客観、理性」といった日常的に使う言葉や、修学旅行や幼稚園など韓国社会にすっかり定着した日帝残滓もあるから、これを完全に除去するのは不可能だ。
韓国ではこれをどう扱うかは、時の政権の意向が強くはたらく。
たとえば「反日」色の強い文政権下では去年、首都でこんなことがあった。
朝鮮日報(2021/04/10)
「校内の日帝残滓を調査せよ」…ソウル市教育庁の指示で騒動に
ソウル市教育庁がすべての小中高校に「校内の日帝残滓を調査し、その結果を提出せよ」と指示を出したから現場は大騒ぎになる。
なんせそれには、「親日派の人物が作詞・作曲した校歌、号令台、児童・生徒の生活規定の中の文具、方角や番号表示が入った学校名まで含まれる」から。
「東西南北」という方角や「第一」などの番号、「班長・副班長」「気を付け・礼」などの用語も日帝残滓らしい。
「親日反民族行為清算支援に関する条例」を可決するだけのソウル市議会は楽でいいけど、それによって具体的に動かないといけなくなる現場は大変だ。
京畿道の議会は、小中高校にある日本の「戦犯企業」の製品に「日本戦犯企業が生産した製品です」というシールを貼るよう義務付ける条例を推進した。
こういう政治家の反日政策には教育界がついて行けず、「全体主義と何ら変わらない、行き過ぎた措置」という批判が上がったとか。
さて、日本の統治を受けたところといえば他に台湾がある。
同じ歴史を持つことから台湾・韓国はよく比較されて、そうすると日本に対する現在の見方がまるで違うことに、日本人も韓国人も台湾人も驚くことが多い。
台湾社会でも「日帝残滓」を除去する動きがあるか、3人の台湾人に聞いてみたら、まず彼らはその言葉の意味が分からなかった。
漢字の民だからこそ、「日帝残滓」という文字を見てもその意味が想像できない。
それで上のような韓国社会の動きを話すると、
「台湾ではありえません!日本時代には悪いこともありましたが、台湾は発展しましたから。特に教科書に載っている八田与一にはみんな感謝していますよ」
とビックリする。
巨大ダムを建設した台湾の超有名人、八田与一を知らなかったら日本人として知っておくべき。
実際、台湾の人や社会について知っていくと、日本についての見方が韓国とはまるで違うことが分かって、ときに戸惑うほど。
たとえばこれだ。
台湾の観光情報や日本時代の建物や人物を紹介している Hsu Hsu さんの情報によると、
「この敷地は日本時代に元:大日本帝国海軍航空隊の飛行場が有りましたので、記念するために、零戦の絵が描かれたんです。」
とのこと。
旧日本海軍の飛行場だったことを記念するために、こんな絵を描くというのは韓国ではあり得ないし、日本人でも驚くのでは。
*台湾南投県草屯鎮復興里集会所にこの絵がある。
さらに台湾には旧日本海軍の駆逐艦(第三十八号哨戒艇)を「ご神体」として祀る廟があるのだ。
建物はすべて神命に従って建設されたとされ、屋根の青は日本海軍を意味し、菊・桜・富士山・えびす・金閣など、日本を思い起こさせる意匠が随所に見られる
大和ミュージアムとコラボしてほしい。
だから台湾人からすると、同じ過去があっても、あるからこそ「日帝残滓」の意味が分からない。
議会の決定に基づいてすべての小中高校に「校内の日帝残滓を調査し、その結果を提出せよ」 とか、「日本戦犯企業が生産した製品です」というシールを貼れという指示が出る韓国には「それほんとですか‥」と絶句してしまう。
実際に台湾人に話して、その反応を確認してほしい。
驚くことはあっても、共感する人はまずいない。
*繰り返すけど、これは「反日」色の強い文政権になってから起きたことで、今までの政権では問題にされなかった。「行き過ぎた措置」という反発が多いのも事実。
コレは別の機会で書くつもりだけど、逆も同じで、韓国人に鳳山紅毛港保安堂のことを教えたら、彼の口から言葉がなくなった。
台湾人がアニメを見て感じた「日本と台湾の学校との違い」とは?
> *繰り返すけど、これは「反日」色の強い文政権になってから起きたことで、今までの政権では問題にされなかった。「行き過ぎた措置」という反発が多いのも事実。
繰り返しになりますけど、そのような反対意見(←感情的な「反発」とは違います)があったのも事実ですが、結局はソウル市当局の指示通りに「反日シール」を貼ったのですよね?
つまり彼らの大多数は何も反対行動を起こさず、そのような行動をなすがままに見ていたと。つまりは消極的賛成です。
>指示通りに「反日シール」を貼った
これは事実でしょうか?
これには冷めた目で見る市民が多かったように思います。