「ピコーン」とスマホが鳴って「何だろ?」と思って見たら、英語を教えているイギリス人からこんなメールがきた。
「My student talked about it. And just now I saw it on NHK news. Is it big news?!」
授業で生徒が話題にしていて、このイギリス人が見たNHKニュースというのがこれ。(2022年2月8日)
ギョーザ購入額 宮崎市が初の日本一 浜松市と宇都宮市上回る
去年の1世帯当たりのギョーザの購入額は、
1位:宮崎市(4184円)
2位:浜松市(3728円)
3位:宇都宮市(3129円)
ということで宮崎市が初めて日本一になりましたオメデトウ。
これまで長い間、わが浜松と宇都宮で「ギョーザ2強」と呼ばれていたのに、宮崎がそれを制して初めて日本一に輝いたと。
これが「Is it big news?!」と聞かれると、「日本一」の称号があると餃子の売上が伸びるというから関係者には衝撃的なんだろうけど、いち市民としては特になにも。
初めて1位、2位以外の順位になった宇都宮市にとっては大ニュースでは?
ネットを見ても宇都宮を気遣うコメント多し。
・餃子しかない宇都宮に譲ってやれよ
・宇都宮が空気に
・宇都宮千葉にも抜かれそう
・宇都宮餃子終了のお知らせ
・宇都宮市民は餃子屋で食べたり買ったりしてるからこの集計には入らないんだよね
でも、世帯当たりの購入額が年4000円で日本一ということは、月330円だからあんまり大した購入額でもないような。
ロシア軍がウクライナに侵攻するとか、タリバンが制圧したアフガニスタンでは経済が破綻状態になって、農民が自分の臓器を売っているとかいう話を聞くと、こんなことが全国ニュースになる国に住んでてほんとヨカッタと思う。
今年度の餃子の聖地が宮崎市としても、この食べ物の発祥の地が中国である事実はこれからも変わらない。
紀元前6世紀ごろの遺跡から餃子が食べられていた痕跡が見つかったとか、唐の時代のお墓から、副葬品としてツボに入った餃子が発見されたとか、中国が餃子の母国であることは揺るがない。
日本で餃子は戦前からあったけど、全国的に広く食べられるようになったのは戦後になってから。
戦争や移住で中国東北部(満州)にいた日本人が餃子を知って、それを母国に持ち帰って伝えたことが現在の餃子につながっている。
だから日本餃子のふるさとは中国東北部だ。
でも、日本人は本場の餃子を「別もの」というレベルにまで変えてしまった。
日本の餃子は焼き餃子がお約束で、ご飯とセットで食べるのも当たり前。
でも中国人がそれを知ると「マジかっ」と驚くか、「餃子とお米はない…」と引く。
というのは本場中国で餃子といえば水餃子で、かなり皮が厚くて「小麦粉感」がすごいから、あれにご飯は合わないから。
個人的な感覚だとあれとご飯のセットは、中華まんとご飯を一緒に食べるような感じ、主食と主食を同時に食べる感じだからあの組み合わせは確かに合わない。
近年は日本の中国料理が中国に逆輸入されて、日本式のラーメンや餃子を出す店も増えてきた。が、餃子は受け入れられなかったようで、2005年に中国に進出した「餃子の王将」もその後撤退してしまった。
中国人も餃子を心から愛していて特に正月によく食べるけど、知人の話ではその全国ランキングなんてものはない。
そんな発想はないという。
中国餃子
皮がモチモチしてる。
箸も中国から伝わったもの。
中国と違って日本箸はの先端が細くとがっているのは、魚の骨を取りやすくするためと言われる。
箸も日本化して本家のものとは変わってくる。
このやや不自然な髪型の人物は、20世紀前半の歴史家で思想家の津田 左右吉(つだ そうきち:明治6年 – 昭和36年)という。
津田の説は、戦後の古代史研究における大きな成果であり、津田史観と呼べる見解は今日の歴史学・考古学の主流となっている。
日本は歴史的に中国文化の影響を強く受けた。
でも津田は、日本が中国文化の世界に包み込まれたことはなく、独自の変化を加えて自分たちの文化に変えたと指摘する。
日本のことを知れば知るほど、支那のことを知れば知るほど、日本人と支那人とは全く別世界の住民であることが強く感ぜられて来るのである。
「支那思想と日本 (津田 左右吉)」
*支那は中国のこと。でもいまこの言葉は侮辱語になるからNG。
中国で餃子と出会っても、それとは違う焼き餃子を開発する。
さらに地域ごとに特色のある「ご当地餃子」を作り出し、全国ランキングを発表して競い合って高め合う発想は本当に日本人らしい。
この小さな食べ物だけを見ても、日本と中国について知れば知るほど、日本人と中国人とは全く別世界の住民であることが強く感じられる。
「Is it big news?!」と中国人がイギリス人からメールをもらうことはない。
日本人の「おもてなし」、マナーの向上・雨乞い~東京オリンピック~
日本人と外国人が驚く、海外のニセ日本料理と本物の和食との違い
コメントを残す