2月の後半になると、静岡県では河津桜や菜の花が咲き始めるんで、インド人を誘って菜の花畑を見に行こうと考えた。
それでアプリを使って「菜の花を見に行きませんか?」てなお誘いの文章を英語に翻訳して、それを送る前に確認すると「rape blossoms」という単語があるではないか。
レ、レ〇プの花?、何かの間違いじゃ…。
と思って辞書で調べてみると、菜の花の英語は「rape flower(flower of rape)」、「rape blossoms」になっている。
ほかに「canola flower」や「field mustard」もあったから、ここでは「canola flower」を採用することにした。
ちなみに菜種油の英語には「rape seed oil」や「rape oil」があって、おなじみの「canola oil」(キャノーラ油)もある。
いやいやそれにしても、「快活」や「明るい」というステキな花言葉を持つ菜の花の英語が、性暴力を意味する「rape」を含んでいるというのはなかなかの衝撃だった。
これではギャップ萌えではなく、ギャップ萎え。
なんで菜の花さんは、こんな罰ゲームみたいな名前を付けられたのか?
結論からいうと、発音とスペルは同じ「rape」でも語源がちがった。
性犯罪の「rape」はラテン語の「rapere」(無理やりつかむ、奪う)を由来としていて、菜の花の「rape」はラテン語の「rapa」(カブの一種)だったでござる。
そんなことを調べていたら、「rapid」(素早い)の語源が「rapere」だから、rapeと同じということを知った。普通列車(local train)に対して快速を「rapid train」というから、なんかこれから思い出しそう。
アメリカ人に聞くと「rapeseed oil」は使うけど、「rape blossom」は聞いたことがないから、アメリカではあまり知られていない花では?とのこと。
また「canola oil」は日常の料理で使う油で、「rapeseed oil」は産業用の油のことらしい。
日本人は不吉なことを連想させる「忌み言葉」を嫌うから、披露宴や飲み会の「終了」を「お開き」に言い換える。
士(武士)が謀反を起こすことを連想させて、不吉に思った明治政府が「大坂」から「大阪」へ漢字を変えたり、「亀無」という地名は縁起が悪いから、江戸時代にいまの東京の「亀有」になったという話がある。
日本人の感覚は言葉に敏感で、気持ちが暗くなるものは明るくなる漢字に変える文化があるから、「rape blossoms」みたいな言葉は歴史のどこかで、「いやいや、これはマズい」となって別の言葉に変えられたと思われ。
英語圏の人にも忌み言葉の感覚があるから、「canola flower」や「field mustard」といった言葉があるのだろう。
にしても、突然「rape」が出てきたときにはビックリしたわ。
日本と外国(イギリス&アメリカ)の台風の話。語源や名前など。
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