日本人と韓国人が「真の隣人」になれる／なれない理由

「隣人」というのは隣にいる人のことで、好き嫌いはあっても、それに本物やニセモノはない。と思うですが？

聯合ニュース（2022/03/01）

駐日韓国大使「手を握り真の隣人に」　民団の「三・一運動」記念式典で

日本の統治下にあった朝鮮半島で、１９１９年に起きた「三・一独立運動」を記念して東京で式典が開かれた。
その場で姜昌一（カン・チャンイル）駐日大使は演説を行って、居並ぶ出席者（や日本）にこう訴える。

「日本は戦争を美化してならない」
「美化すれば再び戦争が起きるため歴史を直視しなければならない」

そんな日本がどこにある。
いまの日本で戦争を美化している連中なんて、どこの国にもいる例外的に頭のおかしい人たちだけで、いまの日本がそういうヤツラに動かされて戦争に突き進むことは考えられない。
そもそも「美化」の具体的な内容がないのは、そんな実態がないからだろうし、日本にいる大使ならまずは現実を直視してくれ。

でも、そんな話が通じることはなさそうで、カン氏は文大統領の「日本は歴史を直視し、歴史の前で謙虚にならなければならない」という言葉を持ち出しこうも主張した。

「誤った歴史認識は日本社会にとっても望ましくない」
「日本の若者も正しい歴史教育を受け、アジアと世界平和のために進まなければならない」

自分たちの歴史認識こそが正しく、日本のそれは間違っているという発想が「上から目線」ではなくて、常識か当然とこの人は考えているはず。
こう言われた日本人が、どれほど不快に思うかまったく気にしていない。
それはカン氏が韓国と日本について、こんな基本認識を持っているからだ。

「被害者であるわれわれが加害者である日本に対し、手を握り、真の隣人として一緒に進もうと呼びかけている」

被害者という道徳的優位に立ってモノを言うから、こんな見当違いで、日本人を敵に回すような無神経な発言をしてしまう。
もう、そんなことを言ってる時代ではないのに。

日韓両国は1965年に請求権協定を結んで、日本は韓国に５億ドルというばく大な経済協力金を渡すことを約束し、徴用工問題を含めた請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決」し、「いかなる主張もすることはできない」と約束した。
これを土台にして、これまで両国関係が発展してきたのだ。
そして2015年には慰安婦問題についての合意を結び、この問題が「最終的かつ不可逆的に解決されること」を日韓両政府が確認した。
完全かつ最終的に解決し、いかなる主張もすることはできないと自分が約束したのに、いまでも韓国を被害者、日本を加害者という枠組みで両国関係をとらえるから、うまくいくものもダメになってしまう。

互いの人や文化が好きな日本人・韓国人によるネットグループでは、いろんな料理を見せ合ったり、オススメの店や商品、ドラマなどを紹介していて、すごくいい雰囲気の中で交流をしている。
このまえそこには、こんなエピソードを投稿する日本人がいた。
日本にある韓国料理屋のおばちゃんが、よく来る日本人の客がコロナ禍で生活が苦しくなったという話を回り回って聞いて、「今からごはんを食べにきなさい。お金はいらないから。出世払いでいいよ」と連絡して、その人は泣きそうになったと。
逆に、韓国人が日本人のやさしさに触れて感動したという話もあった。
ここではすべての人が平等で対等、友人として接しているからうまくいっているのであって、歴史の被害者や加害者、正しい／誤った歴史認識なんていう闇要素をぶち込めば、こんなグループはすぐに消えてなくなる。

韓日関係が「在日同胞の死活問題である」という民団の団長は、カン氏とは違って同じ式典でこう話した。

「このような状況で民団は互いに理解して発展する関係になることを期待し、民団として最大限努力する」
「民団が韓日の架け橋の役割を担い、韓日の新たな関係を目指して次世代の育成に力を使う」

上下も正誤もなく、同じ地平に立って発言しているし、自分基準から「～してならない」なんて高圧的な態度もない。
「最大限努力する」と謙虚な言い方をしているから、日本人が耳を傾けるならこっちだ。
日本に数年いて韓国へ帰る人と、ずっと暮らす人では現実認識や表現、覚悟が違う。

「戦争を美化している日本」なんて、一体どこの世界線の話なのか。
具体的な内容には触れず、相手の考え方を「誤った歴史認識」「望ましくない」と決めつけて、自分と同じものにしようとする。
しかも「～してならない」、「直視しなければならない」と命令口調で。
完全かつ最終的に解決したという国家間の約束を破った側が、「日本の若者も正しい歴史教育を受け、アジアと世界平和のために進まなければならない」と言って、いったい誰がまともに聞くのかと。
これじゃ建設ではなく破壊行為だ。
こんな独善的で一方的な韓国人なら、日本人と「真の隣人」にはなれない理由がよく分かる。こういう人は隣人ではなくて、日本人を韓国人にしようとしているのだから。
反対に、「今からごはんを食べにきなさい」と言う韓国人は日本人とうまくいっている。