日本で4月は花見と始まりの月。
入社式や入学式が全国で行われるこの時期、スタートでちょいとつまずいてしまった社長がいたらしい。
朝日新聞(2022年4月1日)
「女性には女性の、男性には男性のよさが」 NTT社長が入社式で
NTTの社長が東京で開かれた入社式のあいさつで、「能力や特性の得意な分野が違う」と男女の性差に触れる。
NTTでは課長クラスの約3割が女性になったことを挙げ、女性の「活躍」に触れたうえでこう話す。
「私たちは女性と男性は違うと考えています。人間という意味ではもちろん一緒ですけれども、能力や特性の得意な分野が違うと思います」
さらに社員評価についてもこう語った。
「女性が得意な分野で男性も測定してしまうと、男性にとってはビハインドになりますし、逆に男性にとってのみ得意な分野で、女性が苦手な分野を強く評価してしまいますと、それは女性にとってはやはり難しい。女性には女性のよさ、男性には男性のよさがある」
この発言に対しジェンダー問題の専門家は、たとえ女性を励まそうという善意に基づくものであっても、
「ジェンダーバイアスにとらわれた発言で残念」
「男女それぞれに何かの特性があると決めつけることは、それと異なる人々の行動や希望を制約しかねない」
とダメ出しをする。
これにネット裁判官の判断は?
・触らぬ神に祟りなし
・一理あると思うの俺だけ?
・統計的にみれば性差がない訳ではないけれど、性別で人生決められるほど大きくはない
・よく根拠のないことを自信満々に言えるな
・何が悪いのかさっぱりわからない
男女同権を男女同質と混同してないか?
・男より運動神経良くて論理的な女なんて山ほどいるだろ
ボクの住んでる地区でお祭りがあるときは、男は屋台の交通誘導や花火の警備、女はお菓子を配ったりおにぎりを作るといった役割分担がきまって、それを代々受け継いでいて、いまのところどこからも苦情はない。
専門家からしたら、「ジェンダーバイアスにとらわれた発想で残念」と言うのだろうけど、このへんの性差と役割がごっちゃになると、地域住民の男女それぞれから苦情が上がる予感。
日本全体を見れば、こういう“遅れた”認識の人はたくさんいるはず。
でも地域コミュニティーの場で、“最先端”のジェンダー認識を持ち出されると、きっと住民は混乱するしハッキリ言って迷惑に思う人も多いでしょ。
NTTのような世界的企業のトップでも、頭のどこかでこんな「昭和の価値観」があったと思われる。
でも、平成から令和に変わったいまの日本で、「女性には女性のよさ、男性には男性のよさがある」という発言は公の場では見過ごされない。
いまの日本は過渡期にあって、場所によって「正しい認識」が違うから、ジェンダーの問題はまだまだ出てくるだろう。
「昭和脳」とは無縁なはずの乃木坂46のメンバーが4月1日に、同じメンバーの女性との「同性婚」の画像をエイプリルフールのネタとしてSNSに投稿して炎上した。
発火点の低い今の時代なら、まあそうなりますわ。
性差は地雷だから、基本的には触れない方がいい。
「私には、なぜ男性と女性は全く同じだと主張し、男女の素晴らしい違いを否定しようとする人々がいるのか理解できません。神より授けられたものは全て善きものでありながら、全てが同じものであるとは限りません。」
こう言ったマザー・テレサもいまなら炎上して、謝罪&撤回に追い込まれるかも。
性差に配慮して浜松市は男女の「ゆるキャラ」をつくったと思う。
でも時代は「LGBTQ」で、これからの日本では男女だけでは不十分。
新しい性のゆるキャラが登場するか、それか担当者が面倒くさくなって、「ゆるキャラやーめた」となる可能性が高い。
現在の日本では聞かないけど、もうすぐ問題になるのでは?と思われるのが、アメリカで物議をかもしているトランスジェンダーのスポーツ選手への対応だ。
BBC(2022年2月4日)
米水泳連盟、トランスジェンダー選手の出場めぐり新方針 「不当な優位性」など判断
それまで男性として大会に参加していた競泳選手が、トランスジェンダーで女性選手となって女性大会に参加したところ、次々と記録を塗り替えて優勝を独占。
ですよねー。
サッカー女子代表の「なでしこジャパン」が男子高校生(静岡学園)と試合をしたら、0-12でボロ負けしたこともあったし、スポーツだと男女の違いはどうしてもある。
男性だった選手が女性として参加したら、異次元の活躍をするのは誰だって分かる。
ジェンダー平等を尊重するアメリカ水泳連盟は、「トランスジェンダーの女性の包括性と競技に参加する権利を支持する。」と声明を発表して、この動きに規制はかけていない。
ただ昨年の大会では、2位の選手より38秒も速くゴールするという圧倒的なパフォーマンスを見せて、やる気を失う女性選手が続出中だ。
ある人物は匿名で、「今年はもうチャンスがない。選手たちは一生懸命練習しているが、勝てないと分かっている」と語る。
実名を出すと「差別主義者」のレッテルを貼られかねないから、名前を隠さないとなかなかホンネは言えない。
それでアメリカ水泳連盟はこれから、「男性としての身体的発育歴」がトランスジェンダー選手に不当な優位性を与えているかどうかを判断するという。
いまアメリカがこの問題の最適解を探しているところ。
日本はきっとそれを後追いするから、大きな問題にはならないか。
【ジェンダー配慮】He や She ではなく、性的中立の「they」
<<<ジェンダー問題の専門家…
三浦 淳(新潟大学人文学部)
「二流知識人の特徴は、言葉と行動が一致していないことだ。
例えばサロン・コミュニストのように口では共産主義を讃美しながら決して共産主義国では暮らさず、自分の生活も改めようとはしない。」
反捕鯨の病理学 (第1回)
性差についての発言をタブー視するのは、馬鹿げた風潮だと思いますよ。どう頑張ったところで、男が子供を産めるようになる訳じゃない。男には男の、女には女の特徴があって当然です。ただし、それぞれの特徴が有利だったり不利だったり、差別の種になったりならなかったりするのは、その社会によります。そこが問題なんでしょ?
「女性には女性のよさ、男性には男性のよさがある」のは当然ですよ。さらにまた、LGBTの人たちにはその人たちのよさがあるのでしょうから。その「よさ」が自分は感じられないのであれば、今では性別だって変えられるのですから。昔に比べたら人間の「性別に関する自由度」は拡大したと言えます。
でも、正しい表現で主張する自信が無くて世の中の批判がコワイなら、世に対して発信するのをやめればよい。
ネット社会では、誰でも批判的発言をする権利があります。できるようになったのです。
もちろん、マイナス面もあるが、私はトータルでは人類にとってプラスであると考えますけどね。