2022年のきょう5月2日は伝統的には「八十八夜」で、いまでは「緑茶の日」にもなっている。
八十八夜とは立春から88日目で、「夏も近づく~」とあるようにこのころ季節は春から夏へと変わっていく。
日本人は八十八夜の日に摘んだ新茶を特別なものと考えていて、これを飲むと病気にならなず、長生きするといわれる。
その話は自己責任で信じてもらうとしても、新茶はおいしい栄養価も高い。
だからお茶県出身のボクとしては、このところ静岡茶の売れ行きがマズいという話をよく聞くもんで、日本全国の人にもっともっとお茶を飲んでほしいと思う。
八十八夜の時期になると、よくお茶を使った食べ物や飲み物が登場する。
ソフトクリームと抹茶わらびもちの組み合わせは何度も見たけど、抹茶あずきとパンケーキの組み合わせはnew。
緑茶も紅茶も同じ茶の葉から作られるけど、発酵させるかどうかが違う。
中国から日本へお茶が伝わったのは、奈良時代とも平安時代とも言われていて、そのころは一部の上級国民(貴族)が飲むものだった。
茶を飲む習慣が日本で広まったのは鎌倉時代、「茶祖」と呼ばれる禅僧の栄西が中国から茶の種を持ち帰ってからのこと。
京都の建仁寺を開いたことでも有名な栄西は、お茶を飲むことで得られるメリットを説く。
お茶を飲むと睡魔を取り除けるというのはいいとして、悪魔が降伏するとか諸天の加護を得られるとか、栄西はかなり話を盛っていて、いまなら誇大広告として消費者庁から呼び出しをくらうレベル。
そんな栄西が13世紀に『喫茶養生記』を鎌倉幕府の3代将軍・源実朝に献上すると、実朝が気に入って、お茶を飲む習慣が武士階級に広がっていった。
庶民が飲むようになったのは江戸時代になってからだ。
ゴールデンウイークのまさに真っ最中のきょう5月2日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン近くの駅に停車していた電車の中で、アヤシイ物体が見つかって緊張が走る。
で、座席下にあったペットボトルの茶色の液体を調べてみると、中身はお茶でしたというオチ。
産経新聞(5/2)
「不審物」はお茶、USJ客ら1万人超影響 大阪のJR桜島駅
*一瞬、「はお茶」と読んでしまった。
このせいで駅構内は立ち入り禁止になり、JR西日本は電車の運転をストップさせて約1万1200人に影響が出た。
これは大阪人でも笑いに変えることはできない。
でも、地下鉄サリン事件の悪夢もあるから、まあ仕方と運がなかった。
この騒動にネット民の声は。
・最近、エコとかで商品ラベルがほぼ無いペットボトル売ってるけど
一歩店から出たら不審物だよなあれ
・ボトルうっかり忘れた人は罪に問えるの?
・お茶が怖いとは
まんじゅう怖いのオチかよ
・駅からゴミ箱撤去しまくったツケ
鎌倉時代から日本でお茶を飲む習慣が浸透していって、いつごろからか、「夏も近づく八十八夜~」という歌と新茶を摘む光景は全国に定着した。
そして21世紀のいま「不審物はお茶でした」なんて事件が起こるのも、ある意味、お茶が完全に日本人の生活の一部になっているからだ。
にしてもペットボトル1本で、GW中の大阪で午前7時15分~8時20分まで駅の機能を停止させ、電車14本を運休させて1万人以上の足を止めたというのもスゴイ。
でもお茶は無罪で、すべてはそれを置いていった人間のせい。
栄西禅師の「茶十徳」でも、マナーの向上はなかったから仕方ないかも。
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