慰安婦像①激烈な国民(反日)感情と無責任な韓国政府(外交部)

韓国には「従軍慰安婦」について言論の自由がない。

今では「慰安婦の人たちが、日本軍によって強制連行されてはいなかった」ということが確認されているから、日本ではそう言うことができる。

でも、韓国ではそれができない。
韓国では今も、「日本軍による強制連行説」が事実であると信じられている。
これに反することを言うと、たとえそれが事実であっても韓国の国民感情が許さない。
国民の激烈な反応を受けることになってしまう。

ある韓国人の学者が、「日本軍による強制連行はなかった」と学問的な見地から言ったことがあった、
その勇気の代償は大きく、韓国市民の怒りをかったこの教授は「公開リンチ」を受けてしまう。

また詳しくは下の記事を。

今、ソウルの日本大使館と釜山の日本領事館の前に慰安婦の像が立っている。

韓国政府としては、これらの像を動かしたいと思っているらしい。
けれどそれをしようとすると、韓国国民のすさまじい反日感情が自分に向かってくることになる。
韓国では、国民感情が最優先されるから事実を言っても殴られることがあるし、法律違反の像でも認められることもある。

誰もモンスターのような国民感情とは敵対したくない。
韓国政府でさえ、国民感情には恐れおののている。
＊ちなみに、「おののく」は漢字で書くと「戦く」。

釜山では、慰安婦像が立てたれる前から「もしこの像が立ってしまったら、日本が怒るにちがいない。日韓関係が悪くなってしまう」という懸念はあった。
けれど韓国政府（外交部）は、無責任なことにな～んにもしなかった。
政府でさえ、国民の反日感情には対抗できないから。

それでこんな重大な問題を、釜山市や東区の区長の責任にしてしまった。

「基本的には当該機関で法令に基づき判断しなければならない事案だ」といって、韓国政府は知らんぷり。
本当に無責任きわまりない。

産経新聞の記事（2017/1/3）に、そのことが書いてある。

少女像問題で韓国政府「当該機関で判断」　釜山市東区に丸投げ

撤去に関し政府は介入せず地元の釜山市東区の判断に任せる姿勢を示した。韓国では朴槿恵大統領の職務が停止され国政が事実上まひしており、歴史問題で日本に批判的な市民の行動に行政機関が反対できる空気はない。

釜山の慰安婦像の問題は、本当は国が対応しないといけない重大なこと。
でも、東区の区長さんに丸投げ。

でも、区長は一度は頑張った。
市民団体が法律無視で設置した慰安婦像を、一度は撤去した。

でも、市民から批判の声が殺到して、区長さんは公開謝罪をおこなうハメになる。
反日に根ざした国民感情には、誰も逆らうことができない。
だから「反日無罪」と言われるんだけどね。

区長は、結局像の設置を認める。
市民は、それが当然のように像を置いてしまう。

この後、日本政府が大使の一時帰国や通貨スワップの交渉中断を決めたことは、ご存じのとおり。

国内の反日感情がコワい韓国政（外交部）は、釜山市に責任を押し付ける。
釜山市は、東区区長に押し付ける。
一番の問題は、韓国政府があまりに無責任だったこと。

でも怒った日本とアメリカから、「早く事態を収めてほしい」というプレッシャーを受けた韓国外交部は、東区の区長さんに「あの像を動かしてほしい」とお願いする。

これには区長さんも、「外交部が、自分でやれやっ！」と大激怒。

今、世界でもっともかわいそうな区長の叫びを聞いてほしい。

ハンギョレ新聞の記事（2017.01.10）から。

外交部の釜山少女像移転要求に、釜山東区庁長「自分でやれ」

聯合ニュースはパク区庁長が同日「当初、少女像の設置に対して地方自治体が処理する問題と言っていた外交部が、今になって少女像の移転を要求するとは理解できない。少女像を撤去するなら外交部が自らしなければならない。外交部が少女像を移転・撤去しろとの指示を出しても、少女像には手をつけない」と話したと報じた。

（中略）パク区庁長はまた「少女像設置の可否について区庁長に責任が押し付けられ、釜山市や政府など誰も話をしないので苦しかった。一度少女像が設置された以上、区庁が立ち上がって少女像を移転させることはないだろう」と話したと聯合ニュースは伝えた。