もしもインドでこんなお店があったら?
韓国人がオーナーの日本料理店で、看板には店名がハングル文字で「独島」と書いてある。
今回はそんな話だ。
浜松市に住むインド人と話をしていて、「日本のカレーってどう思う?」という質問は超聞かれ飽きたというから、浜松で好きなカレー店ベスト3を聞いてみた。
そのとき味だけならトップ3に入るけど、インド人的にムカつくという複雑な店があった。
その店の名は「カシミール」という。
「カモミール」ならよかったんだが。
カシミールはインド最北部にある。
現在のインドとパキスタンの対立は1947年に、イギリスから独立したことに始まる。
このときヒンドゥー教徒の多いインドから、イスラム教徒の多いパキスタンが分離独立したことで、カシミールの王であるハリ・シングはむずかしい選択に迫られた。
ハリ・シングはヒンドゥー教徒でも、カシミールの住民の約80%はイスラム教徒。
だから、インドとパキスタンのどっちにつくか悩んで、面倒くさくなってカシミールだけで独立国なることも王は考えた。
それで結局、ハリ・シングは「われわれはインドと共にある」とインドへの帰属を表明すると、「違うだろーっ!」と激オコのパキスタンとインドの間で戦争がぼっ発。
これが第一次印パ戦争で、1965年にもカシミールの領有をめぐって、第二次印パ戦争が行われた。
その後も印パの対立はつづき、パキスタンの支援を受けた過激派テロリストとインドの治安部隊との間で、激しい攻防(殺し合い)が繰り広げられていく。
2019年にはインド軍が約50年ぶりに、パキスタンの国境を越えて侵入し、爆撃を行って世界に緊張が走る。(バーラーコート空爆)
そんなこんなで「カシミール紛争」はいまも現在進行形だ。
カシミールの領有権問題というのはインドとパキスタンの間で、戦争やテロ事件の原因になり、多くの命が奪われたかなり深刻な問題ということが、おわかりいただけただろうか。
「カシミール」はとてもセンシティブな言葉なのに、パキスタン人オーナーがその地名を店名にしたカレー屋を経営している。
しかも、「インドカレー専門店」をアピールしやがります。
さらに看板には、パキスタンの言葉であるウルドゥー語が使われているから、知人のインド人としては腹立つこと山のごとし。
でも、そこのカレーの味は良かったらしい。(行ったのかよ)
もともと現在のパキスタンとインドは同じ国で、文化も共通しているから、パキスタン人がカレー店を出すのはイイ。でも、「インドカレー専門店」を名乗って、「カシミール」を店名にすることは一線を越えていると知人は言う。
これは日本人にとっては、インドで韓国人オーナーが「日本料理専門」を強調する店を経営していて、看板には店名がハングル文字で「独島」と書いてあるようなもの。
日本人としては見過ごせない案件だ。
この訳はもっと深刻だ。
海外で日本人オーナーが「竹島」という韓国料理店を出していたら、何者かに襲撃されるかもしれない。
インド国内ならパキスタン人が、こんなふざけた名前のカレー店を開くことは考えられない。日本だからこんな大胆なコトができるのだと知人はみる。
でも、「カシミール」の店名はほとんど気にならないと話すインド人もいた。
「インドカレー専門店」なのに寿司を出したら怒るけど、ちゃんとしたインド料理を提供しているのなら自分はかまわないと。
味と値段にこだわるインド人なら特に問題はないようだ。
カシミール問題が印パの間で平和的に解決されたら、全てのインド人が異国の地で、そんな名前のカレー店を見ても「ノープロブレム」となるワケなんだけど、まあ無理ですわ。
世界で日本とインドだけが行うこと・原爆犠牲者への黙とう~平和について①~
インドカレーってカレー粉を使わないカレーの総称で
最初にインド人が作ったから従来のカレーとの区別するため
インドの名を冠しているもののインド料理と関係ないような。
カシミールも地名というよりは料理名って気がしますね。
ハンバーグとかナポリタンとか天津飯みたいに。