【ハヲミガク!】米大リーグで、意味不明の日本語を使うワケ

 

アメリカ人やイギリス人からすると、日本には意味不明の英語がよくある。

食べ放題をなんで「バイキング」と言う?
「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」とか「DIYショップ」ってなに?
サッカーの「ロスタイム」や野球の「デッドボール」なんて意味ワカラン。

【意味不明】日本人の「謎英語」に、ネイティブ困惑&怒り

日本人は英語を好き勝手にいじって、外国人には謎の単語をつくり出す。
当然、この逆もある。
日本語が本来の意味とは関係なく、海外で好きなように使われて、日本人には理解不能のワードになる現象も起きている。
最近よく話題になるのが、大谷選手が活躍しているアメリカ大リーグで使われる「謎日本語」だ。

読売新聞(2022/05/13)

「ドコカニイッテ」「ハヲミガク!」大谷翔平の大リーグ実況で謎の日本語絶叫、最近増えた2つの理由

たとえば大谷選手がホームランを放つと、試合を中継していたアメリカ人アナウンサーが「ショウヘイ・オオタニ、スゴーイ!」はいいとして、「ショウヘイ、キュンデス!」という謎の日本語を放った。
「キュンです!」は日本人から聞いた言葉で、このアナウンサーはあまり深く考えずに試合中継で使ったらしい。
ただそのツイッター投稿には注目が集まって、5500以上の「いいね」がついた。

ほかにも大谷選手がナイスピッチング(通じるかコレ?)で、打者を見逃し三振にとるとアナウンサーが「ドコカニイッテ、ハヲミガク!」と言う。

 

 

アメリカでは「顔を洗って出直してこい」に近い意味で、「Go away! And brush your teeth(歯でも磨いてきな)」という言葉がある。
これをグーグル翻訳したら「ドコカニイッテ、ハヲミガク」と出てきたから、アナウンサーはそれを試合で使ったという。

これに日本のネット民の感想は?

・大谷の口臭はそんなに有名なのか
・アメリカのこういう実況寒すぎ
・俺がよく「歯を磨いて来い」と言われる理由がようやくわかった
・ニイタカヤマノボレ
・単に現地の担当アナウンサーの持ちネタなんだろ。
中川家礼二の中国人モノマネみたいなもん。
・オトトイッテクダサーイ

大谷選手が2者連続三振の好投を見せた時、アナウンサーは「イワテノタカラ!」と称賛した。
これはたしかに意味は間違ってない。
でも、なんかお米の銘柄のような。

 

こうした「ナゾの日本語」が増えた背景には、最近の大リーグの戦略があるようだ。
いま大リーグは国際化を進めていて、スペイン語圏の選手が活躍すると「オラ!」、韓国人選手には「アンニョンハセヨ」といった具合に、選手の母国語が実況で使われる。
これは大リーグがいろいろな人種に、野球の魅力を伝えたいという理念のあらわれだという指摘が読売新聞の記事にある。

日本人がバイキングやデッドボールと言ったり、アメリカ人が「ドコカニイッテ、ハヲミガク!」と絶叫したりと、ある言葉が外国で意味不明の謎ワードになる現象はきっと世界中である。
でも日本の場合は、国内の日本人だけのために発達したのに対して、アメリカの大リーグでは人種を越えるという目的がある。
同じように見えることでも、背景や理由はまったく違う。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。