日本人ならこれは、「ガスが無くなるから、あんまりお風呂に入らないでね」と政府に言われるようなモノか?
AFPの記事(2022年8月26日)
サウナの利用削減呼び掛け、エネルギー危機で フィンランド
ロシアがウクライナに侵攻しやがったことがきっかけで、ヨーロッパではいまエネルギー価格が高騰して危機的な状況にある。
それでフィンランド政府は国民に今年の冬は、お楽しみというより、たぶん生活必需品レベルのサウナに入る時間を削減するよう呼びかけた。
この全国的な省エネ・キャンペーンが始まるのは10月10日からで、こんな事態は1970年代のオイルショック以来初めてだとか。
これに日本のネットユーザーは、しょせんは他人ごとだ。
・さうなんですか
・日本に例えるとコタツ禁止みたいな感じ?
・香川で例えると水不足のためうどん禁止
・岩盤浴派です
・ムーミン谷に入れよ
「フィンランド語なんてひとつも知らない」という日本人がいたら、それは気づいていないだけ。
サウナの由来は「蒸し風呂」を意味するフィンランド語の「sauna」だ。
この文化はフィンランドで生まれたと言われていて、人口550万人のこの国には300万ほどのサウナがある。
「裸の付き合い」の考え方はフィンランド人にも通じる。
最近は下火になってきたらしいのだが、サウナに入ってリラックスしながら要人と話し合って、個人的な信頼を得る「サウナ外交」がフィンランドで行われてきた。
フィンランドの大統領がソ連の最高指導者だったフルシチョフをサウナに招いたし、各国のフィンランド大使館にはサウナが設置されていて、いつでもそこで外交をおこなう準備は整っている。
でも、フィンランド式サウナには大きな文化の壁があった。
知人のイギリス人女性は半年間フィンランドに住んだことがあって、この「裸の付き合い」にビックリした。
ベビーシッターをする代わりに、フィンランド人家族の一員として一緒に生活するという、日本ではないような形式で一般家庭で暮らしていた彼女は、家にある電気式のサウナはいいとして、公衆のサウナ(男女別)でも全裸になって入ることを知って、ドでかい衝撃を受ける。
郷に入っても従えないルールはある。
これはイギリスの文化ではないからと主張して、彼女だけは水着を着て部屋に入ったという。サウナ自体は最っ高に気持ちがいい。
フィンランドほどではないと思うけど、ドイツもなかなかのサウナ大国で、しかも男女が一緒に入るスタイル。
それでドイツ在住の日本人男性が人生で二度とないような、たまらなく気まずいを思いをしたという。
日本の温泉ならまったく平気なのに、ドイツ人に囲まれて全裸でサウナにいるということにはためらいがあって、行ってみたいと思いつつも彼はそれを先延ばしにしていた。
でも、トキはきた。
思い切ってサウナへ行って、全裸になって未知のドアを開けたら、そこには知り合いの日本人の奥さまが座っていた。
その部屋がどれぐらいの大きさで、ほかに何人いたかは分からない。
お互い見つめ合ったまましばらく時間と心臓が停止して「あ、ども」、「ええ、どうも…」みたいなぎこちないあいさつをする。
日本では絶対にあり得ない状況、まったく想像していなかった事態をむかしドイツで経験したとSNSで報告をする日本人がいた。
既婚の男女が同じ部屋で全裸いでいるというシチュエーションは、日本だと修羅場の予感しかない。
でも、ドイツでこれは文化で習慣だ。
その後の展開は知らないけど、ここまでくれば開き直って、案外楽しいサウナ外交ができることはまあないか。
お互い墓場まで持って行かないといけない、背徳の秘密ができたワケだし。
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