エリザベス女王の葬儀に出席するため、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領がロンドンを訪問すると、世界中の首脳や貴賓から韓国を訪れたいとの要望が殺到した。
と中央日報が書いている。(2022.09.20)
エリザベス女王弔問行事で尹大統領に会った各国首脳、訪韓要請殺到
そんなイケメンでモテモテの韓国に、最近の日本は冷たい。
ニューヨークで日韓首脳会談が行われることが決まったと韓国側が発表すると、「まだ何も決まっていない」と日本はその日のうちに否定。
両国関係の改善を求める気持ちはどっちも同じで、そのためにトップ同士の話し合いを重視することでも日韓は一致している。
目指すゴールは一緒でも、そのアプローチは大きく違う。
日韓関係が「戦後最悪」というほど悪化した原因は、韓国最高裁が日韓請求権協定をひっくり返す判決を出したこと、そして文前政権がその状態を放置してきたことにある。
問題を生み出した韓国にその責任をとってもらうべく、日本は納得できる解決策の提示を要求していて、それがない限り、首脳会談には応じられないという立場だ。
一方、韓国政府にとって原告側や国民の反発はすさまじく、解決策をまとめることは高いハードルを越えてもはやエベレスト。
それでも原告側を説得しようとしたり、最悪の事態である現金化を避けるために裁判所へ意見書を提出したりと、尹政権はできる努力をしている。
思えば、尹大統領は本当にツイてない。
関係悪化の原因をつくり出した文前大統領は華麗にフェードアウトして、いまは悠々自適な生活を送り、負の遺産をそのまま引き継いだ尹政権は全身全霊でその尻拭いをしているのだから。
「韓日両国の協力と未来の発展のための努力も止めない」と強調した文前大統領は結局、決意表明だけに終わってしまった。
でも尹政権は官民協議会をつくるなど、元徴用工問題を解決するための具体的な動きをみせている。
それで最近は、こんな言葉が韓国側のキーワードとして浮上中だ。
聯合ニュース(9/15)
韓国外相「両国関係改善に向け誠意ある呼応を」 日本議員団と面会
韓国は前向きに動き出しているのだから、日本もそれに応えてほしい。誠意をもってーー。
国内であれだけ叩かれていたら、こう言いたくなく気持ちも分かる。
納得できる解決策を示すまで、日本は首脳会談には応じられないという原則を掲げ、安倍・菅政権に続いて岸田首相も韓国側の要求を拒否してきた。
最後の首脳会談は2019年12月に文大統領と安倍首相が行ったもので、それ以来、日韓の間では地球温暖化に反する寒風が吹き続けている。
尹大統領と大統領の座をかけて争って、いまは野党のトップにいる李 在明(イ・ジェミョン)氏は日本について、「重要な隣国」ではあるが「敵性国家」だと言うような反日強硬の人。
だから、日韓関係を改善させられるのは現実的に尹大統領しかいない。
岸田首相が今回、解決策の提示無しで尹大統領との話し合いに応じたのも、ここ最近の尹政権の努力を認めたからのはず。
それについ先日、北朝鮮でこんなトンデモナイ動きがあった。
朝鮮日報の社説(2022/09/13)
北朝鮮の核先制攻撃法制化、「偽りの非核化ショー」の悲惨な結末
これは北朝鮮側が「攻撃が疑われただけで核攻撃ができる」というもので、核ミサイルの開発ではなくて、もうその使用を前提とする法整備が進んでいるのだ。
国民の生命と財産を守ることが政治家の使命だから、これは日本と韓国がタッグ組む十分な理由になる。
ここらでトップ同士が簡単な現状の共有や、意思の疎通を図っておいたほうがいい。
でもソレはソレ、コレはコレ。
日本としては、元徴用工問題の解決責任は韓国側にあるという原則は曲げられない。
だからNYでは正式な首脳会談ではなく、非公式な「懇談」と位置付けて尹大統領との話し合いの機会を設定した。
これまでいろいろ努力してきてここでも“スルー”されたら、韓国政府はメンツを失ってしまう。
そんなことで日本もできる限り、ギリギリのところまで尹政権に配慮し対応している。
両国関係改善に向け、「誠意ある呼応」を日本はした。
今度は韓国のターンだ。
【韓国の変化】反日迎合から未来志向 ユン政権 vs 抵抗勢力
韓国の違和感。テレビでは日本語禁止。でも日本歌謡大会は人気!
韓国のターンは易しくないでしょう。
ユンさんも基本的な考えは前政権のその人たちと同じですから、日本の”適当な謝罪コメント”くらいは受け取らなければならないと思うでしょう。前政権が作っておいたトラブルが韓国だけのエラーではないと見るのが問題です。日本の態度はびくともせず、ユンは道に迷うでしょう。
しかも、彼に対する支持率が低すぎて動力もありません。
岸田政権もいまは支持率が低下していて、韓国に譲歩できる余地はなさそうです。
実際、そんなことをしてはいけませんが。
しばらく現金化もなさそうですし、このままの状態が続きそうですね。