世界史で「女帝」といえば、ハプスブルク帝国の実質的な支配者だったマリア・テレジア (1717年 – 1780年)が超有名だ。
そして王妃というとオーストリア出身で、国王ルイ16世紀と結婚したばかりに、フランス革命の時にギロチンで処刑されたマリー・アントワネットが知られている。
そんなヨーロッパを代表する女帝や王妃が、「japan」の大ファンだったことを知っている日本人はきっと少ない。
11月13日は「うるしの日」。
平安時代に文徳(もんとく)天皇の第一皇子、惟喬(これたか)親王が京都の法輪寺で、虚空蔵菩薩から「うるしの製法」や「漆器の製法」を伝授されたという伝説がある。
その日が11月13日だったから、この日が「漆(うるし)の日」となった。
漆は熱や湿気に強くて、腐敗防止や防虫効果もあるから、日本では伝統的に食器や家具でよく使われていた。
日本人は縄文時代のころには漆を使っていて、2000年には北海道にある遺跡から、約9000年前に作られた漆塗りの副葬品が見つかっている。
これが現在のところ、世界最古の漆塗り製品。
日本の漆器の代表的な技法に蒔絵(まきえ)がある。
漆で絵や文様を描いて、固まらないうちに金・銀などの金属粉を蒔(ま)く技法や、それを使った漆器を蒔絵という。
この蒔絵(漆器)が江戸時代、日本と貿易をしていたオランダからヨーロッパに伝わると、大人気になって「japan」で漆器を意味するようになる。
日本の漆器に魅了されたマリア・テレジアやマリー・アントワネットはこれを買い集めて、そのコレクションはいまではルーヴル美術館やヴェルサイユ宮殿で展示されることもあるという。
Marie Antoinette and Maria Theresa are known collectors of Japanese lacquerware and their collections are now often exhibited in the Louvre and the Palace of Versailles.
日本の伝統工芸である「ジャパン」がヨーロッパの女帝や王妃を魅了したのだけど、この事実は日本ではあまり知られてないと思う。
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