仕事も学校も始まって、1月6日にもなるとお正月が遠い日の記憶になりつつある。
日本人が正月にする文化行事というと、初日の出を見に行く、おせち料理を食らう、子供は大人からお年玉を徴収するといったことがある。
で、気になることは、今年一年の運勢だ。
これから始まる一年は何をしても絶好調な年になるのか、それとも毎日が厄日のようなサイテーな年なのか?
日本人なら初詣に行った時、おみくじを引いて占う人も多い。
初夢で見た内容から一年の吉兆を占うこともある。「富士、鷹、茄子」を見ると縁起が良いというウワサ。
ではヨーロッパ人はどうなのか?
ドイツ人に聞くと、あちらではクリスマスから正月の時期になると、ネクロマンシーじゃなくて、「モリブドマンシー」をする人がいるという。
これは、鉛やスズなどの液体金属を使って行う占いのこと。
液体金属は「はんだ付け」で使ったことのある人も多いだろうし、『ターミネーター』ではこの液体金属でできたボディを持つ強敵が出てきた。
モリブドマンシーでは鉛やスズを火で熱して溶かし、それに水をかけたり水に入れたりして固めて、その形状を特定の生き物やモノに当てはめて新しい年の運勢や吉兆を占う。
*液体金属ではなくて、死体を使って占いをするのがネクロマンシーで、それをする呪術者をネクロマンサーという。
「マンシー(mancy)」とは占いのことだから、これもモリブドマンシーと同類だ。
下の動画ではカエルの形は「くじ運」、剣(エペ:epee)は「リスクを引き受ける勇気」、ギターは「願い」、キツネは「かしこさ」、盃・聖杯(chalice)は「しあわな未来」を意味するとある。
ドイツの他にもフィンランド、エストニア、スイス、ブルガリア、トルコなどヨーロッパの広い範囲でモリブドマンシーは行われるから、やり方や解釈はきっとそれぞれの地域によって違う。(Molybdomancy)
この話をしたドイツ人は冷やした固体に光を当てて、その影で運勢を占ったという。
モリブドマンシーの始まりは昔すぎて、謎に包まれている。
古代ローマ時代にはあったというから、キリスト教が広まる前、2000年ほど前からヨーロッパの人たちはこの新年の占いをしていたのだろう。
これからはじまる一年がどんな年になるのか、アーニャ風にいえば「わくわく」という人は古代から西洋にも東洋にもいたってことだ。
日本にはない、キリスト教やユダヤ教の「神との契約」という考え方。
キリスト教とイスラム教の大きな違い。「受肉」の意味とはなに?
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