いよいよ3月8日から、野球の世界ナンバーワンを決めるWBCが始まる!
*日本の初戦は9日で中国が相手。
WBCでは侍ジャパンの打線が大爆発して、次々とスリーランが飛び出るだろうから、今回は日本に住むスリランカ人(20代の男女3人)から聞いた話を紹介しよう。
インドの南に浮ぶスリランカってこんな国だ。
面積:6万5,610平方キロメートル(北海道の8割ほど)
人口:約2,216万人
首都:スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ
民族:シンハラ人(74.9%)、タミル人(15.3%)、スリランカ・ムーア人(9.3%)
言語:公用語(シンハラ語、タミル語)、連結語(英語)
宗教:仏教徒(70.1%)、ヒンドゥ教徒(12.6%)、イスラム教徒(9.7%)、キリスト教徒(7.6%)
「日本の食べ物ってどうよ?」
スリランカは日本と同じ海に囲まれた島国だけど、生の魚を食べる習慣はない。
熱を通さない食べ物は不安だし、生肉はなんか気持ち悪い。
でも、寿司はご飯の部分が多いから食べられるし、あれは美味しい。
でもそれがギリギリで、刺身は限界突破しているからほんとムリ。
日本で好きになった食べ物は「からあげ丼」。
スリランカ人はよくご飯を食べるし、揚げ物が大好きだから、日本のから美味しい揚げと白米はベストマッチ。
「尊敬する歴史上の人物って誰よ?」
それは、2000年以上前のスリランカにあった国・アヌラーダプラにいた「ドゥッタガーマニー(Dutugamunu)」という王さま。
歴代の王の中でも、彼は特別だから「大王」と言われる。
彼は敵をぶっ倒して国を守り、スリランカを統一したから、この王を尊敬する人は多い。
(日本でいうなら暗殺されずに、天下統一に成功した織田信長のようなもの?)
さらに今でもスリランカ人が誇りに思う、高さ55メートルの仏塔(ルワンウェリ・サーヤ大塔)を建てて、仏教を確立したという点も仏教徒にはポイントが高い。
(このへんは比叡山延暦寺を焼き討ちにして、多くの仏教僧を生きたまま燃やした信長とは正反対。)
ルワンウェリサーヤ大塔
「日本との違いは?」
日本とスリランカは同じ島国だけど、多様性が違う。
スリランカの民族にはシンハラ人、タミル人、スリランカ・ムーア人がいて、公用語にはシンハラ人のシンハラ語とタミル人のタミル語がある。
シンハラ語とタミル語はまったく違うから、同じ国民同士でも、英語を使ってコミュニケーションをとることもある。
さらに宗教は仏教、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教といろいろあって、(北海道の8割ぐらいの面積しかないけれど)スリランカは本当にバラエティー豊かな国。
*クリスマスについて聞くと、「キリスト教徒は教会に行って祝いますけど、仏教徒のわたしたちには関係ありません」と素っ気ない。
この点、国民のほとんどが無宗教を自認していて、クリスマスを思いっきり楽しんだ一週間後、神社やお寺へ初詣に行く日本人とは違う。
「国民をまとめるものは何か?」
日本では国の象徴として天皇がいて、国民を一つにしている。
民族も宗教も言語もバラバラなスリランカでは、何が国民をまとめているのか?
ドゥッタガーマニー王は力と仏教で国を一つにしたけれど、現在のスリランカでそんなやり方はダメ。かえって国民は分裂する。
「一人残らず完全に」という非現実的な状況は無視して、スリランカ人を一つにするものといえば、クリケットがある。
*クリケットとはコオロギのことで、最近は日本でも食用にパンやせんべいなどに使われている。…のほうではなくて、こっちのクリケットはイギリス発祥の野球によく似たスポーツ。
日本ではマイナー競技だけど、イギリスとその植民地だった国を中心に世界では3億人以上がプレーしている。
4年に1度開かれるクリケット・ワールドカップの視聴者数は、サッカーのワールドカップとオリンピック(夏季)に次いで世界で3番目に多い。
でもやっぱり、日本での知名度はコオロギには勝てない気がする。
スリランカの国民を歴史・宗教・言語でまとめることはむずかしいけど、スポーツならどの人にとっても中立だからOK。国際試合があると、みんながスリランカチームを応援するから、その時は強い一体感を感じる。
ということで今回は、日本との違い、歴史上のスゲーやつ、国民をまとめるモノについて、スリランカ人から聞いたことを紹介した。
こう見ると国民のほとんどが日本人で、無宗教で、「連結語」なんて必要ない(概念すらない)ほど、どこに行っても日本語が通じて、古代から続く天皇が国民の象徴になっている日本には一体感がある。
だからこそこれからの時代は、スリランカのような多様性が大事だ。
動画で英語を学ぼう 221 スリランカ人は日本をどう思った?
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