どこにでもいるフツウの男が街を歩いていたら、前から走ってくる若い女性とぶつかって、「イテテ…」、「ごめんなさい。ところでアナタいま…」となって一緒に時間を過ごした後、じつは王女だったその女性と男性は恋仲になって結婚する。
そこまでアニメ的な展開ではないけれど、それに近い出来事が日本とベトナムの歴史であった。
NHKニュース(3月27日)
ベトナム駐在の日本大使 長崎訪問 アニオー姫らの墓参り
ことし2023年は、日本とベトナムが外交関係を樹立してからちょうど50周年になる。
だからそれを記念して、400年ほど前にあった荒木宗太郎(そうたろう)とアニオー王女の恋の物語をオペラで上演するらしい。
江戸時代に2人は長崎に住んでいて、いまは同じお墓に眠っている。
そこを訪れて手を合わせたベトナム駐在の日本大使が、「2人は日本とベトナムのパートナーシップの原点だ」と言う。
荒木宗太郎は安土桃山時代の貿易商人だ。
豊臣秀吉に朱印状をもらった後、貿易にかかわる仕事をしていて、長崎からいまのベトナム中部にあった安南国へ行く。
そこで王さまだった阮福源(グエン・フック・グエン)と知り合う。
明の皇帝・神宗に朝貢するよう求められる(=属国化)と、阮福源は「だが断る」と拒否し、怒った神宗が派遣した遠征軍を返り討ちにした。
そんなタフな王に気に入られた荒木宗太郎は、お姫さまと結婚することになる。
ウィキベテアにはそんな説明があって、オペラのホームページには別の記述がある。
それによると安南国の街で、とつぜん暴れ出した象に宗太郎が踏みつけられそうになったとき、王女が現れて絶対絶命のピンチを救った。
(そのシチュエーションなら、ふつうは立場が逆では?)
とにかく姫が笛をふくと、その美しい音色に象が落ち着きを取り戻して宗太郎は救われた。
*このへんの事情は、日本との貿易を発展させようと考えた阮福源が、両国を近づけるために、政略結婚として娘を与えたという説が正しいと思われる。(阮氏玉華)
そして二人は結婚して長崎へ移住する。
長崎では女児を授かって、地元の人々からは「アニオーさん」と親しまれて二人は最高に幸せなトキを送っていた。
*王女の本名は「グエン某(なにがし)」だったけど、もともと兄を意味するベトナム語の「anh」にちなんで、長崎の人たちは彼女を「アニオー」と呼んだらしい。
でもその後、江戸幕府が”鎖国政策”を始めたことで、アニオーさんは父と会うことができなくなる。
そしてそのまま亡くなって、二人はいま同じお墓にいる。
今回そこを訪れた日本大使はこう話す。
「荒木宗太郎とアニオー姫が墓地で同じようにまつられているのを見て日本とベトナムの対等なパートナーシップの原点であると感じた。オペラが、そうした原点を考えるきっかけになればいいと思う」
細かいことは置いといて、日本人の商人がベトナムの王女と結婚して仲良く暮らしたという、アニメの世界のような出来事は実際にあった。
この史実に感動するネット民。
・アニヲタの姫?
・どうやって会話したんだろ
・徳川宗家の人もベトナム人の嫁もらってるし何かと縁が深いな
・日本三大荒木
荒木飛呂彦(JOJO作者)
荒木大輔(ヤクルトのアイドル)
もう一人は?
「長崎くんち」でもアニオー姫が登場する。
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