【だめだこりゃ】韓国の謝罪要求に、日本がさじを投げた“瞬間”

 

ワシントン・ポストとのインタビューに応じた韓国の尹(ユン)大統領がこんな発言をしたから、いま韓国社会は大騒ぎ。

朝鮮日報の記事(2023/04/25)

尹大統領「100年前のことで日本がひざまずくべきだとは思わない」 

ヨーロッパの国は残酷な戦争を経験しても、いまは未来のために協力しているように、韓国と日本も過去に引きずられていてはいけない。100年ほど前のことについて、いまの日本が韓国に無条件で謝罪しなければならないという意見には賛成できない。
*この言葉の解釈をめぐっていま韓国内で論争になっているが、こんな内容だと思う。

日本との協力関係を深めるユン大統領に対して、もともと野党などのリベラル派は批判的で「親日屈辱外交」とののしっていた。
それにこの発言が燃料となってさらに燃え上がる。

中央日報(2023.04.25)

韓国野党、尹大統領のWPインタビュー総攻勢「親日本性隠せない」

ハンギョレ新聞(2023-04-25)

尹大統領、またもや日本に低姿勢「100年前のことで『ひざまずけ』に同意できない」

大統領の言葉や対日認識に野党議員はこう反発する。

「国民を蔑視して、国格を失墜させた妄言」
「尹大統領はどこの国の大統領か」
「国を売り飛ばす大統領」
「到底理解することはできない」

ユン大統領は3月にも、「日本は数十回にわたって歴史問題で反省と謝罪を表明している」と言った。
これは日本への謝罪要求を暗に批判しているから、それを「絶対条件」と考える野党議員は激怒した。
大統領は日本との協力姿勢を打ち出す自分に「批判的な人々は絶対に納得しないだろう」とも言う。
たしかに、何を言っても反発する人を納得させるのはムリ。
だったら取捨選択で、それは最初にあきらめたほうがコスパはいい。
ただ、ユン政権の反論の中身を見ると、「ひざまずく」というほど強烈ではないとしても、日本への謝罪要求を完全に無くすべきだとは考えていないようだ。

 

大統領の言葉に反発するリベラル派の人たちは、日本は慰安婦・徴用工問題などについて、

「反人権的行為について認めても謝罪してもいない」
「今でも歴史に対する反省と謝罪を否定している」

とお怒りだ。
でも実際には、日本がこれまで53回も謝ったことは韓国も認めている。

「日本は謝罪しろ」と韓国は要求するけど、もう53回です

これは52回目だと思うが、2015年の慰安婦合意で当時の安倍首相は「心からのおわびと反省の気持ち」を表明して、10億円を韓国側に渡した。
これで慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的」に解決されることを両政府が確認し、最終合意ができたことを評価たパク大統領は、新しい韓日関係を築くために互いに努力していきたいと述べた。

でも大統領が変わったら、一瞬ですべてがひっくり返る。
次のムン大統領は、安倍首相の謝罪は「真の謝罪」ではなかったため、慰安婦問題はまだ終わっていないと言い出す。

FNNプライムニュース(2020/6/9)

文大統領の言う「真の謝罪」とは何なのだろうか?(中略)合意が遵守される限り、安倍首相はこの謝罪を撤回する事は出来ない。この謝罪があってもなお、文大統領は「真の謝罪」ではないというのだ。

慰安婦問題「真の謝罪に至らず」韓国・文在寅大統領が安倍首相の謝罪を全否定

 

それまで50回近くも謝罪を繰り返したうえで、15年に首相が心からのおわびと反省の気持ちを表明し、「最終的かつ不可逆的な解決」を約束したのに、それを全て”無効化”して「真の謝罪」を要求する。
「だめだこりゃ」と日本人が思った瞬間だ。
韓国の謝罪要求には疲労や不満がたまっていた日本人に、この文大統領の「ちゃぶ台返し」はトドメになったと思う。
慰安婦合意を最後に日本はもう謝罪をしていないし、する気配もない。

「100年前のことで、日本がひざまずくべきだとは思わない」と大統領が言うと、「到底理解することはできない」「日本は反省と謝罪を否定している」と怒り出す。
日本はひざまずいて謝罪するべきと考える人が、いまでも多いというのは2度目の決定打になる予感。
「真の謝罪」よりもハードルが高くなっているのを見せられたら、日本人としてはユン大統領と同じく、「彼らは絶対に納得しないだろう」という思いを強くするだけだ。

 

 

日米になれない日韓:韓国が日本に謝罪要求をつづけるワケ

日韓関係の歴史を知ろう①戦後最悪からの改善:竹島→慰安婦

釜山の慰安婦像②日本政府の怒り!韓国人の反応・気持ちは?

日韓関係③慰安婦像問題の責任は?韓国政府?国民?釜山市?

日韓の慰安婦問題⑤韓国とアメリカ(米韓関係)、朝鮮戦争の始まり。

慰安婦像問題⑥韓国にとってのアメリカとは(朝鮮戦争)?

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。