本質は色あせない。
10年前にソウル新聞の記者が指摘した韓国メディアの特徴は、いまでもそのまま、特に日本についての報道に当てはまる。(2013.07.10)
この記者のいう韓国メディアの5大特徴(5대 특징)は政府や政治家にも有効だ。
・単刀直入
ある文脈から、自分にとって都合のいい部分をつまみ出してそれ以外は捨て、簡潔な内容にしてズバッと言い切る。
日本語でいう「切り取り」で、全体的には別の内容に変えてしまう。
「日本人なら侮辱してもいいという発想は許されない」というセリフの後半部分を切り捨てれば、発言した人を差別主義者にすることが可能で、メディアが絶対にしてはいけないやり方だ。
・針小棒大
小さなことを大事件ように誇張して報道する。
たとえばハンギョレ新聞が最近、こんな見出しの記事を掲載した。(2023-05-18)
「海に向けた核攻撃」…韓日市民団体、東京で原発汚染水海洋放出に反対する連帯集会
福島原発から出る処理水を海に流すことについては、それをチェックしたIAEA(国際原子力機関)が「問題ない」と発表した。
放射線物質は飲料水にも身近な食べ物にも含まれていて、福島原発の処理水を1リットル飲んだ場合の被ばく量は、バナナ8本分と同じだと韓国の専門家も言う。
そもそも現在進行形で、韓国の原発が同じように処理水を海へ放出している。
これを「海に向けた核攻撃」というのは、大量のバナナを輸入することを「テロ攻撃」と非難するのと同じレベルだ。
だから韓国ではメディアが大騒ぎした後で、実際は大したことなかったと分かるケースも多いらしい。
・我田引水
韓国の保守派とリベラル派のメディアがそれぞれ都合よく解釈するから、同じことでも反対の結論になる。
政治も同じだ。
自分の好きなように受け取って発表してから、「そんなことは言っていない」と当事者に否定される現象はよく起こる。
日本の防衛大臣が韓国側の発言に合意したと韓国が発表した後で、そんな事実はないと大臣が言ったから、韓国メディアは真実をさがす旅に出た。
中央日報日本語版(2015.10.23)
韓日防衛相会談での「日本防衛相発言」 真実攻防
「レーダー照射問題」で真実をめぐって、すさまじい攻防戦が繰り広げられたのも記憶に新しい。
・龍頭蛇尾
大声で問題提起をして注目を集めるが、実は大したことじゃないと分かって、最後はうやむやに終わる。
ロケットダッシュをするけど、有終の美は飾れない。
「戦犯旗(旭日旗)の問題を国連に提起するべきだ!」と数年前に政治家が国会で訴えて、メディアもそれを報道したのに、いまではそんな動きも消えた。
忘れたころにまた復活するかもしれないが、きっとそれもすぐに忘れられる。
・付和雷同
具体的な根拠を確認しないで世論の空気にしたがって、「これが~だ」「~と判明した」といった報道をドンドン量産し、その“事実”を否定できない雰囲気をつくっていく。
慰安婦・徴用工問題の報道でこんなことがよくある。
ということで日本報道は抜きにして、こうした報道スタイルの弊害が大きくなったことでソウル新聞の記者はこう警告した。
「누가 감히 언론의 목에 방울을 달 수 있겠는가. 언론계 스스로 고민해야 할 시간이 된 것 같다.」
誰があえてマスコミの首に鈴をつけることができるだろうか。言論界が自ら悩まなければならない時間になったようだ。
この特徴は10年前と変わっていないどころか、「むしろ悪化してないか?」とも思う。
次の日韓メディアの記事を比べてほしい。
時事通信(2023年05月20日)
IAEA調査を支持 原発処理水の海洋放出―G7首脳
中央日報(2023.05.21)
G7「IAEAの福島汚染水放出検証支持」…この文言は抜けた
広島で行われた先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、日本の海洋放出について「国際原子力機関(IAEA)による独立の調査を支持する」とG7首脳が表明したと時事通信は書く。
一方、中央日報は「その言葉は抜けた」、つまり(日本以外の)G6は海洋放出を支持しなかった。
と、そんなふうに読めないだろうか?
でも、中央日報の記事にはG7首脳がIAEAの調査を支持して、共同声明でこういったと書いてある。
「科学的根拠に基づきIAEAとともに行われている日本の透明性のある取組を歓迎する」
これだと内容は時事通信の記事と変わらない。
サミットの共同声明で抜けた文言とはこれだ。
「国際社会との緊密なコニュニケーションをとりながら進められているこれらの取組を継続するよう日本に奨励する」
これがカットされた。
韓国は、周辺国(=韓国)の理解や了承を得て日本が海へ流すことを求めているのに、この共同声明はその主張を否定している。
中央日報の記事のタイトルを見ると、G7が海洋放出を支持しなかったように読めてしまう。
タイトルは内容を要約したものでないといけないし、見出しだけを見て誤解する人も多いからこれは悪質。
韓国メディアの報道に5つあった特徴に新しく、「見出し詐欺」を加えないといけないらしい。
【韓国の恐怖】処理水放出は“核テロ・殺人行為”→バナナ8本分
現在、私がブログでやっていることが主に韓国メディア批評です。
特に野球記者たちがどのように反日扇動をするのか辛辣に批判します。
韓国の野球メディアは大リーグで活躍している日本人選手が不振な時、マスコミが持つべき最小限の品位さえ捨てたままむやみに非難します。例えば菊池 雄星(toronto)は「먹튀(食い逃げ)」と非難し、藤浪 晋太郎(Oakland)は「屈辱」と非難します。ただ日本人という理由だけで敵意を表しているのです。
そして2016年末、彼らはfake newsと左派偏向報道で朴槿恵政権を倒すのに決定的な貢献をしました。現在、韓国社会で一番の悩みはマスコミだと思います。
「汚染水」「戦犯旗」「戦犯企業」と日本とはかけ離れた主観的で悪意のある表現が韓国メディアには多いです。
こうやって国民の雰囲気や対日認識を形成していくと、日本と意識のギャップは広まるだけでしょうね。