「親思ふ 心にまさる親心 けふのおとづれ 何ときくらん」
幕末に起きた安政の大獄で処刑された吉田松陰が、直前にこんな歌を詠んだという。
子が親を思う心よりも、子を思う親の気持ちのほうがずっと強い。きょうのこの知らせ(自分の処刑)を聞いたら、どう思うだろうか。
松陰が参考にしたか知らないけど、平安時代の土左日記に、娘を亡くした紀貫之が詠んだ歌がある。
「世の中に 思ひやれども 子を恋ふる 思ひにまさる 思ひなきかな」
世の中にあるいろんな”思い”を考えてみても、子どもを恋い慕う(親の)気持ちにまさる悲しみはないだろうよ。(きっとそんな意味)
親と子がおたがいを大事に思う気持ちは古今東西、人類共通で説明の必要はない。
だからといって職場の親睦旅行で、上司に無断で母親を連れてきてはいけない。
そんなタイ人のスタッフがいて、日本人リーダーがぼう然としたという記事をこのまえ書きましたよ。
日本人の常識ではナシだけど、タイ人の感覚なら(全員ではないが)これはアリ。
タイ人の家族愛の深さを知った日本人が「理解ができないくらい」、「日本人感覚だと異常なレベルに感じられます」と驚くほど、タイ人の家族のキズナは深いのだ。
それでこんな非常識な行動をする人もいるし、世界を感動させたタイ人もいる。
ゴミ集めの仕事で生計を立てていた母親に育てられた娘が、出場したミス・コンテストで見事グランプリに輝いた。
これもすべては一生懸命に働いて、自分を育ててくれた母親のおかげだ。
そう思った彼女はコンテストの衣装とティアラを付けたままの姿で、急いで母の元へ駆けつけて、(たぶん仕事中の)母親に最大限の感謝の気持ちを伝えた。
この写真に世界中の人の心が震えた。
英紙デーリーメールは、美の女王が母にひざまずく姿を「感動的な瞬間(Touching moment)」と表現する。(28 October 2015)
Touching moment Thai beauty queen kneels down in a glittering tiara and sash to thank rubbish collecting mother who raised her
母の手伝いでゴミ集めをしているクイーンは、母も自分も誠実(正当)な仕事(honest work)をして生活をしているから、劣等感を持つ理由はないと言い切る。
母親は嫌がるけど、優勝した後でも彼女は母の手伝いをしているという。
ルールやきまりに厳しい日本人でもこんな親子なら、職場の親睦旅行でとつぜん現れてもきっと喜んで受け入れる。
2018年、タイで徴兵免除された「かわいすぎるニューハーフ」
タイ人の心をつかむトヨタの日本流サービス。原点は三井高利だっ。
仏教の教え(輪廻)とタイ人の生活「タンブン(善い行いをする)」
コメントを残す