【雑と緻密】緊急時にこそ分かる、日本と韓国の大きな違い

 

先日31日の朝、北朝鮮が軍事衛星か弾道ミサイルか、とにかく「飛翔(ひしょう)体」を打ち上げた。
これで結果的に、日本と韓国の大きな違いが明らかになる。
まずサイレンが鳴って、警報が発令されたところまでは同じだ。
でも、韓国では市民のスマホに届いたメッセージには、

「国民の皆さまは避難の準備をして、子どもや高齢者が優先的に避難できるようにしてください」

と書いてあるだけで、どこに避難すればいいのかということ以前に、「何のために」がなかったから、国民は何が起こったのかも分からずパニック状態になった。
何かとんでもない事態が発生していることは分かるから、みんなネットでその正体を確認しようとする。
するとアクセスが殺到し、なかなか接続できなくなって国民の混乱はさらに深まっていく。
後からきたメッセージで、人々はやっと北朝鮮のミサイル発射が原因だったと分かる。
理由や状況を知らせないで、「とにかく早く逃げろ!」と言われた市民からは、

「ミサイル発射なのか地震なのかも書かれていない。防空壕に行けばいいのか運動場に行けばいいのか分からない」
「警報メッセージが来てから自分たちで避難情報を調べなければならないのか」
「あんなに怖がらせておいて、具体的な内容のない警報メールを見てすごく困った」

と怒りや不満の声が噴出。

韓国社会において上下優劣の比較基準は日本だから、今回もさっそく朝鮮日報がこんな記事を掲載した。(2023/05/31)

北の衛星発射でソウル市が警報誤発令、内容スカスカで市民混乱…その時日本は

その時日本政府が発令した「Jアラート」はこんな内容だった。

「ミサイル発射、北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられます。建物の中、又は地下に避難して下さい。」

状況や避難場所について短く的確に説明している。
これを見た韓国の専門家はこうため息をつく。

「緊急地震速報が頻繁に発出される日本は、災害メッセージに近くの避難所や行動要領などが細かく書かれているが、韓国は災害警報に基本的な情報が不足している」

大事なポイントな情報のない災害メッセージは、「逆に混乱を増大させる恐れがある」と専門家は不安視する。

中央日報も日本を引き合いに出して、「とにかく避難の準備をしろという韓国のメッセージとは対照的だ」と自国の大ざっぱな対応を批判。
いま韓国は北朝鮮と休戦中で、戦争は終わっていないのに「多くの国民が非常事態に何をしたらよいか分からないという事実も確認された」という状態で大丈夫なんだろうか。
情報が雑すぎてワカラン! との批判をうけて、「修正することは可能」と胸を張るソウル市には悪い予感しかない。

ハンギョレ新聞の報道によると”速度”においても、韓国には日本の背中が見えないほどの差があった。(2023-06-01)

警戒警報に「大きな違い」…北朝鮮の発射、ソウルは12分後、日本は1分後に発令

ロケットが飛んでくるような緊急時にはスピードこそ命。
ここで12倍の差は致命的だ。

 

韓国を旅行したら 、IT化がすごく発展していると感じる日本人は多いと思う。
でも、韓国社会は意外と危機に弱いのだ。
2018年に電話線や光ケーブルの火災が発生した時には、電話やネットが使えなくなり、市民はカード決済ができなくなるし、ドライバーはナビが使えなくなって「石器時代に戻った」と言われるほどの混乱状態が生まれた。
経済や安全保障など韓国社会を崩壊させる可能性のあるこんな事故は、しっかり安全対策がとられている日本では起こらないと中央日報は指摘し、日本をモデルにすべきと提言する。(2018.11.27)

個別通信網の拠点も火災やテロに弱いということが今回明らかになった。政府と通信キャリアは地震など災害の時、広域基地局を稼動する日本の移動通信キャリアの事例を参考にする必要がある。

KT通信網火災、韓国政府の責任が軽くない

 

日本の場合、災害が起きて基地局の1つが故障しても、近くにある他の基地局がカバーする仕組みになっているから、こんな事態は考えられないらしい。
今回の北朝鮮の一件でも、NHKはアクセスの急増を予想して、すぐに軽量化サイトに切り替えたと韓国メディアに書いてあった。
韓国紙を読むと国民が困った時に困らないように、日本では政府や企業が事前にいろいろな事態を想定して手を打っているから、混乱が最小限に抑えられていることが分かる。
韓国メディアは、日本人が気がつかないような日本のスゴサ・緻密さを教えてくれる。

 

 

在日イスラム教徒の視点 日本人と韓国人では“ココ”が違う

【アーモンドアイ】日本人・中国人・韓国人への差別行為で炎上

コロナ対策で現れた、日本人と韓国人の価値観の違い

韓国はいつ漢字を廃止したのか?自分の名前を書けない韓国人。

集団メンタル崩壊の韓国サッカー。もうアジアの盟主でも日本のライバルでもない

「Why did you come to Japan(You は何しに日本へ?)」は失礼な質問?

 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。