違法状態が“日常”の韓国で、あの慰安婦像はどうなった?

 

このところの日韓関係の改善・前進を受けて、韓国が熱望していた通貨スワップ協定に日本も前向きになった。
現在、再開合意に向けて閣僚級の話し合いが行われ、詰めの作業に入っているようだ。
思えば2015年に日韓が慰安婦合意を結び、この問題の最終的な解決に合意したことで通貨スワップ再開の話が浮上した。と思ったら、日本政府の反対にもかかわらず、釜山の日本領事館前に慰安婦像が設置されたことで、2017年に日本側がこの話を打ち切った。
あの像は合意違反で、韓国の国内法に照らしても違法だったのに、日本も結局はヤムヲエナイと黙認してしまうのだろうか。

 

韓国では法に反していても、国民感情に合ったことなら、社会的に認められてしまうという困った現象がある。
集会やデモなどのために違法にテントを設置されることが日常になっているから、韓国各地の自治体が頭を抱えているという状況だ。
役所がそれを強制撤去しようとすれば、市民の批判を受けたり訴訟に巻き込まれたりするから、どうしても及び腰になる。
文在寅(ムン・ジェイン)政権時代には違法テントが黙認されていて、ある勇者(公務員)が法に基づいて撤去したところ、その公務員は職権乱用の疑いで検察の事情聴取を受けたこともあった。
先進国では考えられないこの事態に、「違法が合法に勝つという、とんでもないことが起きたのだ」と朝鮮日報が嘆く。(2023/06/23)

都心の違法テントをそのまま放置する先進国はどこにもない。違法テント一つにも法を執行できないのが韓国の法治の現在地だ。

違法テント一つ撤去するのに10年、韓国社会における「法治」の現在地

 

ソウルにあった違法テントを撤去するのに、10年もかかったというのが韓国の「法治」の現状だ。

さて3年前に、韓国の外交専門家(元外交安保首席)の千英宇(チョン・ヨンウ)氏が、慰安婦問題について国民にこう問いかけた。
朝鮮日報(2020/05/24)

正義記憶連帯の積弊を契機に改めて考える慰安婦問題

きっかけは、慰安婦おばあさんを支援すると称していた市民団体の「正義記憶連帯」(正義連)が、その当事者から「30年間だますだけだまし、利用されるだけ利用されてきた」と暴露されたこと。
この告発によって韓国のメディアは、それまで聖域として触れてこなかった正義連の実態について報道するようになる。
「改めて考える慰安婦問題」として、筆者はこの問題の現実的な解決法について思考をめぐらす。
そもそも韓国政府の言う「被害者中心主義」とは一体、誰のことなのか?
被害者は元慰安婦のはずなのに、文政権は正義連だと錯覚し、この団体の主張ばかり聞いていたことは「被害者中心主義を無視するものだ」という指摘は鋭く正しい。

筆者は最後に、慰安婦のためという名目で「脱法や違法までも容認するのか?」と問う。
国内に少女像(慰安婦像)を何体も立てることは、韓国の歴史教育に必要だとしても、法を無視して強引に設置するやり方には反対だいう。

道路法に違反する場所へ「違法な設置物」を据えたり、「外交関係に関するウィーン条約」に反して外交公館の安寧と威厳を害する位置を選んで設置したりすることが、慰安婦被害者のための道なのだろうか?

 

こんな無茶苦茶なことをして、「韓国がこれ以上壊れる必要はない」との見方には賛成。
でも、「日本に対する道徳的優位を喪失したら」という心配は不要だ。
国内法や国際法(ウィーン条約)に違反して慰安婦像を立てた時点で、日本に対する道徳的優位なんてものはすでに喪失しているのだから。
それはさておき、韓国でも「法治」を重視する人たちからすれば、それを否定するあの像はやっぱり認められないのだ。
1つの違法テントを撤去するのに10年もかかるのが、韓国社会における法治の「現在地」なのだから、これに反日愛国の要素が加わったあの慰安婦像はもはや絶対的な聖域にある。
だから、それが撤去される未来はまったく見えてこない。
かといって、日本政府がシカタナイとあきらめてはいけない。
いまの日韓友好の流れから、通貨スワップを結ぶのはシカタナイとしても、あの像の問題はしっかりケリをつけてほしい。
法治と合意まであきらめたら、日本が日本じゃなくなる。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。