胡桃・桜桃・扁桃など、フルーツに「桃」の漢字がつく理由は?

 

マクドナルドは世界中にあるけれど、日本にいる外国人に中には「日本のマクドナルドには季節感がある!」と驚く人もいる。
最近は新しく「もも」のフラッペやスムージーが登場した。
調べてみると、桃の季節はやっぱり6~9月とまさに今だから、その時々の「旬の味」を取り入れる日本のマクドナルドにぬかりはなさそうだ。
さて、ここで果物クエスチョン。
次の果物は何でしょう?

胡桃、桜桃、扁桃、蒲桃、羊桃(陽桃)

 

答えは、クルミ、サクランボ、アーモンド、ブドウ(葡萄)、そしてキウイフルーツだ。
この他にも赤いベリーを苔桃(こけもも)、スモモは酢桃(李)と書くし、古い言葉で唐桃はアンズ(杏子)を表す。
こんな感じに日本では、ピーチではないのに「桃」の字のある果物がたくさんある。
ちなみにスモモは「バラ科サクラ属」に分類され、「バラ科モモ属」の桃とは別の品種だから、「スモモもモモも桃のうち」というのは言葉遊びでしかない。
さらにもう一つちなんで、ちなちなむと、のどにある扁桃腺は見た目がアーモンドと似ているから、この漢字が付けられたのだ。
果物の名前に「桃」の字が使われているのは、けっして偶然ではない。

 

日本人と桃の付き合いはとても長い。
約6000年前の遺跡から、日本最古となる桃核(とうかく)が見つかっているから、縄文時代には桃を食べていたと考えられている。
奈良県にある2~4世紀の遺跡「纒向遺跡」(まきむくいせき)から、大量の桃のタネが見つかった。
これらの桃は祭りのために供物として使われたものだが、食用の桃もあったはずだ。

ちなみに、現在の日本人がよく食べる白桃は明治時代に大久保重五郎が作り出した品種で、日本ではこのころから、食用の桃が本格的に生産されるようになった。
だから、古代の桃と現在のスーパーにある桃は別物と考えたほうがいい。

 

桃の原産地は中国で、紀元前11~前6世紀の文献である『詩経』には、「園にはモモがあり、その実を食う」という記述があるから、このころには食用としての桃があったことがわかる。
古代から身近にあった桃は中国では、いつしか果物全般を指す言葉となった。

胡桃、桜桃、扁桃、蒲桃、羊桃(陽桃)にある「桃」という字はそんな考え方の表れだ。
「桃=果物」の認識から、キウイフルーツは「アカゲザル(獼猴)が食べる果物」ということで、「彌猴桃」とも書く。
「羊桃」も「羊の国(ニュージーランド)のフルーツ」という意味だろう。

豊似やオコタンペ、日和や三岳という文字だけだと、何のことかわかりにくい。
でも、豊似湖、オコタンペ湖、日和山、三岳山と書かれていれば、それが湖や山を指していることがすぐにわかる。
そんな感じで、「桃」という字を付けておくことで、中国人や日本人が初めて見ても「これは果物のことなんだろうな」と、イメージをつかむことができたという利点があったと思われる。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。